【ぼくらが連れて行きたい店vol.26】移住ガールズが挑む「つながりを生み出す居場所」作り!(TAMARI 溜)

魅力的なお店、また行きたくなるお店って何だろう?
それは提供される商品(サービス)の質?もちろんそれもあると思います。でも“誰が手掛け、どんな想いやコンセプトでやっているのか。その人に会いたいから行く、その人が手掛けたお店だから行く”これが一番の動機になるのではないかと思うのです。
本コーナーでは単なるお店の紹介ではなく、“人”にフォーカスしてお店を紹介していきます。

つながりを生む場所へ

近頃、移住者やUターン組が面白いお店を続々と誕生させているうきは市吉井町。その吉井町に、『IBIZA SMOKE RESTAURANT』(以前、シリーズvol.7で紹介)の新店舗が新たに誕生しました。移住女子たちをスタッフとし、「めっちゃ雰囲気が良くて、料理も激ウマ!」という噂を聞きつけ、早速どんな女子たちなのか、会いに行ってきました。


※うきは産の素材がてんこ盛りのデリプレートランチ。1つ1つの素材が美味しい!(写真上)
※メインのチリンドロン。トマトソースがベース、お肉を煮込んだスペイン郷土料理。(写真下)

お話をうかがったのはシェフの味方(あじかた)さん。味方さんはじめ、『TAMARI』にはなんと4人の移住女子が!以前住んでいたところも、愛知・大阪・横浜・糸島とみなさんバラバラなのだそう。移住するまでと移住してからのあれやこれをうかがってきました。

−ランチ、噂に違わず美味しかったです!野菜や果物のフレッシュな感じが幸せでした。さて、まずはこのお店をオープンすることになった流れを教えていただいてもいいですか?

味方さん:「私自身のことからまずお話しすると、大阪出身で、京都、大阪、名古屋とずっと飲食に関わってきました。京都にいる時はイタリアンカフェで仕事をしていまして、スキルアップしたいなぁと思っていた頃にスペイン料理のお店の方に声を掛けていただきました。だからスペイン料理に関わり始めたのは、転職後の大阪からですね。で、名古屋でスペインバルを立ち上げるという事でまた移りまして。在籍していた8年間で、6店舗まで増えました。もちろんその頃も仕事としては充実していたけど、あぁ自分はこれからどうするかなぁ~って。で、『IBIZA』の事は以前から友人に話を聞いていて、いつか機会があったら行ってみたいなぁと思っていたんです」

※長年、飲食業に携わってきた味方さん

味方さん:「去年、友人と企画していた正月旅行の目的地が鹿児島だったので、“うきはにも寄りたい!”と言ったら協力してくれて。『IBIZA』の閉店時間ぎりぎりに飛び込んで、ごはんを食べて、“あぁ、なんかここで働きたいっ!”って直感で思ったんです。もちろん気の合う友人と一緒に食べるというのも大きいかったです。けど、とにかく素材の美味しさと環境と今まで私が仕事をしてきたものと全く違うって思って。『IBIZA』オーナーの光さんが、本当にストイックだなぁと。ハングリー精神で味や店作りを追求していて、かっこいいなぁと思ったんです。自分もこんな場所でまた成長したいなぁって。そして春にももう1度来て、“やっぱりここだったら納得できる!来たい!”と思ったので、お願いしまして。そこから、名古屋のお店で諸々引き継ぎとかをして、夏にはうきはに移住していました」

−何と、半年で諸々決めて実際に移住されたわけですね。閉店ぎりぎりに滑り込みセーフ出来ていなかったら、まだ名古屋でお仕事をされていたかもしれませんね。実際にこちらに住み始めてどうでしたか?

味方さん:「やっぱり良かったです。素材が違います。水も野菜も果物もお米も全部美味しい。うきはの人の中には自分達がいる場所の良さを忘れてしまっている人もいるようですが、本当に素晴らしい土地だと思いますよ。地域の人も移住者に対して寛容で、ウェルカムな土壌があると思います」

−なるほど。移住者だからこそ思う事かもしれませんね。では、このお店を立ち上げる事になった経緯を教えていただいてもいいですか?

味方さん:「去年の秋頃だったと思うんですが、『IBIZA』があるのはうきはの中でも山奥なので、日々は楽しいけど、基本的にお客様が来るのは週末だし、冬季とかはどうしてもクローズしないといけない時季があるんです。それって寂しいじゃないですか。もともとこの場所は光さんの一族が所有されていて、どうにかしたいねぇという話が出ていたそうで、だったらここを他所から来た人にうきはの良さを伝えられる、うきはにはまだ無い、様々なカルチャーを取り入れていけるお店にしたい・・・という話になって。大事なところは地元のプロの方にやっていただいて、素人がしても大丈夫なところは、私たちも頑張りました。料理が媒介となって人と人がつながっていく場所を目指したんですけど、それって、自分の居場所づくりでもあるんですよ。ここに居てもいい理由を作らせてもらってる。人と人をつなぐこと、そんな料理を作ることで、ここに居てもえぇよって言ってもらってる・・・そんな気持ちです」

−それでは、オープンしたてのこのお店を、これからどんなお店に育てていきたいですか?

味方さん:「ここに来た人の生活がここに来る前より、ほんの少しでも豊かなものになるような場所にしたいといつもみんなで話してます。まだまだオープンしたてですが、地域の方がもう常連さんになってくれていて、本当にありがたいです。それと、産地で素材が美味しいので、料理が軸であるというのは絶対です。お店自体は時間が経ってから味が出てくると思ってますね。もっと遊び心を出して、ロックでパンクで、でもしっかりと芯のある絶妙なバランスになるよう、スタッフみんなで育てて行きたいです。人のご縁がつながっていく雰囲気を育てていきたい。イベントやパーティーやライブとかもですね。あ、そうそう、あそこの窓辺、教会っぽくっていい感じなんですよね。結婚パーティーとかも受けていきたいです!」

「私たち、そういえば全員独身フリーです!(爆笑)」と笑顔のTAMARIガールズ。「つなぐ、つながる」をキーワードに、この吉井町と相思相愛になる日も近そうです。皆さんの健やか笑顔と美味しいお料理を楽しみに、またうかがいます!

【TAMARI 溜】
福岡県うきは市吉井町1041
TEL:0943-73-7715
営業時間:11:30-14:00
     17:30-
※木曜日は夜のみ
定休日:水曜日、不定休

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