都市と自然の調和を無意識に感じられる、働き方と暮らしの豊かさ
続いては、ここ1〜2年にSALTに入社され、”SALTな人”に染まっていきつつあるお二人から、SALTでの活動や想い、そしてUIターンされた福岡でのライフワークについてうかがいました。
■話し手
岡 悠樹(不動産プロデューサー)
東京のコワーキングスペース「TOKYOシェアオフィス墨田」を運営しながら、不動産にまつわる事業を担当。2年前に入社し、約半年前に地元福岡にUターンした。宿野部真央(ミエリッキ)
温泉に入れるインキュベーション施設「快生館」ディレクター。SALTには8ヶ月前に入社。肩書のミエリッキは、フィンランド神話の森と狩猟の女神から。
お二人はこの1〜2年でSALTに入社されましたが、入る前から入社までの経緯を教えていただけますか。
岡:僕もたまたまですが鎌苅さんと同じ、東京の不動産デベロッパーで働いていていました(笑)。ただ鎌苅さんから誘われたというわけではなく、当時、関東に住む福岡にゆかりのある人が集う「リトルフクオカ」というコミュニティに所属していたんです。そこで定期的に開催する東京のイベント会場が当時SALTがプロデュースしていたワークスペース拠点(DIAGONALRUN)だった時に、そこで代表の須賀と知り合ったのがきっかけです。SALTという会社に興味を持ち、調べていくといい会社だなって思って。
ちょうどその頃、転職を考えていたんですか?
不動産デベロッパーでは、業界的に基本的にハコモノに投資して動かしていくような仕事の仕方が主流で、いつまでたってもそのやり方から抜け出せないビジネスモデルをどうにか変えたかったんです。ハコモノをつくることよりも、完成した後どうするのかの方が大事だと思っていたので。かといって、具体的に「これがしたい!」っていうのはなかったんですが、SALTがやっていたことは、企業などと一緒に拠点をつくるところから、つくった後の運営に関わるようなことをされていて。そこはぼくが知らない領域で。それを経験してみたいっていうモチベーションが強かったですね。
SALTへの関わりの動機がすごく鎌苅さんと似てますね(笑)。大手からのSALTへの転職は知らない領域へのチャレンジとしてなんですね。入社されてどんなお仕事をされていますか?
僕は2年前にSALTに入社したんですが、実は入った時は引き続き東京の仕事をしていたんです。(笑)
元々SALTは東京で始まった会社で、現在もシェアオフィス運営など東京での事業も展開しています。東京では、東京都が開設したシェアオフィス(TOKYOシェアオフィス墨田(以下:TSO))の運営をしていますが、その企画提案から関わっていて、スペースのコンセプトを考えたり、中をどんな設備にするかなど、最初から最後まで自分の手で仕事をさせていただきました。
福岡本社の会社ですが、東京でもう少し仕事をしていたかったので、自分としてはよかったです。(笑)
福岡と東京に拠点をもつSALTだからこそですね。福岡へはいつUターンされましたか?
半年前、福岡在住のパートナーと結婚したことを機に、福岡に拠点をうつさせてもらいました。当初は東京に残って…と思っていたんですけど、やりたいことや子育てのことを考えると福岡がいいのかもしれないと思い、希望して福岡に戻りました。希望や意向を受け入れていただけるのもSALTらしさですね。
宿野部さんはどんな経緯で入社されたんですか?
宿野部:もともとは不動産賃貸仲介の営業やホテルのマネージャーを経験したのち、SALTが運営をしていたLIFORKというコワーキングスペースでコミュニティーマネージャーを業務委託でやっていました。出身も東京なんですが、学生時代から自然を近くに感じられる場所に移住をしたいと考えていて。去年の春に、旅行で福岡を訪れた際に、SALTにもふらっと立ち寄って。ほどよく都会も感じられる場所がいいなと思っていたので、福岡はぴったりだと直感を感じたんです。そこから転職活動をして、SALTのほかに福岡の企業から2社内定をもらっていました。話を聞いていくうちに、自分の理念に近いのはSALTだなって。SALTメンバーの、日常的に山や海に行ったりしている考え方や価値観に共感したんです。
福岡との出会い、そしてSALTとの出会いが一気に人生を推し進めたんですね。
実は、移住先探しで自転車で日本周遊をしていたんですが、その時は福岡には足を運べていなくて。都会も好きだし、山も好き、いつかは狩猟もしたいと思っていたので、福岡はぴったりでした。今度、社員2人で狩猟免許もとるんですよ(笑)。しかも免許費用も会社が持ってくれるんですよ!
狩猟免許!これからSALTは何をしようとしているんだろう…(笑)。
お二人がSALTに入る前と、入ってみて感じることはありますか?
岡:割と自由に動けるのはいいところですね。でも、決して自分勝手に動いているわけじゃないんです。毎月の合宿を重ねるうちにSALTが大切にしている「個を許容する」ということが自然と身についてきて、どんなことをやっていても根底にその考え方があるんですよね。
宿野部:思ったよりメンバーやチームも少数精鋭でやっているので、主体性を持って動いています。企画や運用も一から進められるのでその分責任もありますが、そのほうがやり甲斐を感じるタイプなので、わくわく感を持ってやってます。
岡:あと取引先が、大手企業や自治体の主要プロジェクトなど、どんどん大きくなっているので、僕たちも会社としても、ぐっと成長しなければいけない時期なんだろうなって思いますね。
SALTは入社してすぐに、いろんな事業にチャレンジできる環境なんですね。
そんな中で、今自分たちにできること、やりたいことはどんなことですか?
宿野部:入社してすぐに、元温泉旅館をリノベーションした古賀市のインキュベーション拠点「快生館」立ち上げに携わって、今は多くの時間を快生館のメンバーと共に過ごしています。山の中にあるこの場所にどう価値をつくっていくか、SALTメンバーや事業者や地域の方々と一から考えてて。毎月イベントを開催したり、温泉や宿を始めたりと、試行錯誤しながらやっています。良い場所になっていくように価値をつくっていきたい。課題が多い方がやる気が出る性格なので、日々いろんなことを経験しながら楽しんでいますよ。
岡:ぼくは、スクラップ&ビルドの不動産の考え方を根底から変えたいと思っていて。新しい建物をつくることに注目されがちですが、不動産の価値をどうつくっていくかが大事。そのためには実績が必要だと思っています。
東京で進めている「TSO」や、また新しく博多で始まるスモールオフィス「Mol.t」など、SALTというフィールドで、建物や場所の価値を高めるプロジェクトの経験を、重ねていきたいです。
なるほど、SALTのプロジェクトを実験として活用しながら、積み重ねている段階なのですね。働き方の面でもがらっと変わったと思うんですが、普段どんなリズムで過ごしていますか?
宿野部:週4〜5で快生館に行っています。それも縛られているわけではなくて、SALTに出社してもリモートでもいいし、出勤する場所は割と自由ですね。
岡:2週に1度は東京に行っていますが、福岡ではほぼリモートなので、子育てしながら働いています。そういう意味では個人の大事にしたいものに合わせて働き方が選べる環境なのかなって思いますね。
お2人とも東京からのUターンIターンですが、福岡の暮らしで何か感じることはありましたか?
宿野部:東京では毎日刺激やカルチャーにまみれていたんで、少し物足りなさを感じていました。だからこそ、居住地は本社の近くではなく博多駅付近を選びました。都会を感じながら、本社は海の前、現在の主な職場「快生館」は山の中。すべてを感じられる暮らしは本当に贅沢だなって思いますね。
意識的に自然を感じるんじゃなくて、SALTで働くと無意識にそれができる状態なのはすごいですね。
岡:ぼくは、気持ちとか時間の使い方とか、あらゆる面で“余白”が増えたな、と感じます。車ですぐの場所に海や山もありますし、そういった福岡やSALTという環境が余白を増やしてくれているんだろうなって思います。
今後SALTでどんなことをやっていきたいですか?
宿野部:狩猟の免許をとったら、それを日常に取り入れていきたいと思っています。そしていつか個人的にゲストハウスを運営して、周辺のディープで面白い場所を案内するツアーをしたり、ゲストハウスの中に秘宝館をつくりたいです(笑)。
自分ごとの夢だけど、会社ごとにしても面白そう(笑)。