【ぼくらが連れて行きたい店vol.45】大牟田で130年続く和菓子屋さんが思う和菓子の力とこれからの未来。(菊水堂)

ー大牟田といえば「草木饅頭」というのはよく聞きますね。他の地域に比べて和菓子屋さんも多い気がします。

そうですね。大牟田はもともと炭鉱の町。炭鉱の町には和菓子屋が多いのですが、それには理由があって。
毎日死ぬかもしれないと思って炭鉱に潜っていく。生きて帰ってきて、最初に口にするのが、タバコでもお酒でもなく、甘いものなんですよね。甘いものを食べて「あー、生きてる」「生きて帰ってきた」って。精神的に弱ってたりとかきつい時に食べて、派手さはないけどひと段落する、落ち込んで帰ってきた時にホッとする力を持っているんじゃないかなと思っています。

ー大牟田の和菓子屋さん同士はどういった関係性でしょうか?

菓子屋同士の仲はすごくいい気がしますね。もともと私の上の代の菓子屋がめちゃくちゃ仲が良かったんですよ。その時代はまだ景気もよかったし、本当に仲良く助け合っていて、それを私たちの世代までは見てきているから、いまでも仲良はいいです。旅館借り切ってみんなで旅行したりとか(笑)。

ー本当に仲がいいんですね!

はい。そして、菓子屋はやっぱり地元との密着度が高い。まず商品がそうだし、名前もそうだし。地元が滅びると、自分たちがダメになってしまうってよくわかってる。だから、物産展やりますっていうと、みんなが協力しあって作り上げる感じです。それぞれのお店が直接その場で売り上げが上がらないとしても、街として最終的に売り上げが上がればいいっていう考えなんです。

ー素敵な関係性ですね。

大牟田でいろんな会長とかさせてもらっているけれど、とりあえず2,3言うと10わかってくれる。ただ、息子たちの代になるとそういう関係性は薄れてきていて。仲良くなる必要はないんだけど、せめて顔見知りになって和菓子、洋菓子、それぞれが教え合えるようにしたいなというので、業界の今後のためにもイベントを企画したりしています。

ー最後に、これからやっていきたいことはありますか?

いまは洋菓子などさまざまなバリエーションのものが増えていますが、実は和菓子の方が変幻自在にできると思っていて。やろうと思えば毎月新種のカステラ饅頭もできます。新しいお菓子を作ることに対して、変に気をてらって「ダメだ」っていってたら何も始まらないと思う。現時点では洋菓子業界の方が発想の柔軟さは感じますよね。

本当は100%オーダーのお店になりたい。洋菓子はケーキをカスタマイズできるから、和菓子も同じように大きさや形、カスタマイズできるんだよって言いたいですね。和菓子屋がなくなっていくのは嫌だし寂しいなって思いますね。

130年続いた老舗だからこそ、新しいことにもどんどん挑戦したい!と動物の形をしたカステラ饅頭やハート型のどら焼きなど斬新なお菓子も作っているんだそう。「かわいいって言ってもらえたり、目の前で作って、子どもたちがキャーキャー言って喜ぶ姿をみれるのが最高に嬉しい」と森さん。休みの日には近くのショッピングモールで実演販売もよく行なっているそうなのでぜひチェックしてみてください。

【菊水堂】
https://www.facebook.com/kikusuidou/
福岡県 大牟田市大正町1-3-2
TEL:0944-56-1234
営業時間: 9:30~18:00

1 2

"暮らしのこと"の関連記事

keyboard_arrow_up