【うきはDMO】麺のように長く、しなやかに、味わい深く。 情熱と絆が盛り上げる“麺の聖地”のストーリー。

寝かせるほどにウマくなる!素麺のヒミツとは?

栗木さん:素麺は小麦粉と塩、油だけを使っていますが、この油が乾燥を防ぐんです。梅雨の時期を超えるほどコシが強く、伸びにくい麺になります。なので、戦時中はかなり重宝されたんですよ。でも、最近は消費者の方が気にされるので、市場でも賞味期限が新しいものの方が求められるんです。本当はもっと美味しくなるのに。今年の3月のものと一昨年の11月のもの、ちょっと食べ比べて見てください。

実際いただいてみると、その違いがはっきり分かります。2年ものの方が歯切れがよく、喉ごしもいい。ややあっさりとしていて雑味がありません。対して、新しい方は柔らかくて少し甘みも感じます。どちらも美味しいのですけど…。

栗木さん:うちはあえて寝かせた素麺も製品化して、他の会社と差別化を図ろうと考えています。ただ、これは保存場所を確保しなければならないし、温度や虫に注意する必要がある。管理がとても難しいんです。でも、やはり美味しいものを食べて欲しいですから、いつかは実現するつもりです。

新たな可能性から生まれた“オリジナルインスタントラーメン”

素麺に加えて、明治時代には産業の発展とともにうどんやそばなどの乾麺の生産も一気に増えたのですが、栗木商店さんの創業もちょうどその頃。

栗木さん:栗木商店の創業は、明治30年です。曽祖父が米穀の仲買業を始め、そこから製粉業を経て、昭和の初めに製麺工場を立ち上げました。製粉業が主流だった当時、その粉を使った製麺業は今でいうベンチャー企業みたいなもの。大手製粉会社と真っ向勝負するのではなく、他に生きる道を探してたどり着いたのが製麺なんです。

栗木さん:自分の持ち味を生かして勝負する」という精神は、その後も受け継がれているようで、先代のお父様の代は素麺だけではなくさまざまな麺を世に送り出し、栗木さんが継いでからはインスタントラーメン事業に力を入れています。実は、あのインパクト大のラーメンも栗木商店で開発されたんですよ。そう、柳川のお土産としてすっかり定着した「ムツゴロウラーメン」です。

栗木さん:うちではパッケージやスープの味などまでメーカーと協力して作り上げるオリジナル商品が伸びています。大手なら5万食でも少ないくらいですが、うちは5000食から引き受けますよ。かなりの小ロットですね。

ー大手の製麺会社が嫌がるような小ロットのラーメンをどうして導入されたんでしょうか?

栗木さん:昔と違って今は麺市場も狭まっているし、大手との価格競争には勝てない。だからこそ、『こんなの見たことない』という商品、それも楽しくて、しっかりと考えられたものが必要だと考えました。お土産として買いやすいですし、話題にもなりやすい。九州にもこんな小ロットで引き受ける会社は無いので、さまざまなところから注文を頂いています。そうやってうきは以外の方とのネットワークも徐々に広がっているんですよ。
それに、一緒に動いてくださる業者さんも「こんなおもしろいラーメンに携わることができて嬉しい」と、普段なら難しい内容でも引き受けてくださっているんです。
私は極端に言うとただ麺を作るだけなんで、皆さんの協力が無いととても実現できませんからね。スープ、包材、デザインなどチームとなって商品に仕上げますが、機械的に分担するというよりも、一つの会社のようなイメージで組み立てている感じ。押し問答しながら作ったラーメンは、まるで子どもみたいなもので育ってくれると本当に嬉しいです。

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ライバルではなく、良き友と。麺の聖地の明日をつくりたい

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