※本求人は、2020年5月に再掲載のうえ募集終了となりましたが、改めての募集となりました。
青く透明な海に囲まれた糸島市芥屋。古くからの観光地「芥屋の大門」や近年は「サンセットライブ」の開催地として賑わう場所です。
その芥屋で一番の老舗民宿である『民宿・お食事処なぎさ』が、後継者でお困りということでお話をうかがってきました。
「老舗」「後継者」という言葉に身が引き締まる思いでいましたが、女将さんである吉村なほこさんに会ってみると、にこにこ柔らかい笑顔で出迎えてくれました。
凝ってなくても「本当に美味しいもの」を
ーー「なぎさ」は民宿と聞きましたが、ランチも提供されているんですね。
そうそう。ランチの時間帯には、糸島の魚を使った刺身定食や煮魚定食、海鮮丼などのお食事を提供しています。民宿の仕事はお昼の営業が終わってからですね。お食事付きの宿として、お客さんを迎えています。
ーー今回は後継者探しを兼ねての求人とお聞きしました。
そうなんです。元々ここは昭和36年に私の母が始めたお店で、当時は食堂と簡易宿泊所でした。母が亡くなってからは、時々パートさんに手伝ってもらいながら、私一人で続けてきたのですがいよいよ手が回らなくなってきて…。息子は東京で暮らしていて、もう継ぐ人もいないし、本当はあと5年くらいでお店を閉めなくちゃいけないのかな、と思っていたんです。でも今回、縁あって求人募集をすることになって。 “大好きなこのお店を残していけるかもしれない”と思うようになりました。
ーーお一人でですか!本当に大切に運営されてきたんですね。お店のこだわりや、ここが自慢!といったところはどういったところでしょうか?
こだわり…なんでしょう。母が亡くなり、一人でお店をやるようになって、とにかく初めは母がやっていたことをひたすら真似しているだけでした。母と二人で切り盛りしている頃から、表の接客は母任せで、私は裏でずっと料理。だから、一人になったときは、不安だらけでした。でもうれしいことに「この店に来ると、なんとなくホッとするんだよね」と言い残されるお客さんがとても多いです。なのでこのお店はしっかり受け継がないとと、ただただ頑張っていました。
自慢はもちろんお食事。丼や定食に使うお魚は、地元の漁師さんが釣り上げた新鮮なもので、ウニも糸島の海で採れるんですよ。夏の赤ウニは絶品なのでぜひ食べてほしいですね。野菜も糸島産で土作りからこだわり抜いたものを使っています。お食事は本当にいいものをお出したい、凝ったものはできなくても、「おいしかった」と言われるものをお作りしたい、そんな気持ちを常に持っています。
ーー長く「なぎさ」を営んでいらして、今までに色んなことがあったと思います。大変だったことはありますか?
やっぱり冬場ですね。母が店を始めた頃の春から夏にかけての芥屋は、遊覧船や海水浴のお客さんがバスでたくさんやってきて、今より賑やかだったくらいです。でもそれが冬になるとほんとうに何もなくて、人も来なくて(笑)。
他の場所から来て新たにお店をはじめた人は、夏場の華やかなところだけみてお店を始めたみたいで、冬の厳しさを知ると耐えきれず撤退していったところも多くあります。今このあたりで残っているお店は、辛い時期も乗り越えてきた地元の人ばかりです。それくらい冬の時期は厳しいです。
今はテレビや雑誌、ネットで情報発信ができるので、昔とはまた少し、状況が変わってきているところはありますけどね。
決まった仕事だけでなく楽しい企画も
ーー今回募集されているお仕事の具体的な内容を教えてください。募集要項には「調理作業のお手伝いや配膳、客室の清掃と準備など」とあります。
最初は、お食事や配膳のお手伝いから始めていただくことになると思います。あと民宿のお部屋掃除やお風呂の準備をしたり、浴衣を出したりね。
それから、応募してくださった人の得意なことややりたいこと、どんなお店にしていきたいかなどをお話しして、仕事内容も柔軟に決めていきたいと思っています。
前に、子ども向けにお料理教室をやったことがあって。お魚をさばくところから始めるんだけれど、すごく喜んでもらえて。そういう楽しい企画も一緒に考えていきたいですね。
ーーやりたいことがある人にとっては、魅力的なお話ですね!「なぎさ」で働き始めたとして、糸島ではどのような暮らしが待っているのでしょうか?
糸島の中でも芥屋は、自然が近くにある場所なんです。だから、自然の中での遊びは本当に身近になりますね。お店の空き時間にちょっと釣りに行ったりサーフィンに行ったり。
それから、芥屋というと海のイメージが強いですけれども、実は山も近いんです。歩いて遊びにいけますよ。春になると、ツワブキ、ツクシなどの山菜を採りに行く人も多いですね。
冬の終わり、海が荒れた次の日には、天然わかめが流れてくるんです。それを拾って食べたりしてね。
そうやって、季節を感じながら、自然と遊び、自然を取り入れて暮らしていってますよ。
ーー天然わかめですか!自然と寄り添った仕事や暮らしがしたい人にはぴったりの環境ですね。吉村さんはどのような人と一緒に働きたいかなど希望はありますか?
やっぱり基本的には接客業なので、明るい人がいいですね。お食事処でお皿を下げる時に「どちらからいらっしゃったんですか」とか、ちょっと一言添えることができて、そういうやり取りが楽しめるような。接客って「仕事」として機械的にやるものではなく、「人と人との交わりである」と思っているので。
それと、ゆくゆくはお店を受け継いでいって欲しいので、自分でお店をやってみたい人ですね。あとは、新しいことを一緒に考えていける人。私自身も、新しいことを試すのが大好きなんです。普通は和食ばかりの民宿の夕食に、鯛のクリーム煮を出してみたり。自分で色々試して、「いいな」と思ったモノやコトをお客さんにお出しして、喜んでもらえて…幸せな環境だな、と思っています。来てくれた人と一緒に、楽しく試行錯誤していきたいです。
取材の後、民宿のお部屋を拝見しました。「今日は宿泊のお客さんが帰ったばかりで、散らかっててごめんなさいね」と謙遜されていましたが、築40年ほどだという建物の室内は、陽がふりそそいで明るく開放的。すみずみまでお掃除が行き届いて、お店もお客さんも大事にされていることが伝わってきました
海辺の街の歴史あるお店で働いてみたい人、新しいチャレンジに興味のある人、ぜひご応募ください。
▲民宿は4室あります。
会社名 | 民宿・お食事処なぎさ |
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募集期間 | 決まり次第終了 |
募集職種 | 店舗運営 |
採用人数 | 3名 |
雇用形態 | 正社員・パート・アルバイト |
勤務地 | 福岡県糸島市志摩芥屋865 |
勤務時間 | 10:30〜15:00、17:00〜22:00 |
給与 | 正社員:225,000〜270,000 パート・アルバイト:1,000円〜 |
福利厚生 | 交通費支給、エプロン貸与 |
休日休暇 | シフトによる |
仕事内容 | ・調理作業の手伝い(家事経験があれば十分です) ・料理の配膳等 ・客室の清掃と準備 |
応募資格 | 未経験歓迎、主婦(夫)歓迎 |
選考プロセス | STEP-1.当サイトへのお申込み STEP-2.書類選考 STEP-3.面接 |
備考 | 夏休みだけの短期勤務もOKです。 通勤できる方歓迎(車・バイク通勤でも可) 料理に興味のある方、お客様を喜ばせたい方、未経験でも構いません。 条件は面談にてご相談ください。 まずは週末にアルバイトから始めてみてはいかがでしょうか。 |