自分が住みよい街にしたい
―そういった交流の中で、お仕事につながるような機会もあるのでしょうか?
そういう機会もあります。僕も『Mekuruto』に入ったことで、他の入居者の方から「ホームページを作りたいひとがいるから相談にのってほしい」という話をもらったり、福岡のシェアオフィス『SALT』の入居者の方とお仕事したこともありましたね。
それから、これはまだ何も形にはなっていないのですが、自分が得意なWeb関連の技術を使って「久留米に住んでいるひとの役に立つことをしたい」と思うようになってきました。たぶん『Mekuruto』の人たちが、久留米のために何かをしようとしている人たちばかりだから、自然と感化されてきたんだと思います。
—その久留米という地域の役に立ちたいと思ったのはなぜでしょう?
単純に、自分が東京から久留米に帰ってきたときに、いろいろと不便さを感じたんです。例えば飲食店の情報がネット上にないことが多く、行ってみたら閉まっているとか。だから誰かの役に立つという大それたことではなく、「自分がもっと住みやすい街にしたい」という感じですね。それが結果的に、まわりの役にも立てばうれしいですけど。
ーすでに何か始められていることがあるということでしょうか?
そうですね、お店の方と一緒に、お店の情報をGoogleマイビジネスに登録する作業をやってみるなど、お手伝いは少しずつ始めています。自分が好きなお店は、Web上にもちゃんと情報があってほしいし、情報があることで他のお客さんにも行ってほしい。好きなお店は無くなってほしくないですからね。地域貢献というたいそうなことではなくて、「自分が住みよい街にしたい」というモチベーションで、この取り組みは地道に続けていきたいと思っています。
—『Mekuruto』に入居して、仕事以外でよかったこともありますか?
明るくなったんじゃないですかね(笑)。前向きになったと思います。ここに集う方がみんな何かしら行動しているから、いつのまにか影響を受けているような気がします。自分の好きなこと、やりたいと思ったことを、ひとの目を気にせずやってみよう、と思う勇気がでてきました。
変化し続けるから、飽きない空間
ー以前は「かっこよ過ぎる」と思われていたということでしたが、いざ入ってみたらすごく馴染んでいらっしゃいますよね。
僕はもともと、大勢のひととコミュニケーションをとることにストレスを感じてしまうんです。だからもし『Mekuruto』が、「みんなで何かをしなけれなばらない」という場所であれば、すぐにいなくなっていたと思う。でも実際は、「それぞれが、自分の好きなことをやっていていい」という場所でした。だからとても居心地がいいですね。
ー『Mekuruto』への思いについて、語り残したことがあれば聞かせてください!
ここで仕事をすることは、僕にとって少しずつ“当たり前のこと”になってきていると思います。それでも飽きないのは、『Mekuruto』が常に変化を続けている場所だから。たとえば地元の作家さんの展示・販売スペースができたり、人の入れ替わりがあったりと、毎日少しずつ何かが変わっているんです。僕は飽きっぽいので、この場所のことを全部把握できてしまったら、きっと飽きはじめてしまうと思う。でも変化し続けてくれる場だから、常におもしろいんです。