【F-LIFE SHIFT story vol.06】泣く泣く引っ越して来た山本さんが、福岡に惚れ、起業するまで。

「F-LIFE SHIFT story」は福岡に移住してきて暮らしや働き方、考え方などをシフトした人たち(先輩移住者)のストーリーを追った特集です。福岡に来て何が変わったのか、これから福岡で暮らしていきたい・変えていきたいという人たちの参考になればと思います。

住んでみたら…アレ!?ええやん!

18歳で生まれ育った千葉県銚子市を離れて大阪の大学に進学し、そのまま就職。すべてが順風満帆だった23歳のころ、突然福岡への転勤を通達されたのだといいます。「転勤を告げられた日は大号泣しました」という山本博之さんが、今でも福岡にいる理由は何なのでしょうか?

−福岡に来たきっかけは前職での転勤だったんですね。

「そうなんです。18歳で大阪の大学に進学してからは、自然な流れで大阪の企業に就職しました。大阪の街も人もすべてが自分にフィットしていて“もう一生大阪でもいいかな”と思っていたんです。しかし、23歳の時に突然福岡への転勤がいいわたされて…まさに青天の霹靂でしたね。しかも通達された日が、当時の彼女との記念日で(笑)。2人で号泣でした」

−…それは!すごい偶然ですね。当時、福岡に対してはどういう印象を抱いていたんですか?

「知り合いはゼロ。それどころか旅行したこともないくらいでした。厳密にいうと、九州一周旅行の途中に通過したくらいで、印象を抱くまでにも至っておらず、失礼な話“どんな田舎なんだ!?”と思っていました。会社からは取り敢えず1年だけの転勤、という話で泣く泣く福岡に引っ越したんです」

前言撤回で(笑)

−実際に住んでみていかがでしたか?

「それが本当に住みやすくて…!前言撤回させてくださいっていうくらい(笑)。1年たったころには福岡のトリコになっていましたね。大阪にいて、すっかり都会人になったつもりでしたが、やっぱり銚子魂がうずくんでしょうね。福岡の中心地から電車で20分もいけば海も山も感じられるコンパクトさがとても自分には合っていました。家賃や物価も安いので、その分を車の維持費に充てようと、車も購入しました。それでよりフットワークが軽くなって、仕事が終わった後に車をバパーッと走らせて山のBBQしに行ったり、海を見に行ったり…。福岡に来たことで生活はもちろん、心も充実しています」

−福岡支社への勤務はもともと1年というお話でしたが、その後はどうされたのですか?

「それが、何だかんだで福岡支社では6年半勤務しました。当時は大手ウェブ広告の代理店で営業をやっていたので、九州を中心に大小さまざまな企業をまわっていたのですが、大阪の人はよくも悪くも結果にうるさくて、こっちの人はどちらかというと取り組み方や姿勢をすごく見ていただいている感じで、とても暖かい県民性だなと感じました。かといって、自分の営業スタイルは変えずにスッと馴染むことができたので、とても居心地がよかったですね」

福岡での起業を決意

−6年半勤務された後は退職されたのですか?

「高校時代から考えていたことなのですが、自分の会社を起業する準備のために、2016年末で退職し、それからはフリーランスで、ひとり広告代理店として活動しています。そして2017年12月からは、アトラクトという会社を起業する予定です」(※取材は2017年11月に行いました)

−なぜ福岡の地で起業されたのでしょう?

「環境がいいというのはもちろん、仕事においてもすごく可能性を感じたんです。会社員として働いていた時よりも、独立してからの方が相談の件数は増えました。それも人づてに“実はまわりにこういうことで困っている人がいるんだけど…”と、ご相談をいただくんです。そこでわかったのが、会社レベルでつながっているような企業は、放おっておいても然るべき処に相談する術を持っているんですよね。しかし実際は、どこに相談していいかでつまずいている人がたくさんいるんです。単純に、その人たちの力になりたいなと思って福岡で起業することにしました」

−起業されてからはどんな活動をしていこうとお考えですか?

「フリーランスとして独立してからは広告だけではなく、商品開発や戦略など、マーケティング全般を任されることが多かったのですが、基本的にはその延長と考えています。とにかく成長産業なのでとても楽しいし、やり甲斐を感じています。最初は1人でのスタートなんですが、もっともっとスタッフを増やしてチームで動けるような仕組みにしたいですね」

−福岡だからこその夢はありますか?

「そうですね、先程も申し上げたように困っている人の力になりたいというのがひとつ、そしていつか「食」に携わるビジネスにもチャンレジしたいと思っています。実は小学6年生の時まで平均体重の倍くらい太っていて…このままではダメだとダイエットしたんです。それから「食」に興味を持つようにったんです。例えばですが最近増えてきている遠隔で野菜栽培を行えるWebシステムなんかを導入して農園なんかを持てたら最高ですね。それを飲食店と連動させて、わかりやすい安全な食べ物を提供できたらと考えています」

−たしかに、自然も近い福岡だからこその夢ですね。

「ほかの都市にくらべて、中心地からほど近い場所で畑を持つことができるので、流通面を考えても福岡はベストだと思っています。あと…もうひとつ夢があるんですがいいですか…?(笑)」

−は、はい!なんでしょうか?

「実はぼく、大のゴルフ好きなんです。1秒でも長くクラブを握っていたいので打ちっぱなしの近くに引っ越したほどです(笑)。だからいつか、福岡でゴルフ場の会員権を買いたいんです。それもできれば糸島市で!糸島市が本当に大好きで、骨をうずめてもいいかな、と思っているんです。そして、自分のゴルフ場もいつか持ちたいと、そう想っています!」

−すごく壮大な夢ですね…!

「あ、でももちろん今すぐじゃないですよ(笑)。それくらいゴルフと福岡を愛しているということです!」

−痛いほど伝わってきました(笑)。では最後に、福岡に移住を考えている方にメッセージをいただけませんでしょうか。

「福岡はいいところがありすぎて言葉にするのが逆に難しいのですが…。とにかくプライベート面は心配いりません。とても暖かくて人なつっこい人柄なので、すぐに友だちは増えると思います。仕事面においては、福岡市が取り組んでいる「福岡クリエイティブキャンプ」や「スタートアップカフェ」などバックアップする仕組みが整っているので、1度そういう機関に相談してみてもいいかもしれません。ぼくの場合も“来てみたらよかった”っていう感じなので、単純に“どんな街だろう?”と旅行でもいいのでフラッと来てみたらいいかもしれませんね」

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