【Mekurutoな人vol.3】家族を大切にしながら「自分らしく働く」を叶えつづける。

2018年1月、福岡県久留米市に民間初のシェアオフィスとして誕生した『Mekuruto』。このシェアオフィスは、私たち「福岡移住計画」と「久留米移住計画」が連携運営しています。
オープンしてから1年6ヵ月、『Mekuruto』にはどのような方々が入居し、日々空間を共有しているのでしょうか。シリーズ「Mekurutoな人」では、利用者の視点から『Mekuruto』という場のリアルについてお話を伺います。

今回のインタビューは、インテリアコーディネート事業を手がけるC-classの代表、渡辺里実(わたなべ さとみ)さんと、プランナーの柴田浩次(しばた こうじ)さん。かつて福岡市内にお住まいのご経験があり、また育児で働き方を変えた経緯もあるおふたりに、久留米やMekurutoの印象、働き方などについて伺いました。

柔軟な働き方を求めてフリーランスへ

ー前回の大城さんに続き『Mekuruto』で働く方々を紹介していますが、今回は渡辺さんと柴田さんのおふたりにお話を伺えればと思います。まずは自己紹介と、お仕事内容についてお聞かせいただけますでしょうか?

渡辺さん:はい。今はフリーランスのインテリアコーディネーターとして、新築をメインに住宅をつくる際のお手伝いをしています。この仕事は5年ほどですね。以前は福岡市内で化粧品通販の会社にいて、10年ほど働いていました。結婚して、2人目の子どもが生まれてから、共働きで育児をおこなうのは難しいと、主人の両親がいる久留米に引っ越してきたんです。それが11年前ですね。

ーまったく別の業界から、インテリアコーディネーターになられたきっかけとは何だったのでしょうか?

渡辺さん:引っ越した後もしばらくは福岡市に通勤していたのですが、家を建てたときに退職し、専業主婦になったんです。その2年後、また働きたいなと思い、そういえば、家を建てたときに見たインテリアコーディネーターさんの仕事がおもしろそうだったな……と頭に浮かんで。もともとインテリアが好きだったこともあり、知識を深めたいと思いました。
それにインテリアコーディネーターは、年齢を重ねても、それが強みとして生かせる仕事だと感じて。また次に働くなら、自分で自由に仕事ができる環境がいいと思っていたので、フリーランスでやられている方が多い職種、という点にも惹かれたんです。そこから専門学校に通って資格をとり、卒業後に独立しました。
その後、事業の拡大に伴って昨年1月から柴田が入社し、人手が足りない案件は外注チームとしてサポートしてくれるフリーランスのインテリアコーディネーターさんといっしょに活動しています。

ー育児されながら通学、独立と軽やかなフットワークですね……!ちなみに、柴田さんが渡辺さんと働きはじめた経緯はどういったものでしょう?

柴田さん:わたしはインテリア雑貨や家具が好きで、以前はインテリアショップの店長をしていたんです。その当時、お客様としてお付き合いさせてもらっていたのが、今の代表の渡辺でした。それで、店を閉店することになったときに声をかけてもらい、仕事を手伝うことになったんです。

都会と田舎の間の“ちょうどいい”ゆるさ

ーそうだったんですね。ところで、柴田さんのご出身はどちらですか?

柴田さん:生まれは宮崎県です。幼稚園から中学までは福岡市内で、その後親の転勤に伴い、宮崎で高校生活を過ごしました。でも福岡市内から宮崎へ行くと、都会的な刺激はやや少ないかなという印象もあって。大学を受けるときに久留米に引っ越したんです。そしたら久留米の居心地がよくて、そのまま住み着いてしまって。もう20年以上ですね。

ー20年以上もお住まいとのことですが、久留米の“居心地のよさ”はどんなところでしょう?

柴田さん:福岡市内に住んでいたときは、僕にとっては少し、時間の進み方が早かったような印象がありました。一方で宮崎に移ったら、とてものんびりしていて……。その点でいうと久留米が、ちょうど中間くらいかもしれません。その“ほどよいゆるさ”が自分にはすごく合っていて。それに久留米は九州の真ん中で、いろんなひとたちが集まります。そういった意味でも、人脈が広がっておもしろいかなと思いますね。

ー都会でも田舎でもない“ちょうどよい”ゆるさがあると。渡辺さんも久留米へ引っ越されて11年とのことですが、街の印象はいかがですか?

渡辺さん:わたしは小学校から結婚後、長男が生まれるまで、ずっと福岡市内だったんです。バスも地下鉄もたくさんあり、どこへ行くのにも便利で、仕事もたくさんあるという環境に住んでいて。だから引っ越すときは、“ああ、田舎やん……”と思いながら来ましたね(笑)。

ー後ろ髪をひかれながら(笑)。実際に住みはじめてからは、どうですか?

渡辺さん:車がないと生活が不便、というのは予想通りでした。でもペーパードライバーを解消して車に乗るようになり、生活範囲が広がっていくと、「あ、車で移動できればすごく便利だし、道は広いし、過ごしやすいなあ」と感じはじめたんです。福岡市内はやはり都会で便利なだけに、人も多く交通渋滞は避けられないので。子どもたちと一緒に暮らすには、久留米のスピードのほうがいいな、と今は思っています。

ーたしかに、お子さんと過ごすには心地よいスピード感かもしれませんね。お仕事の面でも、何か違いは感じましたか?

渡辺さん:そうですね。福岡市内の仕事のしかたは、どちらかというと東京のスタイルに近いと思うんです。相手と距離感を保って、ビジネスライクに進めてゆくという。わたしもそれに慣れていたので、久留米で仕事をはじめたとき、少しカルチャーショックでした。みなさんが、とてもゆるい感じで。議事録をとらなかったり、期日を決めずに進むことがあったり……(笑)。
でもそれが、慣れてきたらいい「余白」で。私も育児しながら働いていたので、もしかしたら、昔のような仕事のスタイルでは続かなかったかもしれない。久留米だったからこそ、ゆったりとした気持ちで仕事に向き合えて、続けられているのかな、と思います。

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つかず離れず、心地よい距離感

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