【SALTな人vol.4】 切磋琢磨して成長! 慣れ親しんだ場所で新たな挑戦。

思いがけず“モーターサイクルマガジン”の世界へ

――福岡に戻られてからは何をなさっていたんですか?

プラプラしていても仕方ないので、そのまま今で言うところのフリーターになって、アルバイトに明け暮れる毎日でしたね(笑)バイク便ライダー、レストランのウエイター、運送会社の配送、カフェの店員、レンタルビデオ店のスタッフなど何でもやりましたヨ!
日中のバイトが終わってから、夜、バイク仲間と走るのが唯一の楽しみだったんです。
そんな頃、糸島の山奥に夜20時開店~朝8時閉店するという、ちょっと変わったバイクショップがあって、バイク好きの中でも特に“クレイジー”な奴らの吹き溜まりの様なお店があったんです。そこの社長とは顔馴染みになり、とても可愛がってもらってたんですが、ある日その社長から…「藤崎君。これから先、仕事とかどうするの?」って聞かれて、返答に迷っていたら「もしよかったら『バイクブロス』を受けてみないか?」って言われて…
その社長というのが、バイクブロスに顔が効く人だったんです。その頃、親父からも「自由にやるのは22歳まで。そろそろどこかにキチンと就職しろ!」ってやかましく言われていた時期でした。大好きなバイクに関わる仕事といえ、それまで勉強してきた“インダストリアルデザイン(工業デザイン)”ではなく“エディトリアルデザイン(編集デザイン)”という似て非なる分野。更には文章を書いたり、写真撮影をしたりする仕事に正直ピンときていなかったのですが、このままフラフラしててもいけないし…と試験と面接を受け、晴れて23歳で入社しました。その時の会社の自社ビルであった「ブロスビル」が巡りめぐって、今、僕たちのいるSALTが入る「マリブ今宿シーサイドテラス」になったワケです…

――バイクに乗ってたからこそ始まった会社員生活だったんですね?

言われてみればそうですね(笑)プラプラしていてもしょうがないという思いから何となく就職した会社でしたが、気がついたら27歳で編集長、30歳で編集局長となり、退職するまでの約12年間は雑誌制作現場の最前線に立ち続けていました。
当時「バイクブロス」は地方誌ながらもエリア区分による全国展開を目指していた時期で、僕自身も“切り込み隊”として全国各地に足を運んで販路拡大に奔走していました。
おかげさまで入社当時6名程だった編集部員も最後の頃は110人以上になるほど急成長し、バイクブロス誌も200ページから最大1500ページにまでページ数が増大。某大手コンビニエンスストア本部からは「販売時にビニールを2枚重ねにして下さい」という異例の通達がいく程でしたから(笑)。
あと、大友克洋先生の「AKIRA」に出てくる実車版『金田バイク』における版権取得や独占で取材もさせて頂いて、東京モーターサイクルショーでは国内4メーカーより大きな特設ブースをバイクブロス名義で製作して頂いた事もありました…ホント、いい経験を沢山させて頂きましたね。

――とても勢いがあったんですね!会社も急成長、ご自身も編集局長まで登りつめたキャリアから独立して起業した経緯は一体何だったのでしょうか?

確かに勢いはあったんですが、会社が急成長した事により運転資金が追いつかず、某ベンチャーキャピタルから資金援助を受け、更に上場を視野に展開していました。
資金調達自体は成功したものの、出資元の意向で右も左も何も分からない役員が何人も送り込まれ、会社の方向性が大きく変わっていき、役員連中と我々現場の考えに大きなズレが生じてくる様になってきて、また自分の中で「独立するなら35歳まで」という考えもあったので、思い切って退職を決め、起業の道を選びました。

――大きな決断をされての起業だったんですね。ちなみにSALTに入居されるまでは、どちらでお仕事をされていたんですか?

起業当初は実家の離れをオフィス代わりに利用していました。
その後、3年ほど経った頃にスタッフを雇う事になり、賃貸オフィスを借りるようになりました。SALTに入居する前までは、野方、野芥、周船寺…と様々な場所を転々としていましたね。
ただ、個別に物件を借りると賃料だけではなく電気、水道、ガスなどの光熱費でプラス2~3万円ほどかかるじゃないですか?デスクワークもしますが、日中は営業、打ち合わせ、出張等で僕もスタッフも実際に1日中事務所を使う事が殆どなく、費用対効果の面でも少し勿体無いような気がしていました。

――なるほど。それでシェアオフィスを利用しようと思ったのは費用対効果の面からですか?

そうですね。費用の面も含め、今の弊社の規模と形態に見合っている…と感じたからですね。
一時代前でしたら立派なオフィスをドーンと構えてこそ立派な会社だ!という風潮もあったかと思うのですが、今は時代がそうじゃないと思うんです。
それよりも、ローコストで常時使用出来る事や僕が不在の時でもスタッフさんが常住している時間帯であれば荷物を受け取ってもらう事も可能…こういった点なども含め、「シェアオフィス」という存在は我々としては非常に助かっています。

――シェアオフィス利用のメリットを感じていらっしゃるんですね。ちなみにその中でも何故SALTなのでしょうか?

今から3年程前、まだ賃貸オフィスを契約していた頃、後輩から「ブロスビルがシェアオフィスになっているらしいですよ」って聞いて、その頃は出先での仕事や出張も多く、インターネットカフェで仕事するなんて事も多々ありましたし、今後オフィスをどうしようかちょっと悩んでいた時期でした。
SALTのホームページを見て、僕らがいた頃と全然変わって綺麗にフルリノベーションされてて、とても雰囲気が良さそうだったので「じゃあ、ちょっと古巣の様子でも見てみようか…」と思って見学させて頂きました。
あと、同時期に知り合いの社長さんからも博多駅付近のシェアオフィスも勧められていて、そちらもお洒落で立派だったのですが、コストが高めなのと、駐車場が家賃並み、また自宅のある周船寺から距離がある事がネックでした。
その点、SALTは同じ福岡市西区で自宅から車で10分圏内、近接駐車場も安く、そして長年通った馴染み深いビル…これらの理由から“原点回帰”のつもりでSALTヘの即入居を決めました!

――藤崎さんから見る“SALT”はどういった場所でしょうか?

全国には色々なシェアオフィスがあると思うのですが『海が目の前にあるシェアオフィス』ってなかなか無いと思うんですよ。あと、波の音とリズムは“癒し効果”があると聞きますし、都会の喧騒から離れたリラックス出来る環境下に身を置きつつ、しっかりと仕事も出来る場所としてSALTはお世辞抜きで非常に良い場所だと思います。
昼食は海を眺めながらサンドウィッチを頬張り、休憩中は他のデスクの方と仕事の真剣な話から、たわいもない話で盛り上がる事も出来るし、僕は一人だと、どうしてもダラけてしまうタイプなので(笑)程よく人目のあるSALTの環境は僕のスタイルに合ってる気がしますね…

――この周辺の町の印象はいかがですか? ブロスビル時代からの変化は感じますか?

この10年で大きく変わったと思います。あと、当時ブロス創業者である社長と専務から聞いたお話なのですが、SALTのあるこの場所は、正面に見える「能古島から続く龍道(りゅうどう)の上にある」って事を言われてまして、風水的にもかなり良い場所みたいなんです。「だからここに会社を建てた!」というくらいで…もちろん僕は専門家ではないんで詳しい事は分からないですけど、でも確かにここが本社だった頃って先記のように会社は上り調子の頃で、とても縁起の良い場所というイメージはありますね。
また、九州大学が市内中心部から糸島に移転してきた事で、福岡市西区/糸島市全体が盛り上がる要因にもなりましたよね。
僕が引っ越してきた20年前は、それこそ「九大学研都市駅」なんて無かったですし、ここら辺一体は小高い山と田んぼだけの場所でしたから(笑)当時から比べたらこの20年で坪単価4倍くらいになってて、今思えばこの辺に家でも建てておけば良かったかな?と少し後悔してます…(涙)。

――SALTでの仕事をしていて、良かった事があれば教えてください。

実際にSALTの入居者の方にお仕事を紹介して頂いたり、プロジェクトのサポートに入って頂いたりしていますね。また同じWebの仕事でも、より専門性の高い技術をお持ちの方がSALTの入居者には多数いらっしゃいます。困った場合などはクライアントさんの仕事の一部を受けて頂いたりもしています。
こういった横の繋がりは個人で事務所を借りたり建てたりしていたら有り得ない事なので、これはシェアオフィスならではの特徴の一つだと思います。

SALTらしい場所づくりが楽しみのひとつ

――では、SALTに入居して仕事以外で良かった事はありますか?

入居者や地域の方々向けに月一度開催している「SALTBAR」に参加した際、サプライズで僕の誕生日のお祝いをしてもらったのはとっても嬉しかったです…「特製たこ焼きケーキ」作って貰ったりして。

――あの時はバレないかハラハラしてたので、サプライズが成功してこちらもホッとしました!

本当に気が付かなくて「何か甘い匂いしてんな~」ぐらいなモンで(笑)僕はサプライズする方が多いので、される方はあまり経験なくて…その節は本当にありがとうございました!!
こうした仕事ばかりではなく、たまにSALTBARのような息抜き企画も必要でしょうし、年末に開催される「SALT大忘年会」も毎年楽しみにしていますよ!
SALTBARや大忘年会などは、他のシェアオフィスではなかなか無い取り組みだと思いますし、SALTらしいイベントだと感じています。

――今後、SALTとしても入居者を増やしていきたいと思っていますが、どのような人とこの“SALT”という環境を共有したいですか?

SALTには個人事業主/フリーランスの方が多いのですが、法人の方にもっと入居して頂いて色々と情報交換などしたいですね。例えば「この助成金狙いました?」とか「決算どうなりました?」とか、法人ならではのちょっとした相談ごとから業界や市場について議論するとか、ベンチャー企業の方々とは外で知り合う機会が多いので、もっと同じような境遇の方々とSALTで情報交換して切磋琢磨出来る環境にあれば、なお嬉しいですね…。

▽『SALT』への見学お問い合わせはこちらから

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