いま最も地域に溶け込みやすい仕掛けのある賃貸物件。八女里山賃貸のこと(後編)

地域ぐるみで子育てを応援

次のテーマは子育てです。取材してみると、地域の人たち自身のゆるやかな助け合いで、移住者にも子育てしやすい環境が築かれていることに驚きました。
まずお話をうかがったのは、子どもの預かりなど、援助を受けたい「おねがい会員」と援助をしたい「まかせて会員」がそれぞれ会員登録し、子育てを地域で相互援助する会員組織「やめファミリー・サポート・センター(以下、ファミサポ)」の事務局がある子育て支援総合施設『やめっこ未来館』地域子育て支援センター長である室園さん。

室園さん:「ファミサポ」は開設して12年になりますが、私たちはまかせて会員の皆さんを大切な地域資源と捉えさせていただいて、預かってほしい会員さんとつなぐのが役目です。たとえばこんなエピソードもあります。

“県外から八女市に移住された一人親世帯のお母さんが就職する際に、「欠勤や遅刻なく働くこと」という条件があり、ファミサポに駆け込んで来られました。そうして朝その子は、あるまかせて会員さんのお家でご飯を食べて保育園や小学校にも送ってもらうという生活がはじまり、学校の帰りにはそのまかせて会員さんのお家に帰り、スイミング等に送ってもらい、その会員さんのお家でお母さんの残業の帰りを待つ。ある時はその会員さんが病院や、幼児健診で待ち合わせ、おかあさんと合流、受診終了後仕事に戻られる為また預かりを続行されたこともあるそうです。”

そういった生活を3歳から小学校3年生になるまで続けて、血のつながりはないのですが、まるで本当のおじいちゃん・おばあちゃんと孫のような関わりをされていました。お母さんも仕事を辞めずに子育てができたと、とても感謝をされています。
また、他のサポートにも一つ一つドラマがあり、私たち事務局も地域のまかせて会員さんへ頭の下がる思いです。

ーー「まかせて会員」には謝金もあるそうですが、どちらかというとやりがいや楽しさがモチベーションになっているのでしょうか?

室園さん:そうですね。毎日サポートをしていただいた場合でもわずかな謝金でサポートしていただいてありがたいです。それでも親御さんがお礼を伝えると「預からせてもらってこちらこそ楽しかったよ」と言ってくださいます。お子さんを預かったことによって、ご夫婦だけの暮らしに活気が戻り、笑顔になったと喜んでいただいています。

ーーまち全体をホームのように子育てできるコミュニティが素敵ですね。リアル子育て支援施設として『やめっこ未来館』があるかと思いますが、そこでも利用者さん同士のつながりは強いのでしょうか?

室園さん:そうですね。『やめっこ未来館』では、親御さん同士のつながりから生まれたサークル活動の中からスタートしたお譲りコーナーというのがあります。利用者さんの間で使わなくなった育児グッズが循環する取り組みです。必要なものを譲ってもらったり、不要になったものを譲ったりが、ずっとつづいています。
『里山ながや・星野川』に近い子育て支援施設は黒木町に『ピコロ』というものがあります。『ピコロ』は地域柄なのか、親御さん同士のつながりがより深い気がします。一緒に遊んだり子育て情報を交換する以外にも、たとえばメモ的なものを掲示板に貼って色々やりとりもされていますよ。「何ヶ月までの服をくださる方いませんか?」とか「こういうもの欲しい方は声かけてください」とかですね。ピコロは狭いながらもアットホームな暖かさが魅力です。


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