【ママとこどもの良い暮らし】店づくりのベースは “家族”。箱崎の古民家イタリアンカフェ(杢moku inスピタルハコザキ)

「ママとこどもの良い暮らし」は、“「子連れでお出かけ」をもっと楽しく!”するために活動する『ママリボン』と福岡移住計画の共同企画です。子連れママ&パパたちも福岡の街に自然に溶け込んで、みんなで多様性をもっと楽しんでいくためには?子連れでも過ごしやすいお店などを紹介しながら、暮らしやすい街の姿を連載で探っていきます。

今回は、福岡市東区箱崎のイタリアンカフェ『杢 moku inスピタルハコザキ』をご紹介します。魚屋さん、肉屋さん、おでん種がずらりと並ぶ商店…懐かしく温かな空気が流れる箱崎商店街。その雰囲気に癒されつつ歩いていると、小さな木の看板が現れます。中庭の向こうに見える古民家。ここに『杢moku』はあります。

昭和28年頃に建てられたという古民家の名前は「スピタルハコザキ」。器などの展示会やライブなどが行われる多目的なシェアスペース。中庭はこの春から改装作業に入り、楽しい展開が待っているとか。ここのキッチン部門を担当する形で『杢 moku』は5年間営んだ南区大楠を離れ、2016年8月移転オープンしました。店を切り盛りするのは結婚12年の茅野さんご夫婦。今回は、3人のお子さまのママでもある奥様の周子さんにお話を伺いました。

−入った瞬間「子連れで大丈夫かな?」って思う位オシャレでかっこいい空間。そんな中、小上がり席があったりキッズチェアがあったりで子連れのママ&パパにも人気だとか。ありそうで無かった不思議な雰囲気のお店ですね。

「移転の時、私たちとしては、玄関で靴を脱いで上がってもらって全部お子さま仕様に出来たら…って思っていたんですね。でもスピタルハコザキとしては、ギャラリー要素も出していきたいというのがあって。“お子さまカフェ”というイメージが強すぎると他の人が来づらいかなっていう提案があったので、どうすればお子さまも含めて色んな人が過ごしやすくなるだろうって話し合いながら進めた結果、こんな感じになりました」

−逆にそれが新しいですね。私も息子とこんなオシャレな空間で食事できているのが不思議でした。なのにとても寛げて。

「自分たちのイメージだけでいくよりも逆に良かったと思います。今も、スピタルハコザキの管理人と相談しつつ、改装しながら営業しています」

店づくりのベースは、いつも“家族”

−ご主人が料理、奥様が接客担当。お店づくりで大切にしていることは何ですか?

「主人も私も常に、自分の家族ベースに考えちゃっているんです。私たちだったらこれが嬉しい…自分の家族に毎日食べさせたい食事を出すということですかね。お客さんと接するのも“自分だったら”に置き換えて全部しているので、特に何かすごく気を使っているわけじゃないんですよ。“今このタイミングでこうしてもらえるとすごく嬉しいよね”っていうことを常に考えながら動こうっていうのがありますね」

−確かに!先日息子がぐずりそうになった時、ベストなタイミングでおもちゃを持ってきてくれてご機嫌に。本当に助かりました!


※人気は「鶏肉のゆずこしょうクリームパスタ」。ランチセットのサラダもかなりのボリューム。旬の野菜がたっぷり食べられるのが嬉しい。

−以前は福岡市南区で営業されていたそうですね。オープン5周年を迎える直前の移転。どういういきさつだったんですか?

「当時のテナントのオーナーから、ここで他の展開をするから退去して欲しいと言われ、急きょ出ないといけなくなって…。移転するつもりもなかったので、移転費用も特に貯めていなかったし、もう大ピンチで!最初は自分たちだけで解決しようと、物件を調べたり色々していたんですけどうまくいかなくて…。期限も迫って行き詰った時、思い切って友達にもこの状況を伝えてみようと、報告がてらFacebookで発信してみたんです。そしたら、たくさんかえってきたんですよ。心配や励ましの言葉と一緒に“どこどこの物件があって”とか“あそこどう?”とか。自分にこんなに友達がいたんだって驚くくらい。本当にありがたかったですね。その中の1人が“箱崎のシェアスペースでキッチンカフェの担当を募集してるよ”と教えてくれて。当時の私たちの希望は南区周辺。その話を聞いた時、希望のエリアからは離れるし東区への移転は難しいかなって思ったんです。でも、ご縁は大事にしたい、スピタルハコザキの管理人さんに会ってみたいって思って。それでここに来てみたんです。中庭をぬけて玄関に入った瞬間、“ここでやりたい!”って思って。もう一目ぼれです!」

こどもだって、ママだって選びたい。

−お店には、ラグが敷かれた小上がり席におもちゃ・テーブル席用のハイチェアもありますね。それだけでも、子連れで食事する立場としてはとても嬉しいのですが、キッズメニューの充実ぶりには驚きました。

「こどもでも選びたいじゃないですか。気分もあるだろうし。それに、外食だとどうしてもお母さんたちがこどもと分ける、そうするとお母さんたちの分も減っちゃうし。アラビアータ食べたいんだけど分けなきゃいけないからミートソース…みたいな。だから、お子さんサイズのミートソースがあれば、お母さんは辛いのでも何でも好きなモノを食べられるし、いいかなと思って」

−確かに!私も先日、こどもにはキッズサイズのミートソースで、自分は柚子胡椒が効いたパスタを頂きました。美味しいやら嬉しいやらで涙が出ました!


※Sサイズのクリーミーボロネーゼとハーフサイズピザ。キッズメニューのパスタは、こどもでも食べやすいよう短くカットされている。

アレルギーの子にも“心の満足”を届けたい

‐キッズメニューにはアレルギー表示もあって、事前に相談すればかなりのアレルギー対応をしてくださるそうですね。

「自分のこどもにアレルギーがあって、今年6年生になるんですけど卵と乳製品が全くダメなんです。そういう子を10年以上育てているから、実際アレルギーの子を持つ親にしか分からないことがあると思っていて。アレルギーのある子でも来やすいお店になれたら、とは思っています。例えば、外食のメニューで、パスタのところにアレルギー表示で“乳製品使用”とか書いてあるじゃないですか。そうすると乳製品アレルギーの子はオーダーできないと思う。でも、実際はチーズだけを外せばアレルギーの子でも食べられることってあると思うんです。
だから、何がどのレベルで食べられないかを伺ってメニューの提案もしています。卵や乳製品を一切扱っていないフライパンもありますし。事前に相談してもらえれば新品も用意します。ピザだって、チーズがなくても美味しく作れるんですよ。生地にトマトソースとコーンとツナと…とかってすれば、うちの子はそれでもすごく満足なんです。チーズはのっていなくても、丸いのが食べられる・パリッとしたのが食べられる…心の満足がとってもあるんですね」

‐お子さんのアレルギーは赤ちゃんの頃からですか?

「そうです。小さい頃は、卵・乳製品・小麦・大豆とか胡麻とか、もっといっぱいあったんです。マルチアレルギーで。母乳の時代は、私もひたすら和食でした。でも大豆がダメでお味噌もダメだから、キヌア味噌とか…。大変だったけど、あの時勉強したことが今につながっています。小麦が食べられない方には米粉パスタだってあるんですよ。他の人よりも知識がある分、今は、同じように大変な思いをしている親子を助けてあげたいって思うんです」

「外食って特別だと思っていて。少なくとも私はそうなんです。ほぼ毎日という方もいるかもしれないけど、月に1回とか特別な日のご褒美としてご来店される方も少なくないと思います。だからやっぱり特別な時間を過ごしてほしくて。私たちだからこそできる“一つ一つのことに手間をかけること”でその想いが伝わればいいなと思っています。アレルギー対応もキッズメニューもその一つ。みんなに同じように心地よく過ごして欲しいというだけなんです。特別な時間を」

リアルにつながる場所になりたい

‐これからどんなお店・場所になっていきたいですか?

「今SNSで、カメラ好きの人とつながりたいとかハッシュタグとかで何かとつながりたいってあるじゃないですか。確かにそれでつながっている感じもすごくいいなと思うんですけど、その人たちが顔を合わせて何かできる場所ってあるのかな、とふと思って。カメラ・ハンドメイド・ニット…、もちろんアレルギーっ子のママの会もしようと思っています。ここでつながって、みんなで話ができたらいいなと思って。お客さんから“こんな趣味があるんだけど”って言ってもらえたらそれもいいなと思っているんですよ。つながりたいことがある人は是非言ってください!人と人が会ったほうが絶対いいと思うんです。私はそうやって、リアルにつながっていたいなって思うので。人と」

学生さん・年配の夫婦・赤ちゃん連れ…色んな立場の人たちが同じ場所でそれぞれの時間を過ごす不思議な空間。でもそれがとっても心地いい。子連れママだっていつもこどもに囲まれて過ごしたいわけじゃない。独身時代に通った店を思い出すようなオシャレ空間で、こどもと一緒に食事を楽しむこの不思議!
あなたも、ガラガラと少々大きな音がする扉を開けて、この優しくも不思議な空間を体験してみませんか?

【杢 moku 】
福岡県福岡市東区箱崎1-32-31 スピタルハコザキ内
TEL:090-3611-9506
営業時間:11:30am-10:00pm
定休日:不定休
※お電話、Facebook、Instagramでも確認できます。
駐車場:無し
最寄り駅:JR箱崎駅から徒歩5分

"ひと"の関連記事

keyboard_arrow_up