地域とともに歩み、これからの100年を見据えるサワライズと街の未来

福岡市の姪浜エリアはかつて炭鉱だったとご存じですか? 西区の小戸・姪浜・愛宕を拠点に、不動産や飲食、サロン、医療、福祉、教育、レジャーなど、地域の人々の暮らしを支える幅広い事業を展開しているサワライズ。もともとは炭鉱業から始まった会社で、2014年に設立100周年を迎え、2024年春には直営の複合商業施設「MEINOHAMA STEPS(メイノハマ ステップス)」(仮称)を開業します。

地域とともに歩み、姪浜エリアを中心にさらなる広がりをつくるサワライズ。福岡移住計画では企業を紹介する記事の掲載に加えてまちあるきイベントを開催し、サワライズとともに地域での展開に関わりたい方を募集する企画を行います。
このプロジェクトに関わっている4人に、サワライズの成り立ちから事業のこと、今後の展望についてお話を伺いました。

<不動産部>
藤野 美紀さん:不動産部に20年勤務。自社賃貸マンション「カルシア」の開発運営、「CLUTT ODO広場」の運営などを担当。趣味は登山。
原田真吾さん:大手ハウスメーカーを経て、2020年サワライズへ。不動産開発と物件購入が専門。取引先向け情報発信なども担当。趣味はランニングと登山。

<総合企画部 経営企画課 コミュニティメディアセンター>
林 綾さん:情報誌で企画営業、広告代理店でビジネスプロデューサーやPRプランナーを経て、2022年サワライズへ。趣味は映画鑑賞と登山。
青木 政人さん:金融システムのエンジニア、プロスポーツ系企業のIT部門を経て、2022年サワライズへ。趣味はお菓子作りと料理。

自社の土地を活かして地域とともに街をつくってきた歴史

―藤野さんは入社して20年とのことですが、当時のサワライズはどんな感じでしたか?

藤野:早良興業からサワライズという社名に変更したばかりで、活気がありました。弊社はもともと姪浜エリアで炭鉱業を営んでいて、今でも「自分のおじいちゃんやおばあちゃんが炭鉱で働いていた」と聞くことがあるんですよ。
当時の経営者が将来を見据えて新しい事業を立ち上げ、現在につながっています。

―藤野さんはなぜサワライズに入社されたのですか?

藤野:前職では不動産の販売や管理をしていましたが、サワライズは「自社の土地を生かす不動産業」であることに魅かれました。自分たちの土地を自分たちのアイデアと力で開発して、地域の方々に貢献できるのは素敵な仕事だなと。

入社当時、ちょうど「カルシア※1」という賃貸マンションを姪浜近郊に展開し始めた頃で、「また住みたい」と思ってもらえるようなブランドづくりを意識していました。
※1:カルシア(Culcere)は、Cultivate(耕す、育てる)+Sincere(誠実、真面目)が語源です。

―原田さんは、サワライズのことを知っていて転職されたのですか?

原田:サワライズは、福岡市西区「以外」の方にはあまり知られていないというイメージでしたが、私はハウスメーカーで営業として働いていたので知っていました。自社物件の開発ができることに魅力を感じて転職を決めました。

入社後は、テナントビルやクリニックビル、古民家リノベーションなどの企画・開発に関わっています。弊社では従来の自社所有地の活用だけでなく、「収益物件の購入」「リノベーションマンションの販売」「不動産企画・流通(仲介業務)」など事業領域が少しずつ広がっていっています。

―コミュニティメディアセンターの2人は、どんな経緯でサワライズに?

林:私は広告代理店に勤めていて、40代女性の転職市場はすごく厳しいと聞き、試しにエージェントに登録したのがきっかけです。サワライズを紹介され会社のことを調べてみると、めっちゃおもしろそうな会社があるなと。土地を所有していることは可能性が広がります。私は社会人になって、ずっと職場は天神だったのですが、九州のいろいろな方々とお仕事するうちに、地域や地方都市のあり方に興味が湧いてきて。

それに、子どもを生んで改めて「幸せに暮らすってどういうことだろう」と自問自答したり、地域活性について考えたりしている中、姪浜という自分のイメージがあまりない場所で新しい建物や街づくりに企画から携われるなんて、ワクワクするなと思い、転職しました。

コミュニティメディアセンターのミッションは、社内外の広報活動を通じて、サワライズの価値を上げること。もう1つは寄り道したい街を創ることで、姪浜駅南で2024年春に開業予定の商業施設「MEINOHAMA STEPS」(仮称・以下STEPS)の4階のコミュニティスペース部分を担当します。

青木:前職はプロスポーツ系企業のIT担当で、仕事は充実していました。ただ、休日も働くことがあり、子どもが3人いて家族の時間を大切にしたいし、新しいことをやってみたい思いも出てきて。2017年に福岡市西区に引っ越してきてから、西区地域をとても気に入ってるので、この地域で面白い会社がないかなと探して出会ったのがサワライズでした。幼稚園と保育園から介護事業まであることに興味を持ち、家族にも賛同してもらって転職しました。

私のミッションは、持ち前のパワーで会社の情報発信力を上げることと、いろんな人を巻き込んでいくこと。STEPSを活用しながら、情報発信によって会社を強化していこうと思っています。

―多様なメンバーがそろっていますね。事業をする上で会社として大切にされていることを教えてください。

藤野:炭鉱事業から活用してきた当社の土地を大切に活かしていく姿勢です。地域に根付いた場所だからこそ、その場所の活用を地域のあり方とともに考えてきました。

不動産部では「地域の方々のために」を第一に据え、私たちにできることを考えます。例えば、姪浜でスーパーに貸していた建物が老朽化して建て替える際、地域にもサワライズにもいいことをと考えて、2階から5階までカルシアシリーズの賃貸マンションにしました。スーパーの上にゆとりのあるマンションを作ったのが弊社らしさかなと思います。

原田:そうなんです、自社の利益だけを考えれば、最大規模の建物を建てるのが正解だと思います。周辺環境や地域の方々の生活を第一に考えてきたからこそ、「カルシア」のような物件開発に繋がっていると思います。

多彩な人が交わり、街に暮らす幸せを感じられるランドマークをつくる

―姪浜に住むメリットはどんなところでしょう?

藤野:身近に自然があり、この一帯で生活がまかなえて、快適に暮らせます。天神や博多に出なくても週末も楽しく過ごせて、のびのび子育てできるのも姪浜の魅力です。

―姪浜エリアにはゴルフセンターや介護施設など、サワライズの施設がいっぱいありますね。

原田:「休日にいろんなところに行くけど、全部サワライズだった」なんてよく言われます(笑)。でも、社名を前面に出していないので、意外と気づいていない人が多い印象です。

サワライズ所有の土地には、おかげさまで出店したいという引き合いも多く、収益の面からテナント入れ替えの話が挙がることはありますが、弊社は地域や住んでいる方にとっていい方を選ぶ姿勢を貫いています。

林:弊社は炭鉱時代に地域の方々にとてもお世話になってきたから、皆さまのおかげで今の私たちがあるという謙虚な姿勢が社内で脈々と受け継がれている気がします。

―これまでも地域に必要な事業や拠点づくりをされてきたサワライズが、改めてランドマーク的な拠点をつくられるのはなぜですか?

林:2024年春に開業予定のSTEPSは、姪浜エリアのランドマークとして、地域の方々をはじめ多くの方に愛される場所を目指しています。5階建ての複合商業施設で、飲食店舗やインテリアショップ、ヘアサロンなどライフデザインを支援する店舗が入り、4階にはコミュニティスペースを作ります。ここでいろいろな人が出会い、活動し交流することで、幸せを感じられる場所にしたいと思っています。

地域情報を発信するメディアを立ち上げる計画もあり、リアルとオンラインのハイブリッドで、0歳から100歳までが寄り道したいまちを目指します。

青木:弊社にはグループも含めると約700人の社員がいて、多様な事業のプロが集まっています。STEPSは1つの施設に複数の事業が入り、かつ4階にはいろんな使い方ができる空間を作るので、できることは無限大です。施設が地域や一般の人にとってランドマークになり、居心地がよく愛着を持ってもらえる場所、姪浜の新しい価値になるように、しっかり準備をしているところです。

私は自分自身が西区在住のファミリーの代表のような感覚で、自分が感じる課題を解決できる場にしたいし、多くの人に愛される空間に育てていきたい。駅前に開かれた場所があるのは、地域にとって大きな魅力になると思っています。

林:あのときここでこんなことをしたとか、この人に会ったとか、そういう体験を積み重ねながら、自分の居場所がある暮らしを送ることが幸せの一つなのかなと私は思っています。姪浜は転勤族の方が多い地域で、たとえ東京に戻っても、自然豊かな環境で育った子どもがいつか姪浜に住みたいと思ってくれたり、夫婦で老後はカルシアに住みたいと思ってもらったりと、今後100年という軸で循環していくようなまちにしたいですね。

これまでの当社の流れとして、生活に必要なものをつくってきた時期を経て、これからのサワライズの新しい挑戦は、人々が豊かに暮らし、ワクワクがあるまちをつくっていくこと。「姪浜はおもしろい」と人が集まってくる場所にしたいので、そのために地域のお祭りへの参加やまちあるきイベントなどいろいろなことに取り組んでいきたいです。

地域も企業も人も、笑顔あふれる街の未来をみんなでつくる

―最後に、今後やっていきたいことや読者へのメッセージをお願いします。

青木:個人的には、STEPSが子育てや介護などで一度仕事を離れてしまった女性が再び働き、輝ける場になれるといいなと思っています。

林:弊社には多様多彩なメンバーがどんどん集まっていて、新しいことにチャレンジしたい人、地域で何かやってみたいことがある人、福岡の西の方が好きな人など、熱量のある面白い人が仲間になってくれたらうれしいです。STEPSのコミュニティスペースで何かやってみたいことがあるとか、少しでも気になることがあれば、気軽に連絡して欲しいです。

原田:最初にお話ししたように、サワライズの知名度はまだ低いと感じています。STEPSや古民家リノベーションなど、サワライズが手掛ける面白い取り組みをいろいろな会社に知ってもらえば、一緒に何かやろうという話がもっともっと出てくると思います。弊社だけでできることは限られているので、「サワライズと組んで面白いことをしたい」という会社が増えて、ますます事業領域もエリアも広がっていくように、新たな会社とのつながりも開拓していきたいです。

藤野:約3年前につくった、小戸にある「CLUTT ODO(クルットオド)広場」では、キッチンカー出店やイベント開催などで人が集い、にぎわいが生まれ、楽しい場と認識してもらえるようになってきました。そうやって広場を作り地域に開放したことで、いろいろな方が楽しみ、周囲の取引先店舗もにぎわいが増し、ショッピングモールとしての付加価値提供の実現につながっています。多くの方の幸せに貢献できるような仕事をしていきたいです。

チェックアウト
地域に密着して多彩な事業を展開していながら、自社のアピールは控えめで、まさに「地域密着」という言葉がピッタリだったサワライズ。設立100年を超え、MEINOHAMA STEPSの開業を機に、さまざまな人や企業とともにまちをつくっていくステージへと歩みを進められています。そんな街とともに歩むサワライズの活動に興味がある方は、まちあるきツアーに参加してみてください。

(文:佐々木恵美 写真:小金丸和晃 企画編集:藤本和志)

サワライズメンバーとともに巡る、福岡みんなのまちあるきin姪浜 参加者募集

サワライズの活動に興味がある方、姪浜エリアに興味がある方、MEINOHAMA STEPSが気になる方を対象に、サワライズメンバーと巡るまちあるき企画を開催します。姪浜の街を巡ってみたい方、ローカルな福岡を知ってみたい方、サワライズとの関わりやMEINOHAMA STEPSで何か始めてみたい方などとの関わりを考えながら一緒に街を巡りますので、ご興味ある方はこの機会にぜひご参加ください。

日時:8月27(日)14時〜16時30分

場所:姪浜駅前エリア〜唐津街道

概要:サワライズメンバーとともに、サワライズが関わる拠点から姪浜エリアの街を巡る

詳しくは、申し込みはこちらから

 

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