見えないリアルな情報を届ける
――そういえば前に小倉の商店街を取材したとき、いろいろ話しかけられましたし、お土産もいただきました！ では実際にZoomで相談したい場合はどのようにしたらいいのでしょうか?
菊池さん：まずはメールで問い合わせをしてもらい、Zoomでの相談日時を決めています。事前に知りたいことを教えてもらった上で、お送りできる情報は先に送っておいて、Zoomで1時間程度お話させてもらいます。仕事や子育て、家のことなど、市役所にも支援メニューはたくさんあって、そのあたりも僕なりに整理して提供していければと思っています。
――先に情報をやり取りした上で相談できるとより深く充実した時間になりそうですね。
菊池さん：そうなんですよ、皆さんはある程度は自分たちで調べられていて、ネットや紙媒体では分からない情報を求めて、オンライン相談を希望されると思うんです。僕はナビゲーターのような立場で、行政が持っていて他の人には見えづらい情報を届けたり、移住経験者や民間の視点でお話を伺ったりできればと考えています。すでに１件Zoomでご相談を受けました。
――早速相談が！ 実際にやってみて、いかがでしたか?
菊池さん：今回、相談を受けたのは東京生まれで今も東京で働いていて、福岡市に行ったことはあるけど北九州市には来たことがない方でした。お子さんが小さくて、子育て環境がよく仕事のある移住先を探されていて、まだ下見をしたいというほどではなかったのですが、いろいろお話した結果、見に来たいと言ってくださいました。一度顔を見て話したから、次にメールでやり取りするときも近しい気がしますね。オンライン相談は、対面ほどわざわざ感がなく、気軽にできますし、とてもいいなと感じました。
――菊池さんはゲストハウスをされているので、相談された方が北九州市に来たとき、実際に会いやすいですね。役所には行きづらいけど、北九州市に知人ができた感覚で心強いと思います。いいこと尽くしの北九州市ですが、あえて難点を挙げると何かありますか?
菊池さん：うーん、外から見て、治安が悪いというイメージを持っている人もいるようですが、住んでみたら全くそんなことはありません。大都市ならどこでも治安の悪いエリアはあって、そこに近づかなければ問題なし。日頃の生活で関わることはまずありませんから。
――なるほど、安心しました（笑）。最後に、移住を検討している人に向けて、アドバイスをお願いします。
菊池さん：まずは自分がどんな暮らしをしたいか、イメージしてみてください。そして、ぼんやりとでも思いを伝えてもらえれば、こちらも情報提供やサポートをしやすいですね。こんな夢を話すのは恥ずかしいなんてことは全くなくて、何でも正直に話してもらえるとうれしいです。
僕の印象として、都会の人って初対面では本心をあまり出さない感じがしています。でも、地方に移住するというのは新しい自分になるスタートでもありますし、何でも話してくださるとうれしいなといつも思っています。そもそも北九州市は嘘がなく親切な人が多いので、取り繕わずにありのままで思いを言葉にしてもらえれば、いろんな人が自然にサポートしてくれると思います。
▲旦過市場（小倉北区）
――反対に、まだイメージがわかない人でも相談OKですよね?
菊池さん：もちろんです、そんな気持ちも正直に話してください。少しでも興味があれば、どんな相談でも気軽にご連絡ください、お待ちしています。そして移住してくれる人が出てきたら、本当にうれしいです。
柏木さん：今回、菊池さんにお願いしたのは、ガッツリ移住と決めていなくても、何となく地方で楽しく暮らしたいという話でも、寄り添って一緒に掘り下げて考えてくれる方だからなんです。新型コロナウイルスの影響で自分の暮らしを見つめ直す今だからこそ、移住について考えてみませんか。
今回はオンラインでの取材ながらもスムーズにお話をうかがうことができました。菊池さんご自身が30代ということもあり、ターゲットとなっている世代の方はどこか友人に話を聞いてもらえる感覚、しかしながら的確な情報を教えてくれる安心感がありました。そして良いことばかりでなく、移住する上での注意点も正直にお話いただけたこと、行政主導とはいえ決して強引ではなく、移住する・しないに関わらず次の一歩のきっかけをくれる素敵な取り組みかと思います。
オンラインだからこその気軽さが妙に肩肘張ることなく、素直な気持ちを打ち出せるかもしれません。
北九州市オンライン移住相談は以下URLよりお問い合わせください。
https://www.city.kitakyushu.lg.jp/page/kitakyushulife/sumai/online-emigrate-consultation.html
