【プログラム参加者募集】「椎葉村×福岡移住計画」で仕掛ける秘境の場づくりプログラム。(2/2)

椎葉村では2020年4月に新しいコミュニティセンターが誕生し、その一角がテレワークの拠点になる。先行して2018年に立ち上がったテレワークセンター『katerie~カテリエ~』で、センターに関わる人たちの想いや構想を聞く全2回の連載。2回目となる今回は、katerieを利用している2人と、村で始まった「Local LAB Shiiba(ローカルラボ椎葉)」という新しい事業に関わる地域おこし協力隊の3人に話を聞いた。

―まずは今katerieを利用されているという尾前一日出(おまえかずひで)さんにお話を伺います。簡単に自己紹介をお願いします。

一日出さん:僕は椎葉の尾前地区出身で、高校から27年間は村外で過ごし、2002年に家族でこちらに戻ってきました。当時子どもが3歳と4歳。僕が小さい頃は木登りしたり川で泳いだり、野いちごを食べたり…いい思い出ばかりだから、子どもにもそんな体験をさせたかった。妻を2年がかりで説得して椎葉に戻ってきましたよ(笑)。
宮崎県内の設計事務所に勤めていて、帰郷したらゼロからのスタート。でも、そのとき村には約3,500人が暮らしていたから、どうにかなると思って。村で初めての一級建築士だよ。すると住宅の設計を頼まれたり、コンペで町役場の設計を任されたりと、村内外の仕事が舞い込んできて。日本一のツリーハウス(木の上の家)も作りました。この前なんか、歌人の俵万智さん親子がプライベートで事務所に来られて、僕は芸能関係に疎いから誰かわからなかったんだけど、家族や知人は大騒ぎ(笑)。あとは観光協会の会長もやっています。

―俵万智さんがいきなり来られるなんて、すごいですね。

一日出さん:そうみたい(笑)、話すとみんなに羨ましがられます。帰郷した16年前は村で仕事をするにも村内外の人との連絡が大変だったけど、今は何でもメールでやり取りできてすごく便利。九州中の仲間と顔を合わせて打ち合わせをしたいときは、このテレワークセンターを利用しています。村の中心にあるし、プロジェクターが同時に2つ使えるから、すごく助かっています。

―えっと、一日出さんと呼ばせていただきます。

一日出さん:もちろん下の名前でどうぞ。椎葉村は椎葉姓や尾前姓が多く、みんな下の名前で呼び合ってるから。

―ありがとうございます。一日出さんは来年4月に始動するコミュニティセンターも手がけられているとか。

一日出さん:センターの建設にあたってはコンペがあり、東京の会社が基本計画、僕が実施設計を担当しています。まず基本計画の段階で大枠が決められ、今は僕が村の実情を反映した建物の図面を描いているところです。2階建てで、テレワークができるフリースペースやモノづくりができるラボ、広い図書室、調理場、キッズスペースなどを備えています。
施設を作るからには、村内外の多くの人に使ってほしい。まずは地元の人に興味を持ってもらい、コンサートや本のイベントなどを企画したり、村の外から企業の研修を受け入れたりと、場の活用法を考えることが重要だと思っています。

―では次にkarerieを利用されている椎葉陽子さん、ご自身のことを教えていただけますか。

陽子さん:私は宮崎県門川町で中学校の先生をしていて、2005年に結婚を機に椎葉へ来ました。3人の子どもを育てながら、これまで村内外の小中学校で先生をしたり、役場で臨時職員として働いたりしてきました。

―katerieをどのように活用されているのでしょうか?

陽子さん:ここでたまに「子どもの勉強会」をやっています。中1の息子は寮に入っているけど、寮では黙々と勉強しないといけないし、いつもの場所では気が乗らないこともあるでしょう。それで、学校が休みのときに息子の部活仲間などに「karerieで勉強しよう」と呼びかけてみたら、参加してくれる人が毎回10人くらいはいます。基本的にはみんなで勉強する場所を提供していて、私は質問されたら教える程度です。村には塾がなくて、車で1時間半かけて塾に通っている子もいるんですよ。最近は「今度いつすると?」「いつもありがとう」と声をかけてもらうことも多くて、やって良かったなと思います。

―母親や先生という視点から、新しいコミュニティセンターについてどう思われますか?

陽子さん:とてもいいと思いますよ、せっかく立派な施設ができるのだから、村の人たちの拠り所になるといいですね。椎葉村では本を読む文化が育まれていないように感じます。今は役場の入り口に小さな図書館があるけれど、放課後に子どもが親を待つ場所になっていて、本を読む姿は見かけない。センターには大きな図書室ができるようなので、ぜひ親子で利用してほしい。子どもの頃から本を読んでおくことは、とても大切ですから。

▲すでに取り壊されているこの跡地に新しいコミュニティセンターができる。

―なるほど。

陽子さん:村の未来にとってもその子自身にとっても、教育は大事。本を読むことはその礎になります。今、村には高校がないので、進学のためにみんな外に出てしまいますが、何かしら能力を身に付けて村に帰ってきてほしいと願っています。
椎葉村の人って本当にあたたかくて、助け合いの精神が息づいている。手つかずの豊かな自然も素晴らしい。なのに、これが当たり前になって良さに気付いていない人もいます。若者は1度外に出て村を見てみて、戻ってきてほしい、一日出さんみたいにね。そのためには、テレワークなどで仕事ができるような環境が整っていくといいなと思います。

―2018年7月には「Local LAB Shiiba(ローカルラボ椎葉)」という新しい事業がスタートしたそうですね。今は地域おこし協力隊の方々が中心になっているとのことですが、具体的にはどんな内容でしょうか?

村上さん:都会と田舎が関わり合う場を作る、「関係人口の創出」を目的とした事業です。村を盛り上げたい村内の人と、都市部にいながら地方に魅力を感じて何かやってみたい人をマッチングして、新しいプロジェクトを生み出していきます。今年度は初回なので、地域おこし協力隊の僕と天野さんがそれぞれ1つずつのテーマで進めています。
僕のテーマはコンセプト型シェアハウス「自給自足2.0」。集落で農業を営む人の拠点となっている「でぇらの家」をシェアハウスにして、暮らしに必要なものを自給する新しい暮らし方を提案しようという試みです。

天野さん:私が立ち上げた「ローカルライト」は、ライティングで村の魅力を見える化するプロジェクトです。村内外の人に村の魅力を取材して発信してもらうというもので、作成した記事はWebサイト「OnlyOneShiiba」に掲載しているので、ぜひ読んでみてください。

村上さん:2つ合わせて全国から24人の応募があり、5人ずつを選ばせてもらいました。どちらも皆さんに村に来てもらい、現在も活動が続いています。来年度からは、村の人がやりたいことを出してリーダーとなり、協力隊としては背中を押したりサポートしたりする役目を担って、椎葉村発の新たなプロジェクトが生まれていくといいなと思っています。

―新たな事業も生まれているということで、今回の2月の合宿に来てくれる人たちとも相乗効果が生まれるといいですね。どんな人に来てほしいですか?

上野さん:あえてペルソナは考えていなくて、今回の合宿をきっかけとして何かしらの形で椎葉に関わってくれるような人がいいと思っています。僕と天野さんは来年度には地域おこし協力隊の任期が終わりますが、椎葉村に住み続けて法人を設立し、新しい施設にも関わるつもりです。ぜひ一緒に村を盛り上げてもらえるとうれしいです。点で進んでいる事業も新しいコミュニティセンターができることで上手く連携できるといいですね。そのあたりも考えるために2月の合宿プログラムにはぜひ多くの方に参加していただければと思っています。

2本の連載でお届けした椎葉村で新たにはじまる取り組み。コミュニティセンター自体は2020年開業だが、それまでにも地元と地域おこし協力隊が主体となって事業が生まれつつあり、ますます注目の椎葉村。そんな椎葉村の場づくりに皆さんも参加してみませんか?
地方だからこそ、秘境の椎葉村だからこそやれることがあると思います。ご参加お待ちしております。

◎秘境の場づくりプログラム(宮崎県椎葉村)

▽2月18(月)~20日(水)の合宿プログラムの詳細と参加お申込みはこちらから。

イベントのPOINT 1.福岡移住計画が普段の場づくりで行っているプロセスを体感。
2.福岡移住計画のメンバーとともに、場づくりのプログラムを行う。
3.リアルな計画であるため、良いアイデアは採用される可能性あり。
4.日本3大秘境である椎葉を体感!
日時 2019年2月18日(月)~20日(水)
場所 宮崎県椎葉村
参加人数 最大10名 ※先着順
タイムスケジュール 詳細は、参加者に個別で連絡いたします。
▼2/18(月)
9:00  熊本駅集合、移動※無料
12:00 椎葉到着、昼食
13:30 村内視察
19:00 交流会

▼2/19(火)
10:00~18:00 プログラム

▼2/20(水)
9:30  発表
10:30 プログラム終了
13:00 熊本駅到着・解散※椎葉村での現地合流・解散も可能です

参加費用 14,000円(宿泊費2泊分※朝夕食つき)
※交通費他は参加者負担
当日までの流れ 1.下段の参加申し込みボタンをクリック、フォームを記入・送信
2.福岡移住計画より連絡、参加決定

▽参加お申し込み(画像をクリックいただくと申し込みフォームに飛びます)

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