あれから1年、その後の香春町の変化とこれからのこと。

昨年度お手伝いさせていただいた香春町での「香春町ぐらしトライアルウィーク」*。あれから1年が経ち、香春町では採銅所駅舎が移住・交流拠点に生まれ変わり、トライアルウィークがきっかけとなり実際に移住したご家族がいらっしゃったりと様々な変化があったようです。さらに3月17日(土)には香春町にスポンサードいただき「はじめた人のはじめ方〜地方との関係づくりから働き方まで〜」というイベントを『HOOD天神』で開催します。そこで改めてその後の香春町の状況を伺いに行ってきました。

*「香春町ぐらしトライアルウィーク」…1週間お試し移住ができる取り組み。

−トライアルウィークから1年経ちましたが、あれから香春町にはどのような変化がありましたか?

村井さん:トライアルウィークを経て1組のご家族が移住してくれたことと、トライアルウィークの期間中に地元の方に協力してもらったことです。実施前後と比べると僕たちの活動に協力してくれる方は増えたように感じます。「人の流れができるのっていいね」と言ってくれる地元の方がいたのは、良い変化だったかなぁと思いますね。

手島さん:僕はトライアルウィークで、空き家対策の方法が変わったと感じています。トライアルステイすることで事前に香春町の話ができたりとか、地元の人の認知度が上がったりするので、移住者がスムーズに入っていけるようになる。今後も空き家バンクをトライアルステイに絡めたいと思っています。そういう部分は、僕の中で変わったかな。

濱田さん:前回のトライアルウィークの時は、僕たちも地元の人に毎回お願いをしてまわっていました。でも今は地元の人たちがさらに協力してくれるようになったことで、去年の年末から来ている移住希望者は、スムーズに香春町の暮らしを体験できているのはないかなと思います。

−そして今回取材させていただいているこの採銅所駅も変わりましたね。Facebookで流れてくる情報では、地元の方と一緒にイベントを開催されていたりと、まさにハブとなる拠点となっていますね。

村井さん:そうですね。いまはコワーキングスペースのような使い方が多いです。それから移住して来られた方は、ふらっと来て僕たちや地元の人と談笑を楽しんでいます。色んな方たちと交われる場になっているのかなと思います。

※採銅所駅舎

手島さん:今年度トライアルステイに来ていた堀くんという学生がいるのですが、彼はここでイベントを開催していました。
堀くんに会いに地元の人が来ることもありましたし、採銅所駅は「つなぐ場所」と言えるのかなと思います。

濱田さん:堀くんが来たのは昨年の11月の後半でした。ちょうど年賀状の時期ということもあって、パソコンを使えないおばあちゃんが、「堀くんっていう子ここに今おる?」って。
堀くんの噂を聞きつけてここに来る地元の方も多くいましたし、単純な駅という使い方だけではない新たな使い方をされるようになったのは、変化した部分かなと思います。

−お仕事の面ではどのように変化していったのでしょうか?

村井さん:採銅所駅舎の交流スペースができて、僕は移住につながる交流の場の創造を担当しています。いずれ移住につながるような交流ができる場所を造ることに意識を置いて、イベントの企画などをしていて、地元の方を巻き込んで、実際に移住してきた時に、移住者が地元の頼れる人を見つけられるようにしています。

※採銅所駅舎内

濱田さん:僕は引き続き情報発信を担当しています。基本的にはFacebookに日々の活動や香春町での暮らしをアップしています。インスタグラムでも駅舎の面白いスポットの写真を載せたりもしていますし、ブログを書いたりもしています。一番のメインの仕事が、香春町の暮らしのイメージを町外の人に発信することなので、写真撮影や、フライヤー作成が主な仕事となります。香春町の情報はぜひFacebookインスタグラム、あと『カワラカケル』というサイトでも見ていただければと思います。

手島さん:僕は空き家バンクの運営がメインです。空き家バンクの登録のお手伝いや、リフォーム補助金で使う現場写真の撮影をしています。それに付随してDIYのイベントなどもやっています。

−それではまだ先ではありますが、任期後のこれから動きについてお教えください。

村井さん:協力隊として良い機会を得たので、この採銅所駅舎のように新しい交流の場の創造は引き続きやっていきたいと思っています。それからアウトドアが好きなんですが、その分野でのお仕事のお声がけも頂いています。自分がやりたいところと、求められているところをうまく掻い摘みながら働いていけたらいいかなと思っています。正直、まだ蒔いた種がやっと芽を出だしているところなので、それが実際にどのくらいの収入になるのかが見えていない部分が多いので多少なりとも不安はあります。
生活面でいうと、昨年は時間と天候に恵まれなくて、畑作業とかをしっかりできていなかった。なので今年は春野菜と夏野菜は完璧に作りたいなと考えているので、したたかな準備をしているところです。

手島さん:僕は不動産業をやりたいと思っています。資格が取れたらいいかなって。香春町で不動産業をやっていきたいので、空き家バンクとうまく住み分けができていったらなと思っています。生活面では結構真剣な悩みなんですけど(笑)、忙しすぎてあんまり飲めてないです。忙しいって言っても良い意味で忙しいんですけど、移住前の想像していた田舎暮らしはしてないなと思うので、うまくバランスのとれた暮らしをしていきたいですね。

濱田さん:得意にしてるところが映像関係なので、映像関係で就職できるように動いているところです。できれば香春町に残れればいいんですが、そのあたりは自分でも模索している状態ですね。香春町の暮らしで言うと、今住んでる家は結構大きいんですが、使いきれていないんですよね。掃除も大変だし、隙間風も寒いし。なのでこれからの暮らしという面ではそこを改善していければと思っています。

−3月17日(土)に天神で開催するイベントでも、いまお話いただいた地域に関わりながら暮らし、働くことのリアルな声を参加者と共有いただければと思います。最後にこのイベントにはどのような方に来て欲しいですか?

村井さん:欲を言うと、家さえ提供すれば仕事ができるようなフリーランスの人たちです。そういった人たちと知り合えれば、僕は一番イベントの価値があるなと思っています。
一度でも香春町に遊びに来てくれるような関係を持ってもらえる人に来ていただけると嬉しいです。それから、手が回らないところに関わりたいという人もウェルカムです。たとえば、うちの畑は広すぎて一人では管理できないんです。なので、一緒に畑をやってくれる仲間は欲しいと思っていて。そういう関係を築ける人ができたらいいなと思っています。

濱田さん:漠然とでいいと思っています。なんとなくでも田舎暮らしをしたいなと思っている人に来てもらえれば香春町の良さは伝わると思います。香春町って小倉も博多もそこそこ近いし、田舎の風景も味わえるんです。そんな香春町を“良いな”と思ってくれる人に来て欲しいと思います。

手島さん:もちろん一番は移住したいという人ですね。でもいきなりそれは難しいと思うので、香春町というフィールドで何かをしたいという人に来てもらいたいです。何かしたいけど、どうしたらいいかわからないっていう人とつながれればいいなと思います。

−では行政の立場としても、今後の香春町について坪根さんにお伺いしたいと思います。

坪根:3人それぞれしたいことがあり、3人とも何らかの形で香春町に残りたいと思ってくれています。我々としてもそうしてほしいと考えています。協力隊としては、任期ごとに入れ替わっていきます。しかし、卒業したらもう関わらないじゃなくて、自分の仕事をしながらも、せっかく採銅所駅舎という交流スペースができているので、時々ここに来てもらいたいなと考えています。今回の3月17日のイベントでも香春町に移住しなくても、まずは何らか関わってくれそうな方に来ていただいたら嬉しいですね。

「香春町ぐらしトライアルウィーク」から1年、お話を伺うと目に見える変化としては採銅所駅舎のオープンがあり、その他の部分では協力隊、そして地元の方までの意識も変化がありました。町に関わることでその人自身も変わり、地元にも変化がある。これから香春町に関わってくる人によってどのように進化していくのか楽しみです。

香春町に関わることのできるイベントを3月17日(土)に『HOOD天神』で開催します。ぜひお越しください。(下記画像をクリックするとFacebookイベントページに飛びます)

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