【Mekurutoな人vol.5】一冊の本が、人生を変えることもあるから。

2018年1月、福岡県久留米市に民間初のシェアオフィスとして誕生した『Mekuruto』。このシェアオフィスは、私たち「福岡移住計画」と「久留米移住計画」が連携運営しています。
オープンしてから1年7ヵ月、『Mekuruto』ではどのような方々が、日々空間を共有しているのでしょうか。「Mekurutoな人」シリーズでは、入居者や運営者など、多様なメンバーから見た『Mekuruto』についてご紹介していきます。

今回のインタビューは、移動式書店『るーこぼん』の店主かつ、週一で『Mekuruto』ディレクターも務める“るーこさん”こと、大石香(おおいし かおる)さん。2児の母でもある大石さんは、この日も1歳のお子さんを抱っこ紐に入れたまま取材をスタート。書店に込めた思いや、『Mekuruto』での活動についてお話を伺いました。

本を通して、ひとを元気に

前回までは『Mekuruto』入居者の方にお話を伺ってきましたが、今回はシェアワーカーとして週に一度『Mekuruto』ディレクターとして働かれている大石さんにお話を伺います。まずはご出身を含め、簡単なご経歴を教えていただけますか?

出身は鹿児島県の大隅半島にある、肝付町というところです。そこで栄養士の専門学校を出て、3年ほど栄養士をしていました。その後、通販会社で健康食品の企画開発に携わり、結婚を機に久留米へ引っ越して。通販会社のときの取引先とのご縁で、久留米に来てからはフリーライターとして働いていました。そして3年前くらいに、「本屋さんになりたい」と思い、本屋になりました。

―「本屋さんになりたい」と思ったのは、何かきっかけがあったのでしょうか……?

きっかけになったのは『魂の燃焼へ(執行草舟、清水克衛 著)』という本です。東京で『読書のすすめ』という本屋をやられている清水店長と、バイオテックという会社の社長さんの対談本で。それまで自分はあまり本を読んでいなかったのですが、その本を機に、すごく読書をするようになったんです。その様子を見ていた知人に「もう、本屋さんになっちゃえばいいのに」と言われて、もうその一言で。本屋になろうと決めました。

―その一言で決意されたというのはすごいですね! ちなみに、『魂の燃焼へ』のどんなところに影響を受けたのでしょう?

その本では、「今の若い世代はもっとこういう本を読んだほうがいい」といろいろな本が紹介されていたんです。ちょうど当時、周りとうまくいかずに悩むこともあったのですが、紹介されていた本を次々読むうちに、自分の考え方が変わり、悩みも解決されていったような感じで。
また『読書のすすめ』の清水店長は、人の悩みを聞いてその人に合う本をお勧めするということを、ずっとやられている方なんです。わたしも以前から「人を元気にする仕事ができたらいいな」と思っていたのですが、自分自身が読書を通して励まされた経験から、「本を通じてひとを元気にする方法もあるんだ!」と感動して。

―それで、本屋を始めようと。

そうなんです。上の子がまだ1歳のときでした。最初は小さなトランクに、その方が好きそうな本を詰めて行って。カフェなどでお会いして、「どうでしょう?」とカパッとトランクを開ける(笑)。意外とそれが好評で、しばらくは「トランクひとつの本屋」としてやっていました。
いずれはお店を持ちたいなとは思いつつ、子どもも小さいし、難しいなと。そんな中でたどり着いたのが、ワーゲンバスを使った「移動式書店」という形で。これを始めたのが去年の12月です。

―育児されながら、両立もしやすい形を試行錯誤して今の形にたどり着いたのですね……!ワーゲンバスの移動式書店では、どのような活動をされているのでしょう?

たとえば「この公園で、ひなたぼっこしながら読みたいな」と依頼があれば、ワーゲンバスで行って、周りに本棚を立て、みんなでひなたぼっこしながら本を読んだりとか。基本的には顔をあわせてお話する中で、その方に合う本をお勧めしています。また、『Mekuruto』にも、少し本を置かせていただいていますよ。『移動しない書店るーこぼん』です(笑)。

読みたい本をひたすら読む会

―『移動しない書店』(笑)。ちなみに『Mekuruto』にかかわることになったきっかけは何だったのでしょうか?

『Mekuruto』運営メンバーでもある半田兄弟(半田啓祐、満)さんのイベントに出させていただいたのをきっかけに本屋としての活動を始めてしばらくしたころ、おきなさんからお声がけいただいて『Mekuruto』で読書会を開催することになりました。本を通じて「コト」を作っていってほしいと。その流れで、今は月に2回、水曜日に『読みたい本をひたすら読む会』をやっています。テーマも設けず、それぞれ読みたい本を読み、わたしも勧めたい本を勧めるという、自由な読書会です。

―自由な読書会、いいですね。参加されている方の反応はどうですか?

何度も参加してくださっている方が、わたしの選書にすごく喜んで、周りの方にも勧めたら評判がよかったよ、という声をくださったりして。それが一番うれしいですね。また、無理に「仲良くなりましょう!」という雰囲気は作らないようにしているんですが、不思議なことに、帰るころにはみなさん自然とつながっていて。その感じがすごく心地いいなあと思います。

―たとえば、どんなふうにつながっていくのでしょう……?

たとえばある方の悩みを聞いて、わたしが本を選んでテーブルに持っていくと、「なになに、どんな悩みに、どんな本を紹介してもらったの?」と周りのみなさんも気になって声をかけたりして。そうやって、いつのまにかみんなが混ざってしゃべっている、という感じですね。「つなげよう」とは全然していないのに、気がついたら最後はみなさんすごく仲良くなって帰られるので、不思議だなあと私も思っているんです(笑)。

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それぞれの世界で、輝いて

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