【SALTな人vol.7】「建築×母」で道を切り開き、そして自ら生み出す人を増やしたい。

ちょっとしたアイデアでSALTと地域がつながるきっかけを

ーー今後SALTとしても入居者を増やしていきたいと思っていますが、どのような人とこのSALTという環境を共有したいですか?

福岡市科学館でクラブ活動の講師を月2回受け持っているんですけれど、18歳以上は誰でも参加OKなので、大学生、仕事をやめた無職の30代、リタイアした人もいる。異なる年代、人生のステージがバラバラな人が一緒に何か作ると、すごく良い作品が生まれるんですよ

現在SALTに入居される人は、おそらくライフスタイルが似ている人だと思うんですよね。そこに今までのSALTと全然タイプの違う人とかがきたりしたら、間口が広がって面白いんじゃないかな…。色々な人がいるというのが「地域」だと思うので。だから誰でもウェルカムみたいな、参加しやすい企画があったりしたらいいですよね。

かき氷、流しそうめん、花火…そういった地域のお祭りや町内会でやるような定番で普遍的なイベントだと参加する人も増えるんじゃないでしょうか。

SALTがあるビルは空間は海には開いているけど、通りに開けていないのでどうしてもパッと人が立ち寄り難い構造でしょ。
だから駐車場でちょっとした移動式屋台を出して近所の人とおしゃべりしてみるとか。そういった工夫があったらいいですよね。

ーー遠藤さんのおっしゃる通り、SALTの入り口は2階なのでちょっと入りにくい雰囲気がありますよね。駐車場企画面白いかもしれませんね!
最後に今後遠藤さんが取り組んでいきたい活動、挑戦していきたいことがありましたらぜひ教えてください。

人間が誰しも生まれながら持っているクリエイティビティを取り戻してくことを応援していく場を持つ夢があります。“自ら生み出せる力”というのが、文明の発達によって退化しているように思うんですよね。
例えば日本では震災の時、家を失った人が仮設住宅の供給がスタートしていなくてうなだれている。その一方、わたしが仕事で定期的に訪れているアフリカの現地の人たちは、まるで大根を庭に植えるかのように、土を掘ってレンガを焼いて積み上げて自らの手で家を作っているんですよね。自分の家を作るって巣を作るような感覚を持っている。
こういう“形にする力”って現代が失ってしまっていて、でも取り戻していかなければならない大事な力だと思うんですよ。

それは文明の発展の同じステージいる人と話しても生まれない。イノベーションを起こすには、自分より進んでいる人に触れることが一つ。それと同時に後進している人、物質的豊かさやテクノロジーは進んでいないけれども、まだ何でも作れる才能を持っている退化していない人たちが途上国と言われている国にたくさんいる。そういう人たちと知恵やエネルギーを交流・シェアしていくことは大事だと思うんです。彼らのクリエイティビティやエモーションはすごくて、生み出す力において日本との差を感じずにはられませんでした。

世界は広いし、ステージが違う人同士が混じり合い、お互いを知ることで知ることで刺激が生まれ、それによって自分たちでやっていようという気運が上がる。やってみてできたことをみんなでシェアして、街や地域の課題を「こうやったら解決できるよ!挑戦してみよう」実際に生み出すことで人間は自信を持てるんですよね。

今の時代、世界のどこにいてもアイデアはデータで一瞬のうちに送信できることができるでしょ。だからクリエイティブな知恵は遠くの人とめいっぱい交換しあって、でも、物自体はその土地で地産地消して循環させるような、そんなことをやりたいなあと、まだ漠然とですが考えています。

どこから手をつけていいかなと思いつつ、定期的に足を運んでいろんな人と会って、何ができるか探しています。ミュージアムとファブ工房と教育施設とコミュニティが一つになったな場を運営してみたいなあと。そこに来た人がなんでも生み出せる力を得て、自身と勇気を得て、自分たちの手で暮らしや地域の課題を解決していけるような、そんなことを応援することがしてゆきたいですね。

▽『SALT』への見学お問い合わせはこちらから

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