【#いといいねキャンペーン】お店を通じて地域の人をつなげる場に。(ベトナムサンド バインミーHiHo)

今夏に地域密着情報誌『マイタウン伊都』とのタイアップ企画として開催した「#いといいね キャンペーン〜シェアでつながる伊都〜」。この企画は誌面に掲載されているお店の写真を撮ってInstagramで発信し、投稿いただいた写真にいいねの数が一番多いお店をグランプリとして決めるものでした。
そこで今回はその報告も兼ねてグランプリと準グランプリのお店を「福岡移住計画」のお店紹介のスタイルでご紹介したいと思います。

筑前前原駅から歩くこと5分。赤を基調にカラフルな提灯が吊るされているアジアの香りたっぷりの賑やかな外観が飛び込んできます。こちらのお店が、福岡初!ベトナムサンドイッチ「バインミー」専門店の『HiHo(ハイホー)』です。
お店の外には美味しそうな香りが漂い、ガラス張りの窓からはカウンター越しにお客さんと楽しく話をしている店主の北山敏之さんの顔をのぞくことができます。
常連さんに囲まれながら陽気に明るく接客されている北山さんに今企画「#いといいねキャンペーン」準グランプリ受賞の感想やお店のこだわりなどをうかがいました。

−まずは準グランプリおめでとうございます!受賞を受けての率直な感想をお聞かせください。

正直、予想外の結果でした。店をオープンして1年程度だし、まだまだお店の改修も途中の段階なので…ちょっと軽い気持ちでキャンペーンに参加したので結果に驚きました。

−今回支持された要因としてはどういったところにあると思われますか?

筑前前原の町づくりに熱心に取り組んでいる地元の若いメンバーたちとお店の壁にイラストを描いて町をアートで盛り上げようという企画を一緒にやってきました。それで目立つ外観にしたのが効いたのかな、と思っています。よくお店の外から写真撮影している人を見かけますしね。
アジア風の踊り子やトゥクトゥク(アジアで見られる旅客用のオート三輪)の壁画は自分で描いたんですよ。高校生の頃は絵描き志望だったので絵は得意なんです。
なので特技を活かせるお店の外観には力を入れていますね。お店の建物はさっき言ったように地元のメンバーと一緒にDIYで改修しているので、プロの手はほんの一部しか借りていないんです。HIHOを活用して町づくりに貢献できればなと思って友人の企画には積極的に参加しています。

−今回の企画では写真という一部分だけが切り出されたと思いますが、本取材ではお店の中身も掘り下げていきつつ、お店の良さをさらに紹介できればと思います。まずこのお店を始められたきっかけは何だったのでしょうか?

実は、数年後にタイに移住する計画があります。当初はタイに移住するまでの数年間を食い繋がねば!と必要に迫られお店をはじめた状態でした(笑)。
糸島に移住する直前までは、新宿の歌舞伎町で飲食店を経営していた経験があるのでお店を回すことはできるだろうと思っていましたし、せっかくお店をやるならば数年間は特色のあるお店をやりたいなと思い、東南アジアの「バインミー」を思い付きました。
東京ではバインミーが流行り出してきたけど、福岡でまだバインミーのお店がなかったし、的を絞って専門店として打ち出したらお客さんにも分かりやすいだろうと思って。それで昼はバインミー専門店、夜はエスニックな居酒屋としてお店をスタートさせました。

−専門店にするほどバインミーには思い入れがあるんですね。

若い頃にベトナムを旅して何気なく買った屋台のバインミーが「何これ?うまい!」と初めての味がお気に入りになってしまって。その後ベトナムを訪れるたびに朝ごはんはバインミーを食べていましたね。

−なぜこの糸島という地にオープンされてのでしょうか?

東京に住んでいた頃、偶然テレビの移住特集の人気投票で糸島が全国一位になっているのを目にしたんですよ。それで福岡に糸島という土地があるのを初めて知りました。
その後、実際にドライブに来てみたら、自分が好きな関東の葉山・鎌倉に雰囲気が似ていて、白砂の海岸線には素敵なお店が連なっておしゃれ、海が注目されがちですが糸島には山もある。それでいて生活コストは葉山・鎌倉よりも断然安い!とても気に入って移住を決めました。
もう少し人通りが多い都心部でお店を出すことも考えたけれど、糸島が大好きでタイに移住する前に何らかの爪痕を糸島に残したいと思い、今の場所に落ち着きました。

−特徴的な外観とバインミー専門ということで、お客さんはどのような層の方が多いですか?

ランチタイムはテイクアウトのみのお客さんもいるし層は幅広いですね。
夜は自分が移住者ということもあってか3〜4割が移住者ですかね。40~50代のお客さんで都心から来た方が、ここを拠点に移住先を探したりもしていますよ。
最近はお客さんがブログやSNSで発信したものを見てきてくれるお客さんも多いですね。
うちの店は見たらわかるように、ガラス張りで外からもお店の中の様子が見えるのが特徴でしょ。だからいつも外から眺めていて初めてきてくれたお客さんに「ずっと気になっていたんで、勇気を出して来てみました!」と言われることもありますね。

−徐々に認知も広がり、糸島移住後のお店運営を順調に見えますね。

いやいや、やはりオープン当初は毎日にように暗い顔で貯金通帳の残高が減っていくのを眺めていましたね(笑)。飲食業ですし、辛い時でもお客さんの前では常にポジティブな顔を見せないといけない。落ち込んでいるマスターのお店でお酒を飲んでもおいしくないからね。
今年の春からようやくです。夜にアルバイトスタッフを雇えるくらいの余裕が出てきたのは(笑)。地元の人間じゃないから同郷のよしみで来てくれるお客さんがほとんどいなかったので、SNSを使ったお店の情報発信には力を入れました。発信を頑張ったかいがあり、嬉しいことに昼はバインミー目当てのお客さんも多いけど、夜は自分に興味を持って来てくれる人もいて、そういったファン層を増やすことを意識してSNSでは人柄が伝わるように工夫しています。

−今後やっていきたい、実現したいことはありますか?

筑前前原の町づくりに力を入れて地元を盛り上げようとしている若い人たちを線で繋ぐような役割をしていきたいですね。こういうお店という場をやっているからこそ違うアイデアを持っている彼らを繋げられる気がしていて。
自分も若ければ先頭を切って引っ張るところだけど、今自分ができることは若い人の背中をそっと押して応援することかなって。
数年以内にタイに移住する思いは変わらないけど、その時が来るまでは、お店を盛り上げつつ、そうやって地域の人を繋げながら走り続けたいですね。

取材終わりにできたてのバインミーをいただきました。糸島のベーカリーで特別に焼き上げたバケットに糸島の農家さんから仕入れたパクチーと地元こだわり食材使用。「コーヒーも一緒にどう?」なんて、常連さんと同じようにフレンドリーに接してくれる北山さん。
話題豊富な北山さんを中心に、いつの間にか他のお客さんの輪の中に入って楽しいおしゃべりに夢中になっていました。「点在している人を線で繋ぐような存在に」とおっしゃっていたように、北山さんを中心に繋がりの輪が生まれていく場所が『HiHo』なのかもしれません。

【HiHo(ハイホー)】
福岡県糸島市前原中3-1-15
TEL:092-334-1511
営業時間:昼11:00〜15:00
     夜17:30〜21:00
定休日:火曜日

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