【求人】「うきは」のまちのいとなみを、古民家の宿とともに物語をつむぐ。(運営メンバー募集)

福岡市内から車で南へおよそ50分。2万8000人ほどが暮らす福岡県うきは市は、耳納連山と筑後川に抱かれて、のどかな雰囲気に包まれています。平野には田んぼが広がり、いちごやぶどう、桃などフルーツ狩りができる果樹園が多いことでも有名です。中心部の筑後吉井地区は、白壁蔵造りのまちなみが風情たっぷりで、伝統的建造物群保存地区となっています。

今回お話を伺うのは、うきはに拠点を置く「株式会社tsumugi」さん。全国各地の古民家を軸に、受け継がれてきた営みを次世代につなぐ「株式会社つぎとと、「ぶどうのたね」を運営するうきは市内事業者「株式会社田中屋」の2社で2019年に設立したまちづくり会社です。「2022年、古民家を改修した2棟の宿『みなも』のオープンに向けて準備を進めているところで、宿の支配人になってくださる方を募集しています」と、穏やかな笑顔で話すのは、tsumugiの竹熊若葉さん。うきはにオープンする宿の立ち上げと募集についてお話を伺いました。

文化財や価値ある資源を未来につなげたくて、うきはへ

ー竹熊さんは福岡県北九州市出身で、文化財について学ぶため奈良の大学へ進学。地域文化を大事にしている星野リゾートに就職すると、沖縄の竹富島に配属。数年経ち、「もっとストレートに文化財に関わりたい」と思い、新天地に選んだのがうきは市だったそう。

「古いまちなみを活かして地域活性化を図るため、学芸員資格を持つ人を地域おこし協力隊をうきはで募集していて、これだと思ったんです」

「3年間協力隊として、市の郷土史関係の文化活動や、古民家の利活用に関する事業に携わりタイミングよく古民家の利活用を軸とした地域活性化事業が本格化し、新設会社ができため、協力隊卒業後もうきはに残り、活動していくことにしました。

うきはのまちで関わってきた人たちと、価値ある資源を未来につなげていきたいと思い、今の会社に飛び込みました。うきはでは、自分のやりたいことができているという実感がありましたし、ここはすごく居心地がいいんですよ。食べ物がおいしくて、素材を活かした飲食店がたくさんあって、人があたたかくて。

うきはに来て初めて、水って味が違うんだと知りました。今も地下水が使われていて、まろやかな味わいなんです。QOL(生活の質)が高いなあとつくづく思います」

tsumugiの大切にしている想いは、「うきはならではのものづくりとものがたりを続ける」こと。うきはの風景やいとなみを未来へつなぐべく、地域資源を活用したさまざまな事業に取り組んでいます。

今は、幕末に役所の官舎として建てられた市の文化財「鏡田屋敷」の管理も担当。今年は2棟の宿のオープンに加えて、イベント実施や計画など、動き始める事業がたくさんあります。

たとえば、昨年企画してコロナで中止になってしまったBARイベントでは、うきはの素材を活かし、福岡の名バーテンダーによる創作メニューを提供予定で、今年こそ開催できるよう画策してます。すでに動いているものでしたら、コミュニティカレッジの企画運営も始めました。こんな感じで、今回の募集して来てくださった方には、宿の運営だけでなく、うきはのまちを活かした様々な事業にも興味を持って、関わってもらえればと思っています。」

今夏にオープンする2棟の宿を案内してもらいました。まずは、白壁土蔵造りが立ち並ぶメイン通りに面した「みなも 碓井邸」。1918年築、土蔵造りで2階建ての大きな町家に、4組が宿泊できます。往時のものをできるだけ活かした情緒漂う部屋には、作り手の技術と温もりを感じられる家具がすんなりなじんでいました。

「碓井邸は、白壁のまちなみの中にあって、「ねずみ漆喰」と呼ばれる薄いグレーの壁が特徴的です。他の建物は白の漆喰塗りなのに、碓井邸だけは唯一ねずみ漆喰です。理由は諸説ありますが、富の象徴でもあった漆喰塗りは、そのままの白色だと煌びやかすぎるので、目立ちすぎないようにする意味合いでねずみ漆喰が用いられたと伺ってます」

「30年ほど誰も住んでいなかったのですが、所有者さんからまちの発展のために利用してほしいと市に相談があり、宿として活用させてもらうことになりました。内覧会には近所の人たちが来てくださって、『子どもの頃に遊びに来ていたわよ』『よみがえってうれしい』と言ってもらい、とてもうれしく思いました」

もう1棟は碓井邸から歩くこと10分、住宅街の中に佇んでいるのが「みなも 堀江邸」です。こちらも築100年を超える2階建ての建築で、1棟丸ごと貸し切りで利用できます。江戸時代に開拓された水路がすぐ横にあり、居間や寝室の窓の外には美しい庭園が広がっています。

海外に出たことで、日本のまちづくりや田舎に関心が向いた

続いて、昨年度からうきはの事業に関わり始め、今はtsumugiのメンバーとして竹熊さんと共に働いている神谷柚衣さんに、うきはに移住しての暮らしと働き方について伺いました。

ー名古屋出身の神谷さんは、大学時代にスウェーデンに1年留学した後、大学を1年休学してアメリカで働いたという国際派。卒業後は、東京の不動産会社で海外部門を担当していましたが、古いものを生かしたまちづくりに興味があり、たまたまネットで知ったtsumugiの母体会社に連絡したことで、人生が大きく動き出したそう。

「九州のうきは市でプロジェクトが動いているので、来てみないか」と言ってもらったんです。九州には全く縁がなく、ずっと都会で暮らしてきたので、初めてうきはに来たときは、田舎で暮らせるかなとちょっと不安でした(笑)。

ただ、アウトドアが好きで身近に自然があるのはいいし、竹熊さんをはじめ働く人たちがイキイキと楽しそうで、やりがいを感じていることが伝わってきて、私も飛び込んでみようと思いました」

「仕事としては、ひとりがカバーする業務範囲の広さは想像以上でした(笑)。ですが、いろんなことを経験したいと思っていた私にとっては刺激的な毎日で働く環境は充実しています。それに、住む環境も抜群ですね。光がたっぷり入る広くて気持ちのいい家に住み、自然が近くて、満員電車の通勤もない。地域の人たちとの距離感が近く、野菜などのおすそ分けをいただくことも多いんですよ」

「移住してくる前、田舎って何もなくて何も起こらないというイメージでした。でも、ここは人との距離がほどよく近くて、自分の身のまわりでいろいろ起きている感覚があり、都会にいると分からない人間模様がリアルに見えて面白い。この1年で興味の範囲がどんどん広がって、地域でできることのキャパも格段に大きくなりました」

宿の顔として、人やまちとの関わりを楽しむ方に来てほしい

―今後、この宿をどのような場所にしていきたいか、お二人に伺いました。

古い建物には、人の暮らしの痕跡や風土が反映されていて、それが時代を超えて残っていることが貴重で尊いこと。ここに暮らした人たちがいて、住まいが大切に受け継がれていくことは奇跡のような話。そんな住宅を宿にして、皆さんにお泊りいただけることにすごくワクワクすると共に、誇りに思っています。ゆくゆくは地域のことを深く知ってもらうためのバーやアクティビティを企画していきたいなと考えています」(竹熊さん)

「私は一度海外に出て、日本の古きよきものの素晴らしさを再認識しました。日本の方はもちろん、外国の方に来てもらって有名な観光地以外にも、日本には素晴らしい場所があるということを知ってほしい、そしてまた来たいと思ってもらえるような宿に育てていきたいです」(神谷さん)

―今回募集するメンバーには、どんなことを期待しているのでしょうか。

「今回採用する方には、基本的には宿の顔としてフロントに立ってもらい、予約やスタッフの管理業務をお任せする予定です。ただ、宿泊の稼働は週末をメインに考えていて、平日はイベントなど地域に関わる事業も一緒にやっていきたいと思っています。宿のことでも地域のことでも、何でも柔軟に受け入れられる環境なので、自分の思いを形にできるチャンスがたくさんあります。一緒にうきはを楽しみ、盛り上げていくような方に来て欲しいです」(竹熊さん)

「私たちも一から立ち上げ準備をしているので、マネジメントや宿泊業の経験がある方だと心強いなと感じます。そうでなくてもtsumugiの大切にしている想いに共感してくれる方、地域のものを大切にし活動をしていきたいというマインドがある方なら大歓迎です。新しく宿の顔になる方は、地域の人と関わりを深めることが大切なので、仕事とプライベートを分けることなく、人との関わりを楽しめる方が向いていると思います」(神谷さん)

「私はうきはに5年、神谷さんは1年住んでいて、“土の民”として地元の視点で物事を見るようになって来ました。新しく来てくれる方は‟風の民“。外から見たフレッシュな視点で、いろいろ提案して動いてもらえるといいなと思います」(竹熊さん)

私自身は毎日同じ場所に出勤し、ほとんど毎日オフィスの中で過ごしていた前職と比べると、自分の裁量で働くことができて、地域の人との何気ない会話から仕事が生まれたりすることが、本当に面白いなと感じています。そんなうきはの日常から形を作っていきたい人と働きたいですね」(神谷さん)

     

宿である碓井邸から堀江邸へ移動するとき、竹熊さんがまちのことを案内してくれました。歴史を感じる風格漂うまちなみに、美しい水をたたえた水路がゆるやかなときを刻んでいました。移住者も増えているそうで、古い建物を活用した素敵な雰囲気の本屋やパン屋、お菓子屋、飲食店デザイン事務所などが随所にあり、‟いい気“が流れていました。

日本には数えきれないほどの田舎があるけれど、ここうきはは、脈々と受け継がれてきた歴史の息づかいに今を生きる人たちのセンスがうまく融合して、なんとも居心地のいい独特の空気感を生み出しています。

今回の募集で新しく入られる方も、竹熊さんたちと一緒にうきはのまちを楽しみ、宿を通じて地域と関係性をつくり、まちのつなぎ役になっていくのでしょう。

そんな魅力的なまち「うきは」で、ものがたりとものづくりを紡ぐ「tsumugi」の活動メンバーとして、うきはのまちに興味がある方、古民家活用や宿の運営に興味がある方、まちづくりに関わりたい方など、少しでも興味を持った方は、ぜひ気軽に問い合わせてみてください。

(文:佐々木恵美 写真:小金丸和晃 編集:藤本和志)

企業名 株式会社tsumugi
募集期間 決まり次第終了
募集職種 分散型古民家宿泊施設「みなも」の支配人
(その他、地域事業にも関わりながら)
採用人数 1名
雇用形態 正社員
勤務地 福岡県うきは市吉井町
勤務時間 シフト制(6:30〜19:00の間で8時間)
給与 月給280,000円~300,000円
*経験・能力を考慮の上面談にて決定
*試用期間3ヶ月/同条件
福利厚生 社会保険完備(雇用、労災、健康、厚生年金)
*社員研修あり
休日休暇 シフト制(月8日)/年間休日105日以上
有給休暇(入社6カ月継続勤務後、法定通り付与)
仕事内容 ・接客対応
・フロント業務
・スタッフマネジメント
・アクティビティの企画
・運営 等々 幅広い業務をお任せします。
ちなみに… ゆくゆくは、九州エリアの系列宿泊施設運営に関する体制構築や、地域活性化 に関わるイベントの企画・運営など、施設運営だけでなくステップアップも 目指せる環境です。
応募資格 ・私たちの想いに共感してくださること
【歓迎するスキル・経験】
・宿泊業界・サービス業界での勤務経験
・マネジメント経験
選考プロセス STEP-1.当サイトへのお申込み
STEP-2.書類選考
STEP-3.面接
備考

 

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