暮らしが変わるいま、ファミリー実践者に聞く2拠点生活のこと。

2拠点生活における、仕事・子育て・居住環境

――五島市に住んで約9ヶ月。そちらでの暮らしはどうですか?

白石さん:とても快適ですよ。家も広くなりましたし、保育園は第一希望のところに入れるまで少し時間はかかりましたが、いまは無事に希望した保育園に通っています。島といっても、五島市の人口は約3万6千人でコンビニも24時間営業してますし、暮らす上での大きな不便はありません。仕事に関しては、年間で業務委託契約をしているので、1年の収入が見通せて、計画を立てやすい。ボーナスという概念がない分、たまに友人から仕事をもらったりしています。
そして、今年の3月ごろからはコロナの影響で誰もがリモートという環境に。語弊があるかもしれませんが、そのことでさらに、当たり前にここにいてよくなりました。請求の仕組みや印鑑の制度などもどんどん見直され、月1回の出社さえも必須ではなくなりました。

――新しい五島という町に飛び込んだ中で、移住者同士のコミュニティというのもあるのでしょうか?

白石さん:はい、もちろんあります。五島列島に心ひかれたのは、最初に訪れたときに移住者の方から気さくに声をかけてもらったことも大きなきっかけでしたので。いまも仲良くさせていただいています。ただ、今は、数多くの人と意図的に繋がろうとはしていないかも。繋がるときは自然と繋がるかな、くらいの軽い気持ちですね。

――今後、五島でも仕事をつくっていくスタイルになるのでしょうか?

白石さん:つくれるといいな、と思っています。受託での仕事以外に、今年の8月からキャンピングカーのレンタルサービス「OSOTO campervan」を立ち上げます。まずは福岡で2台導入。五島での雇用づくりをしたいので、3台目からは五島列島で展開できるといいなと思っています。

――今のところ、いいところしか聞こえてこないのですが…拠点を五島においたことでのメリット・デメリット教えてを教えていただけますか?

白石さん:メリットは生活コストと、食の充実が圧倒的ですね。肉・魚・米・野菜のほとんどが地元のものなので新鮮な上に、親切な値段で販売されています。旬の食材を使って、家でご飯を食べるのが楽しくなるっていうのはすごくいいですよ。
それから、福岡と同じく中心地から空港までが近いこと。ぼくの家でいうと、飛行機の出発時刻の30分前に家を出る感じです。そして飛行機に乗っている時間は40分。時間だけみると、普通に毎日通勤可能な範囲内です(笑)。
メリットばかりだと思えるのは、この土地の素晴らしさはもちろん、移住前から今でもずっと、問題や疑問がある度に夫婦でとことん話し合っていることも大きいかなと思います。仕事・子育て・居住環境について、ぶつかりながらもお互いが納得するまでとことん話してきたと思います。

――なるほど。これから移住や2拠点生活を考えている方のために、仕事・子育て・居住環境についてアドバイスがあれば教えてください。

白石さん:仕事については、業態にもよりますが、普段からPC作業の多い方は企業と年間のパートナーシップを結べる関係性があるといいかもしれません。年間の収益を見込めますし、スケジュールも組みやすいので。
子育てのことは、保育の環境を整えることが第一だと実感しました。エネルギーの塊のような幼児を、1日中1人ないし2人で見るのは正直、体力と精神力が持ちません。我が家は、移住後、タイミング的に保育園がスムーズに決まりませんでした。そこで改めて保育園のありがたみを感じたので、お子さんのいらっしゃる方は移住前に保育園や幼稚園を探しておいたほうがいいと思います。
そして、居住環境について。五島市は市役所で移住担当の方がいらっしゃって、連絡すると担当者さんが状況に合わせて空き家バンクなどから住まいを案内してくれます。住まいを決めるときにチェックしておきたいのが、ネット環境。意外と光がきていないなど、場所によるので下調べしておきたいとこです。

――正直、もっと苦労話が出てくるかと思っていたので、想像以上にいいことだらけでびっくりしました!

白石さん:福岡生まれの福岡育ちで、福岡大好きですが、今ではすぐに「五島に帰りたい」って思います。妻に背中を押されまくって決断した2拠点生活ですが、本当にこの年齢(移住当時42歳)、タイミングで叶えられてよかったと思います。また、子どもが小学生に上がるタイミングでどこかに拠点を移しているかもしれませんが(笑)。

新型コロナウイルス発生以降、テレワークの導入で「働く場所」が変化。それと同時に、「住む場所」について考える機会が増えたという方も多いのではないでしょうか。今後、これまでもたびたび注目されていた一箇所の移住だけではなく、白石さんのような2拠点生活など、ライフスタイルの多様化が広がっていくはずです。どんなワークライフスタイルを叶えたいのか。もう1度自分の心に問いかけてみてはいかがでしょう。

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