うなぎの寝床とリ・パブリックがタッグを組んだ「UNAラボラトリーズ」が考える地域文化とこの先目指すもの。

時代とともに変化してこその伝統

ーー地域文化に対しては海外も含め地域外の方が魅力を感じるという方もいるかと思いますが、逆に地域側に今1番危機感を感じることはありますか?

白水さん:事業の継承という点に危機感を覚えています。僕らが取り扱う“物”を選ぶ時、「土地性」「作り手」「経済性」の3つの基準を設けているのですが、特に「経済性」が弱い。なぜかというと、伝統を重んじすぎたり、現代の生活文化に変換できていなかったりするからです。伝統は重んじるのは大事です。ただ昔のままやることが伝統ではありません。あくまでも、知恵を現代で解釈して現代に対して更新しつづけること。これが伝統だと思っています。そこをできていない作り手は多いかなと思います。必然的に経済的に細っていき、継承が難しいということになると思います。

ーー白水さんがおっしゃるように、今後地域文化は、グローバルな時代とともに柔軟に変化していくことが大切になってくるかと思いますが、その変化はどう地域に影響していくと思われますか?

白水さん:海外(異文化)からの視点は、とても重要なポイントだと思っています。地域で長くやっていると、自分たちの長年培われてきた固定概念にとらわれることが多くなり現代にアップデートされていない部分が多くあります。僕らでさえ7年くらい事業をやっていると、固定概念が生まれていきます。外からのニーズを探ることによって、もう1度内側を見つめ直して、どう現代に転換できるかを測る、それが地域文化持続のためにもいいことだと考えています。海外だけでなく、地元住民以外の視点、他の産業の人の視点、都市の視点…あらゆる視点で考えて、検証して、次の現代に更新し続ける必要があると思っています。

▲白水さんが続けてきた「うなぎの寝床」

ーー「UNAラボラトリーズ」として取り組む予定のことがあれば教えてください。

白水さん:宿・出版・体験の3つを開発していくことになると思います。どれも、ちゃんと地域の文脈を理解しながら、新しい視点を混ぜていくようなイメージをしています。宿も出版も体験も既成概念の事業ではなく、その土地と形態にあったやり方、きちんと伝わるやり方に変換していきながら、事業をつくっていきたいと考えています。

ーー今後、「UNAラボラトリーズ」と『TRAVEL UNA』をどのように育てていきたいですか?

白水さん:もともと、情報(出版)と体験(ツーリズム)の会社として設立し、ようやく3月に旅行業の認可もおりたのですが、新型コロナウイルスの影響によりツーリズム事業が始められずにいます。おそらくコロナ以前と以後では、ツーリズムというものの意味が大きく変わってくると思います。もともとInspiration Tourismをコンセプトにしようと思っていましたが、今はTourismという言葉をやめてInspiration Residencyと言っても良いのではないかと思っています。ゲストには九州に滞在してインスピレーションを得る体験をしていただく、迎える側のホストも一方的におもてなしをするのではなくゲストとの交流を通じてインスピレーションを得る。そんな双方向の関係が築けると良いと思います。今年度中には、九州で30箇所ぐらい、Inspiration Residencyとしての体験プログラムを開発したいと思っています。

これまで表面的に感じ取っていた「地域文化」でしたが、「UNAラボラトリーズ」が捉え発信していく「地域文化」には、これまでの歴史の深さと進化する上での柔軟な思考がうまく調和しているようにも感じました。新型コロナウイルスの影響で動きなせていない部分もあるとのことですが、地域にとっても有益になるこちらの取り組みを私たちも応援していきたいと思います。
(写真:藤本幸一郎 *白水さん写真を除く)

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