よ塩め 有坂光葉さん(東京→キューバ→コスタリカ→またいちの塩)
ー有坂さんは、ダイナミックな移住エピソードをお持ちだとうかがっています。
もともと東京生まれで、飲食の仕事をしたり、図書館の司書をしたりしていました。ちょっと体調を崩して仕事を辞めたタイミングで、夫もちょうど仕事を辞めてフリーの状態になっていたので、じゃあちょっと長期で旅に出ようかと。それで、中南米のキューバとコスタリカにしばらくいました。帰国後、今度は東京から糸島を目指して車で旅に出ました。コスタリカで偶然出会った人が糸島に住んでいて、糸島はいいところだから一度行ってみたら、といってくれたのがきっかけです。
わたしの幼馴染も糸島に移住していたので、これもなにかの縁だと思いましたね。夫はコスタリカでプロサッカー選手としてプレーしていましたが、今では糸島で保育園の園長先生をしています。
ーご夫婦そろって、波瀾万丈ですねえ。「またいちの塩」とはどう出会ったのでしょうか。
その車旅行で糸島を訪れたときに、「工房とったん」に遊びに行ったんです。「面白いことをやっているなあ」というのが第一印象で、この会社が飲食もやっているというのを知って、すぐ「イタル」にも行ってみました。サラダが木のボードに盛られて、試験管とスポイトに入ったお塩とオイルでいただく…。実験的で自由な雰囲気が面白くて、「ここで働いてみたいな」と思ったところでウェブの求人記事を見た、というきっかけでした。入社してちょうど4年になります。
ー今はどんなお仕事をしているのでしょうか。
「イタル」と「sumi cafe」の責任者として、ホールでの接客から調理まで関わっています。それと、最近はデザイン関係の仕事もやっています。メニューを書いたりPOPをつくったり、自社製品のパッケージデザインも手掛けるようになりました。これまでそういう仕事は全然やっていなかったんですが、「こんなパッケージだったらもっと手に取りやすいのにな」と思っていたことを形にできているのはすごくありがたいですね。
ー仕事をする上で、大切にしていることって何かありますか。
「自分がワクワクできていること」、ですね。もちろん一番大切なのはお客さんが喜んでくれることなんですが、自分がワクワクしていなかったら、いいパフォーマンスもできないだろうし、一緒に働いているスタッフにも悪い影響を与えるだろうし。自分がワクワクできていれば、お客さんにいいサービスを提供できると思っています。
この会社は、次から次へと「新しいことをやっていこう!」というスタンスなので、わたしが携わっている「イタル」も「sumi cafe」も、どんどん変化していくんですね。わたし自身も「まだ見えていないもの」「わからないもの」に対する好奇心がすごく強いので、その「新しいなにか」がどんどん出てくるこの仕事は、本当にワクワクします。新しい料理をお客さんに提供したらどんな反応をしてもらえるのか、新しいパッケージの商品を手にとったお客さんがどんな顔をしてくれるのか、想像するとワクワクすることばかりです。
ー「自分が楽しんでいなければ、他人を楽しませることはできない」ってよく言いますよね。入社してから、ご自身で変化したことや成長したことはありますか。
食に対する意識は完全に変わりました。東京でも飲食の仕事はしていたんですが、塩をつくる「塩屋」で働くようになってから、食材を活かすために塩がどんな役割を果たすか、はっきり意識するようになりました。糸島の食材はそれだけでもすごくおいしいので、料理もなるべく素材を活かすことを考えるようになりましたね。
ー有坂さんにとって、自分を動かす「原動力」とはなんでしょうか。
「人への好奇心」です。
とにかく人が好きで、海外旅行でも国内旅行でも、風景や自然を見に行くよりも人に会いに行く。おいしい食事やきれいな景色よりも、思い出に残るのは人のことです。
仕事でいえば、あのお客さんは何を考えているのか、どうすれば喜んでもらえるのかということへの好奇心が、よりよいサービスにもつながっていくと思います。
他人への好奇心を掘り下げていくと、自分に対する好奇心にもつながっていく。人を知ることで自分のことも知っていく。これが、自分を動かす原動力だと思います。
ご塩め 平川伸樹さん(福岡市→またいちの塩)
ー専務、という肩書きを見るとちょっと身構えてしまいますが、どんなお仕事をしているのでしょうか。
商品の製造管理ですね。毎日毎日、工房とったんでできたお塩を容器詰めしたり、瓶詰めしたりする作業や在庫などを管理する立場です。
ベーシックな「またいちの塩」からさまざまな加工品まで、うちで作っている商品は50種類くらいあります。
ほとんど手作業でやっているのがうちのこだわりです。塩の検品ひとつとっても、機械でやるとどうしても小さなゴミが残ってしまう。だから、すべて手作業、スタッフの目と手を使ってやってもらっています。真っ白な塩のなかから本当に小さなゴミや異物を探し出して、ピンセットで取り除いていくというとても大切な作業です。目と肩と腰をとにかく酷使する作業なんですが、皆さん楽しくやっていただいています。
ー何人くらいのスタッフでやっているんでしょうか。
8人ですね。私以外は女性です。
そもそもうちの会社自体、工房とったんで塩づくりをやっているスタッフ以外は女性の割合が圧倒的に多いです。皆さん元気で明るい方たちばかりです。わたしは専務という肩書ですけど、親戚のおばちゃんたちと子どもという感じの立場でやっています。長い方だともう20年近く勤めてもらっている方もいますから、その積み重ねた知識や経験はすごく大切ですし、なかば家族のような雰囲気もあります。
皆さん、好奇心や向上心があって、いつも勉強させてもらっています。
ー仕事をしていくなかで、気をつけていることはありますか。
なによりも、糸島の地域の方々とのつながりを大切にしたいといつも考えています。楽しく働ける場所、やりがいや生きがいを見つけられる場所として、お客様として来ていただいた方にも「ここで働きたい」と思えるような会社にしていきたいと思っています。
新しくうちの会社で働きたいという人には、とにかく楽しく仕事をしてほしいと思っています。今のスタッフはみんな楽しそうに働いていますが、その空気は接客を通じてお客様に伝わりますし、商品にもつながってくる。やりがいを見つけて、楽しく働きたいという人を求めていますね。
ー商品として毎日接している「塩」について、どんなことを考えていらっしゃいますか。
わたしの父が、もともと天然のものにすごくこだわりがあったんですよ。水道の水は飲まない、わざわざ山から水を汲んでくる。お米はもちろん無農薬。だから、自然のものが大事だという感覚は自分のなかにはっきりありました。
ですが、塩の大切さは改めて学びました。世間一般では、「減塩」というように「塩はなるべく摂らないほうがいい」といわれていますが、本当はこれは間違っているんです。実際は正しく塩を摂らないといけない。摂りすぎてはいけないのは、科学的に精製された塩のことですね。
料理にしても、これまで醤油を使っていたものを塩に変えてみることで、「これは醤油の味を食べていたんだ」と気づくことができました。例えば魚を醤油でお煮付けにするのではなく、ただ塩だけで焼いてみる。すると、魚の身の味と、塩の甘みが伝わってきます。おむすびも、中に具を入れたり味付け海苔を巻いたりせずに、塩むすびで食べてみればお米の甘さもわかります。塩の大切さは、これで学びました。
自分の子どもたちにも、「塩でものを食べる」ことの大切さは必ず教えています。素材の味を引き出すには、塩をちゃんと使うことが大事です。
ー最後に、平川さんを動かす「原動力」について聞かせてください。
「人との会話と、人の笑顔」です。
わたしは普段の生活でもちょっと人の助けが必要なものですから、助けてもらったときに「ありがとう」とお礼をいうと、相手が笑顔を返してくれる。もう、それだけでこちらもとても気持ちがよくなるんです。
それで改めて考えたんですが、わたしは本当に寂しがりで、人が大好きなんですよ。
だから、目の前にいる人の笑顔をみたいといつも思ってますね。だからスタッフのみんなには楽しく仕事してもらって、その空気が伝わってお客さんも楽しい気持ちになってもらう。やはりその根本にある、「笑顔」というものが自分のモチベーションになって、自分を動かす原動力になっています。
更にクリエイティブに、更に面白く成長を続ける、新三郎商店。
今回は各メンバーに「原動力」についてお聞きしましたが、新三郎商店ではこのような個性的なメンバーと新たな原動力となり一緒に働く仲間を募集しています。
製造・販売・接客・事務・商品企画・開発・マーケティングリサーチ・バイヤーと、募集職種は全ての分野に渡ります。興味のある方は是非お問い合わせください!
会社名 | 新三郎商店株式会社 |
募集期間 | 定員になり次第終了 |
募集職種 | 製造・販売・接客・事務・商品企画・開発 マーケティングリサーチ・バイヤー |
採用人数 | 各若干名 |
雇用形態 | 正社員・パート・アルバイト |
勤務地 | 【工房とったん】 福岡県糸島市志摩芥屋3757【プリン工房】【ゴハンヤ イタル】【sumi cafe】【新三郎商店】 福岡県糸島市本1454 |
勤務時間 | 【工房とったん】 正社員/8:30〜17:30 パート/11:00~17:00【プリン工房】 正社員/9:00〜18:00 パート/9:00~17:00【ゴハンヤ イタル】 正社員/9:00~18:00 パート(ホール)/10:00~18:00 パート(調理)/9:00~18:00【sumi cafe】 正社員/9:00~18:00 パート(ホール)/10:00~18:00 パート(調理)/9:00~18:00【新三郎商店】 正社員/9:00~18:00 パート/9:00~17:00 |
給与 | 正社員:185,000円〜(経験・能力による) ※試用期間(3ヶ月)は時給842円~ パート・アルバイト:時給842円〜(経験・能力による) 共通:通勤手当あり |
福利厚生 | 正社員:各種保険完備 パート・アルバイト:勤務状況により加入 共通:社員販売割引制度、制服支給、社員専用駐車場完備 |
休日休暇 | 【共通】休日/シフト制 休暇/年末年始、6か月経過後の年次有給休暇は法定通り付与 |
仕事内容 | 【工房とったん】塩の製造、販売・接客 【プリン工房】プリンの製造 【ゴハンヤ イタル】調理、ホール 【sumi cafe】調理、ホール 【新三郎商店】販売・接客、バイヤー、通販・発送 |
応募資格 | 要普通免許 |
選考プロセス | STEP-1.当サイトへのお申込み STEP-2.面接(履歴書(写真付)・職務経歴書を持参) |
備考 | 塩と食と環境に関心のある方。 |
(写真:小金丸和晃)