ーいつもとは違うこの場でどんなことが生まれましたか?
具体的なコンテンツというより、それぞれが抱える悩みを持ち寄れて、共通点を見出せたことが成果ですね。それぞれが自分自身の成長を感じられる機会になったと思いますし、それが会社にも貢献できているという意識に繋がると思います。
JALの企業理念の中に「全社員の物心両面の幸福を追求し、」という一文があります。まずは自分が“この会社に入ってよかった”と思えないと最高のサービスを提供できない。自分の人生を長い目で見て、働くことに人生の豊かさを見出そうとした時、向き合う必要のあるテーマだと思います。まずはここに来たことが、働き方を考える第一歩にもなったと思います。
ー通常の会議室では、そのような成果は生まれなかったと思いますか?
そうですね。具体的には、少なからず「無」になれたことが良かったと思います。今回は、入社3~5年目の社員が半数を締めているのですが、そのメンバーは、あえて離れた距離にある場所へ足を運ぶと、日々の業務を諦められると言っていました(笑)。日常の職場では、以前に比べますとフリーアドレスになるなど、他の部署との交流の機会は増え、働き方の柔軟性は増してきていますが、なかなか他の方の抱えている疑問や課題を共有し合う機会はまだまだ少ないのかもしれません。主のテーマを直視できる。そういった物理的な部分と精神的な部分を両方揃えるのは意外と難しいので、ここに来る価値があったと思います。結果的に「ここに来てみたい」と感じる、同じ感覚の持ち主が集まったんだと感じました。
ー大手企業は社内のコミュニケーションが希薄になりがちと聞くことも多いのですが、ここに来た皆さんは笑顔でリラックスしていた雰囲気だったのが印象的でした。パフォーマンスの向上も見込めたのではと思いますが、その辺りはどうですか?
そう思います。『SALT』に来たことで、社内にいるよりもコミュニケーションは密になった。組織で働く面白さって、それぞれの力を掛け合わせたら何倍にもなるところだと思うんです。昔だったら社内で満たされていたことも、いまは社外に求めだしているかもしれないですね。そこに危機感を感じたり、日々の業務に追われる中で、情報も溢れるぐらいあって、どこか自分が足りていないように感じたり、不安に思ったりすることがあると思うんです。そういったネガティブな感情も解消できる機会でした。また、社内に“旅好きが多い”っていう特徴もあるんです。現実から離れて別の世界に行けるけど、仕事もできるところに皆が魅力を感じたのだと思います。
ー大手企業の働き方が、社会にインパクトを与える中で、こういった取り組みを率先して始めるのはとても意義があると思います。今回は福岡でしたが、これからいろんな場所で開催していく予定でしょうか。
社内でも「ちょっと集中したいから合宿を考えているんだけど、どこかいいとこ知らない?」という声が最近は以前よりも多く上がってきている印象があります。そういった前向きな意見は、支援すればもっと出てくると思いますね。少し前までは、「なぜワーケーション?休みの日なのに!」という意見も多かったけれど、いざ実施してみた人たちが、いい印象や成果を得て帰ってくるんですね。だから、これも選択肢の一つだと思います。来年、再来年はもっと当たり前になっているかもしれない。地域を知ることにも繋がると思います。そんな機会や環境があれば人は変化するし、視野が広がる。柔軟な感覚を持つ社員が増えればいいと思います。
ー憂鬱になる月曜の定例会議は外でやるとか、土日前の週末を使った旅先でのワーケーションが浸透していくと面白いことになると思います。地域も潤うし、働き方を考える機会にもなりますね。
広い意味で、日本の働き方を考えたり、意識を変える提言ができればいいと思います。外の世界から働く人々に伝わって、社内改革につながることもあります。企業が動けば、世の中を変えることに広がるかもしれませんね。
▲夜には担当の執行役員も駆けつけて、さらに議論を深められていた。
チーム合宿の最後はみなさんで食事を囲んで交流を図っておりました。この「場を変えて行う研修・合宿」から次なる働き方やサービスが生まれて世に届けられると思うと、私たちとしてもワクワクします。今後の展開がたのしみです。
※トップのメイン写真は日本航空の社員さんと福岡移住計画のスタッフとの集合写真。
【日本航空株式会社(JAL)】
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