【F-LIFE SHIFT story vol.16】東京のクリエイターがヨット旅の生活の果てに選んだ糸島暮らし。

ー中古住宅をご自分でリノベーションされたのですね。詳しく教えてください。

家は築34年程の平屋の戸建てで、購入時はまったく手の入っていない状態でした。古い床を剥がして張替え、壁を塗り、キッチンをつくって棚をつくって…。大変だけれど、本当に楽しいです。
ちょっと自慢なのがお風呂。在来工法の昔ながらのお風呂をタイルとひのきの温泉風のお風呂につくりかえました。浴槽も既存製品は使わず、FRPを使って自分でつくって。ガラス繊維に樹脂を塗り込んで成形していくんですよ。浴槽のつくり方なんてネットに情報があるわけでもないから、自分でどうしたらいいのか考えて。2ヶ月かかりました。中古ヨットを補修した経験がここで活かされましたね。
もともと美大にいたこともあり、自分で手を動かして何かを創作することが好きなんですよね。今回もなるべく自分でできるように、電気工事士の資格を取りましたよ。プロに頼んだのは建物の基礎部分を数箇所と、水道とガス、そんなものです。
リノベーション中は『ライズアップケヤ』に滞在しながら、新居に通って毎日DIYしていました。3ヶ月経って一応住める状態になったので、ようやく先月引っ越したところです。今でも毎日何かしらつくっています。これからサッシ交換したりデッキをつくったり、まだまだやることは山積みで、完成度は3割くらいです(笑)。

ー実際に糸島での暮らしが始まってみてどうですか。

まだまだDIY三昧の毎日ですが、快適ですよ。当たり前ですけどヨットと違って揺れないですしね(笑)。糸島は田舎だっていうけれど、実はホームセンターやドラッグストアなんかのお店もいっぱいあるし、大きいスーパーも直売所もあるし、まったく不便さを感じません。たまに用事があって福岡市の方に行っても、都会すぎてすぐ帰りたくなっちゃうくらい。
それから糸島は食べ物がおいしいです。特に野菜は安いし、すごく野性味が強い。東京に住んでいた頃よりも茹で時間をちょっと長めにしないといけないくらい。そしてとても甘い!料理に使ったキャベツが甘すぎて、思っていた味と違ってしまった、なんてこともありました(笑)。もう、本当においしい。野菜好きなんでたまらないです。
妻は東京から離れたことがなく、移住前は少し不安もあったようですが、今の暮らしを楽しんでいるようです。先日、引越し準備で東京に戻っていたのですが、「早く糸島に帰りたい」と言っていましたね。

ーまだDIY三昧ということですが、今、お仕事はどうされてるのですか?

今はこれ、という仕事はなく、言うなればDIYが仕事です。そろそろ何かしないと…とは思っているのですが。でももう家はあるから家賃はかからないし、庭で野菜をつくったり釣りしたりしながら、あとは最低限のお金があればやっていけるんじゃないかな、と思っています。
本当はリノベーションした家を売ったり貸したりする計画を立てていたのですが、実際に手をかけてDIYしていくうちに、めちゃくちゃ愛着が湧いてしまって。もう手放せないので、この計画は頓挫してしまいましたね。

ー家に畑にと、これからも「つくり続ける暮らし」は続きそうですね。他に何か目標はありますか?

近くにハーバーもあるので、ゆくゆくはまたヨットを買って、週末ヨットスクールみたいなことができたら面白いなと思っています。一泊二日で五島列島ツアーとかね。
今って東京で暮らすメリットって減ってきていると思うんですよね。空き家なんて驚くほど安い値段で売っていたりするし。移住に興味ある人は、どんどんやってみたらいいじゃない、と思います。どんな生活をしたいかにもよるのでしょうけど、東京に比べたらあまりお金もかからないし。
渋谷とか代官山に住んで、食べたり飲んだり贅沢な暮らしが楽しかった時期もありましたけど、これからしばらくはDIYしたり畑仕事したり、ヨットしたり釣りしたりしながら生きていきたいなと思っています。

紺野さんのセルフリノベーションの様子はこちらのインスタグラムで随時情報がアップされています。気になる方はフォローを!

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