あえてのネガティブポイント
ここまでの話で物件の魅力を存分に感じてきましたが、あえてネガティブな点についても聞いてみました。
「メリットでもデメリットでもありますが、この物件は井戸水です。日常生活で洗い物や水やりなどに利用するレベルでは水質検査をクリアしていますが、飲用水としての検査は現状では通っていません。最近では、飲用水はウォーターサーバーや近くの水場で購入される方も増えているので、そういう方には問題ないと思いますが、あまり慣れていない方にはネックになるかもしれません。」
糸島市内にはいくつか有名な水場があり、日々多くの方が利用されているようです。水道料が高騰してきているため、考え方によってはメリットに感じられるかとも思います。
「あとは、こんな場所なので、夜は猪が出ることもありますね。場合によっては、キツネに遭遇することもあります。」
と笑いながら話されるオーナーさん。自然豊かな環境での生活のため、やはり強さも兼ね備えておられました。
売却の理由と糸島エリアの魅力
そんなに愛着をもって、この場所での丁寧な暮らしを楽しまれていたオーナーさんが物件を売却することになったのには、どんな理由があったのでしょうか。
「私の姉妹が東京から福岡に移住してきて、一緒に暮らすことになりました。姉がそこでカフェを開きたいという話になったのですが、この物件にはそんなスペースはなく、何より店舗の営業許可が下りないということで、カフェ営業が可能な近くの土地を購入し、私たち夫婦と姉妹が暮らしながら、店も出来る環境を整えました。」
既に新居に生活を移され、この物件は持て余すことになってしまった中で、次の方にお譲りしようと売却を考えられたようです。物件から引っ越しされる最後の日には自然と涙も流れてきたと、おっしゃられていました。
とは言え、同じ糸島市内の近いエリアに引っ越されたオーナーさん。そこまでして人を惹きつける糸島エリアの魅力とはどんなところにあるのか、売却理由に続けて聞いてみました。
「素敵な人たちがどんどん繋がっていく感じがします。それがとても素敵で心地よくて。損得で動いているような感じがなく、おもしろいと思えば、人を紹介し合う文化があるように感じます。大袈裟に言うと、みんなリスペクトし合っているというか。」
確かに同じような話を糸島エリアではよく耳にする。他エリアから移り住んできた人が多い地域だからこそ、先に暮らしている人が新しく移り住んできた人に対し、魅力的な人を繋ぎ、また新しい人が移り住んでくれば、人を繋ぐ。そうして人の輪が広がり、それがカルチャーになっているんだろうと改めて感じました。
最後に一言
最後に、この物件をどんな方にお譲りしたいか、オーナーさんに聞いてみました。
「この物件の雰囲気を気に入っていただける方に、住み継いでもらいたいですね。ぜひ自分なりに新しく手を加えていただきたいです。この物件に興味を持っていただけるということは、きっと価値観の近い方になるので、私たちも近くに住んでいるということもあり、引っ越して来られたら仲良くなんかなれたら更に嬉しいですね。」
物件を手放す寂しさを感じながらも、これから先の未来にもワクワクされているオーナーさんの顔がなんとも印象的でした。
インタビューを終えて、改めて自然豊かな環境で丁寧に暮らしていきたい方や、音楽やアートなど創作活動をされたい方にピッタリな物件だと感じました。この物件があなたの新しい物語の舞台となるかもしれません。ぜひ、その魅力を直接感じてみてはいかがでしょうか。
(文責:鎌苅竜也、撮影:霜田広太郎)
物件概要
種別 | 売買 |
物件種目 | 戸建 |
価格 | 3,500万円 |
所在地 | 福岡県糸島市志摩芥屋 |
交通 | バス:「芥屋」停車場より徒歩約7分 |
土地面積 | 496.00㎡(約150.04坪) |
建物面積 | 140.29㎡(約42.43坪) |
建物構造 | 木造 |
建築年月 | 2001年9月(築年数22年)※2023年8月現在 |
引渡し時期 | 要調整 |
その他 |