福岡県主催の移住・定住促進事業として、昨年初開催された『福岡くらしごと体験』。他地域での成功事例が豊富な仕事旅行社のリードのもと、福岡移住計画を運営する株式会社SALTもオンラインイベントの開催や受け入れ企業として協力し、大変多くの方々にご参加いただきました。
そんな『福岡くらしごと体験』が今年も参加者を募集中ということで、昨年度の実績や体験を通して生まれた成果、今年度アップデートされた内容、昨年度の取り組みから見えてきたビジョンなど、株式会社仕事旅行社の内田靖之さんにお話を伺いました。
株式会社仕事旅行社 内田靖之さん
1979年生まれ、福島県出身。2011年に大人向け職業体験サービスとして仕事旅行社を設立。花屋からねぶた師に至るまで、これまで100種以上の職業体験を企画。移住を伴うキャリアアドバイザーとしても活動中。
「福岡くらしごと体験」が提供する新しい福岡移住のかたち
―はじめに、今回はじめて『福岡くらしごと体験』を知っていただいた方もいらっしゃると思いますので、この取り組みを開始するに至った背景と目的について、簡単に教えてください。
『福岡くらしごと体験』は、福岡への移住を検討されている方や、興味があるけれど一歩踏み出すのが不安と感じている方に、いきなり移住を決断するのではなく、気軽に一歩を踏み出してもらいたいと考え、始めた取り組みです。
県内の魅力的な働き方や暮らし方をしている事業者のもとを訪れ、その土地・事業者でしか体験できない、リアルな暮らしと仕事を通じて、福岡での生活を実感してもらうことで、自分に合った選択をしていただけるのではないかと考えています。
昨年度の「福岡くらしごと体験」の成果と参加者の傾向
―県や各市町村単位で行われている移住施策の中でも、非常に丁寧な取り組みだと感じています。昨年度の取り組みは、どのような成果を上げましたか?
昨年度は8月末に福岡くらしごと体験のWEBサイトを公開し、県内各地から50か所の仕事体験先を提供しました。これらの体験先は、受け入れ企業や個人の方々にご協力いただき、通年募集という形式を取りました。そのため、応募される方にとっては、自分が希望する受け入れ先事業者との都合が合えば、いつでも体験できる仕組みが実現しました。
結果として、今年の3月末までに40名の方が体験に参加しました。
その中で、福岡くらしごと体験を通じて福岡への移住を決められた方が5名いらっしゃいます。
印象に残った「福岡くらしごと体験」での出来事
―福岡移住を考える方々にとって、非常にマッチしたサービスであることが、数字からも伝わってきます。昨年度で特に印象に残った体験事例があれば教えてください。
1つは、北海道在住の男性の体験が印象に残っています。全国さまざまな場所を旅する中で福岡が非常に気に入られたようで、そんな矢先に福岡くらしごと体験のWEBサイトを偶然見つけたそうです。ビールの製造に関心があったため、ビール関連の体験先を探すと、受け入れ事業者として登録いただいていた柳川市の『ブルワリー柳河』を見つけ、勉強したいとのことで参加されました。
この方は、ビールに対する関心がさらに高まっただけでなく、地域での働き方や暮らしについても深く理解されたようです。受け入れ事業者との相性も良く、結果として近くの市に移住し、週のうち数日は『ブルワリー柳河』で働くことになりました。
もう1つは、受け入れ事業者の特性を生かしたユニークな体験です。県内各地の農産物のプロモーションを手掛ける会社での受け入れで、特定の地域に留まらず、県内各地の農家さんを訪問することができたケースがあります。
さまざまな地域を訪れることができるため、仕事への興味関心がある方が、県内各地を訪れて自分に合った地域を探す際の新たな活用方法として印象に残っています。
2024年度の「福岡くらしごと体験」新たな魅力とは?
―昨年度の成功を踏まえ、今年度も「福岡くらしごと体験」が開催されるとのことですが、さらに魅力的な取り組みとするために、昨年度からの変更点などはありますか?
昨年度は受け入れ先エリアに少し偏りが出ていましたが、今年度は県内各地で地域や事業の魅力を体感できるよう、各地の受け入れ先事業者と調整しています。
また、昨年度は「2泊3日」以上を基本としていましたが、より気軽に参加できるよう、今年度は「1泊2日」から参加できるように変更しました。
―選択肢が増え、参加しやすくなったことで、参加者も増えそうですね。今後の「福岡くらしごと体験」の展望を教えてください。
参加者の声として、福岡くらしごとを体験することで、実現したい仕事や働き方、暮らし方に対する理解が深まり、前進したという声をいただいています。これからも、多くの方の後押しになればと考えています。
また、既にその地域を訪れたことがある方にも、地域をより深く知り、魅力的な体験ができるプログラムとして広げていきたいと思っています。
さらに、受け入れ先の事業者にとっても、より魅力的な取り組みとするために、参加者とのマッチング次第で採用につながる点を強調しています。実際に採用事例も生まれています。受け入れ先担当者が自分の仕事や地域について説明する機会を持つことで、仕事や地域への誇りや愛着が再認識されることが多く、良い影響が出ていることがわかりました。
新しく移り住んで来られる方だけでなく、受け入れ事業者やそこで働く方々にも、魅力的な取り組みとして広げていきたいと考えています。
10/3(木)オンラインイベント開催!
―ありがとうございます。最後に10月に開催予定のオンラインイベントについて、教えていただけますか。
福岡くらしごと体験に興味がある方はもちろん、福岡での仕事や暮らしを知りたい方へ向けて、福岡くらしごと体験受入企業4社よりゲストを招き、オンライン説明&交流会を開催します。
イベントでは、それぞれの仕事のこだわりや、暮らしの様子、体験の内容などのお話を伺う予定です。
少しでも福岡や地域の仕事、暮らし方に興味があれば、きっと今後のヒントや繋がりが得られる時間になるはずです。ぜひご参加をお待ちしています。
イベント概要
日時 | 2024年10月3日(木)20時~22時 |
開催形式 | オンラインzoom |
対象者 | 「福岡くらしごと体験」のプログラムや福岡に興味がある方 50名程度(事前申込制) |
参加費 | 無料 |
ゲスト | 梶原圭三(ふくおか食べる通信)、菊池勇太(合同会社ポルト)、渡邊令(㈱UNAラボラトリーズ)、鎌苅竜也(株式会社SALT) |
内容 | ・「福岡くらしごと体験」について |
イベント詳細/参加申込 |