【連載】福岡からデジタルイノベーションを起こすメンバーズグループの採用戦略(2/2)

大企業を対象にしたWebサイト運用とデジタルクリエイターの育成に力を注ぎ、「社員が幸せになれる、デジタルクリエイターが活躍する社会を創りたい」と掲げるメンバーズ。そんな中、同社が福岡を舞台に取り組む採用活動はその理念を表すプロジェクトのひとつです。そこで本連載では福岡での採用活動について深堀りしつつ、メンバーズグループがどのような人材を求めているのかをお届けします。

人手不足を「リモートワーク」で解消する

日本の有効求人倍率は、世界経済全体に大きなインパクトを与えたリーマンショック後の2009年に0.47倍を記録しました。しかしこれが「人余り」の底で、その後は右肩上がりの上昇を続けます。2014年には1.04倍と1倍を超え、2018年は1.61倍となり、むしろ「人手不足が経済成長の足を引っ張っている」という声すら上がりました。

▲出典:doda「転職求人倍率レポート」(2019年10月15日付)

IT業界における人材不足はさらに顕著です。dodaの転職求人倍率レポート(2019年10月15日付)によると、2019年9月のIT/通信業界の転職求人倍率はなんと7.85倍。サービス業3.03倍、メディカル2.39倍などと比較すると、その需要の大きさがわかります。毎月の推移を見ても、7倍から8倍前後で高止まりを続けている状態です。
こうなると、求職者にとっては完全な売り手市場。よりよい条件での仕事を求めるのは当然といえるでしょう。

その「条件」は、もちろん金銭面ばかりではありません。とくに、「働き方」について企業側がどう取り組んでいるかを判断材料にしたい、と考えている求職者の方も多いのではないでしょうか。

新しい働き方としてメンバーズがすでに実現し、多くのエンジニアから高い支持を受けているのが「リモートワーク」です。今回は、メンバーズグループのなかでも、ITエンジニアのリモートワークに力を入れているメンバーズエッジの皆さんにお話をうかがいました。

「出社よりコミュニケーションが進む」リモートワークの実態

今回は、エンジニアの福岡拠点所属の西菜さんと、福岡拠点所属で鹿児島にてフル在宅勤務の松崎さん、そしてメンバーズエッジの採用担当である長戸さんにお話をうかがいました。
ですが、取材場所となるメンバーズエッジ・福岡支社で待っていてくださったのは西菜さんおひとり。長戸さん、松崎さんはビデオチャットでの参加で、さっそくリモートワークの一端に触れることができました。

――まずは、メンバーズエッジではどのような業務をしていらっしゃるのか、長戸さんからご説明をお願いします。

長戸さん:メンバーズエッジでは、「Growth Team」と名付けたチーム型のシステム開発を行っています。
開発手法はアジャイルに特化しています。クライアント様側のエンジニアチームと、弊社内に編成したのエンジニアチームがダイレクトにやり取りし、短い開発サイクル(スプリント)を繰り返しながら開発を進めています。
クライアント様側と弊社のエンジニア全員が、フラットに直接コミュニケーションをとりながら、受発注関係ではなく、同じチームのエンジニアとして、要件定義・実装・コードレビュー・テストを進めていきます。

▲長戸さん(左)、松崎さん(右)

――アジャイル開発となると、クライアント側の理解と体制も重要になりますね。

長戸さん:いわゆるレガシーなウォーターフォール型に慣れているクライアント様にとって、いきなりアジャイルで開発を……というのは大きなストレスになります。ですから、メンバーズエッジとしては基本的にアジャイル開発が可能なクライアント様とのお仕事をする、という方向で動いています。

――それでは、まずは西菜さんから現在のお仕事について聞かせてください。

西菜さん:2019年の9月1日入社ですから、まだ新入社員という感じですね。まず最初の一か月はしっかり研修を受けて、10月から実際に案件を担当しています。スプリントごとのタスクの割り振りなど、まずはチームでの動き方の基礎を固めているところです。

――西菜さんがメンバーになっている開発チームは、皆さんどちらで働いているのでしょうか。

西菜さん:今のチームは4名で、福岡拠点が僕を入れて2名、広島に住んでいるフルリモートが1名、仙台拠点に1名です。拠点所属のメンバーもオフィスにいることはほとんどなくて、ほぼリモートですよ。「Google Hangout Meet」をつなぎっぱなしです。

――福岡のメンバーだけでも出社してきて一緒に仕事をする、という機会はないんですか?

西菜さん:実は、なるべく出社しないようにしているんです(笑)。というのも、直接会って話をしてしまうと、リモートで働いている他のエンジニアとの情報の齟齬が出てしまうんですよね。

――あ、なるほど!例えば福岡で「あの件、こうやっておいて」みたいな話を口頭でしてしまうと、それは広島や仙台のエンジニアさんには伝わらないわけですね。

西菜さん:そういうことです。オンラインでやり取りしている方が、よりきちんとコミュニケーションできる。これはお客様との間も同じだと思います。

――レガシーな開発環境だと、クライアント側にも開発側にも「技術に詳しくない営業さん」が間に入ってしまって……というイメージが(笑)。

西菜さん:お互い直接話をできるのは大きなメリットだと感じています。とくに今僕が入っているチームだと、お客様側もリモートでお仕事しているエンジニアさんなので、そういう意味でも話が早いですね。

――松崎さんのお仕事はいかがでしょうか。

松崎さん:僕は9月16日入社なので、社歴では西菜さんよりさらに若いことになります。ようやく入社後の研修が終わって、今は業務のための環境構築をしているところです。前職はそれこそレガシーな環境だったので、Slackなどのコミュニケーションツールも使っていませんでした。

――そこから一足飛びにフルリモートとなると、かなりのギャップを感じたのでは?

松崎さん:そうですね(苦笑)。一方で、これから携わる仕事の内容についてはとても満足しています。前職は東京でエンジニアをしていたのですが、実家のある鹿児島への移住を決めた時点でエンジニアとしての今後の成長は諦めなければいけないと覚悟していました。

――やはり、高いスキルを要求される仕事というのは地方にはなかなかないのが現実だと思います。

松崎さん:はい。ですが、メンバーズエッジと出会ったことで、鹿児島にいても高いレベルの仕事に取り組むことができます。これは僕にとっては非常に大きいですし、東京から移住しようと考えている人にとってすごくプラスの材料だと思います。

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家族が後押しした移住&転職

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