もう二度と絶やさない!復活した「小倉織」が世界を視野に目指すもの。

北九州の地に繊維業をもう一度

ー弥央さんは最近、新会社である小倉織物製造株式会社を設立されたと聞きました。小倉クリエーションとの違いや設立の経緯を教えてください。

弥央さん:海外に出店していく中で、世界にも通じる生地だということを強く実感しました。その中でアパレル業界だとか、インテリア業界で使いたいと言われた時にどうしてもメーター数や納期のことが原因で注文を受けるに受けられないという限界になってきてしまって…。
小倉織の織り自体はいま筑後にある工場にお願いをしているのですが、この地にあった織物であるにもかかわらず、繊維業の業界としても消えてしまったということもあって、北九州の地に工場を作ることで繊維業をもう一回復活させたいという意味があります。今は年内に工場を稼働できるように動いている状況です。

英子さん:工場ができることによってもっと生地開発ができるようになるんです。先端技術の機械を導入して、機械と人間の手で今よりもっとダイナミックな織物に挑戦しようと思っています。また、小倉織以外にも、織物の産業が衰退して織れなくなったようなものもうちで織れたらいいなと思っていて。もちろん小倉織を中心にやるんですけど、それだけではなく、他の産地のためにも織ることができたらいいなと思っています。
長く続いてきて今がある、という歴史ではなく、いったん途絶えたという歴史に対する危機感が強くて。全国的に有名になったものも、消える時はあっという間という事実を歴史が残してくれていた。その危機感を持って復活させているので、次はもう途絶えさせないぞという想いは他の織物産地の人たちよりも身に染みて感じていると思います。だからこそ、突発的な今だけのことではなくて、長い目で見て、どうつなげていくかと考えた上で今回工場を作ることにしました。

みんなで連携して、もう二度となくならないことを目指して

ー今後の成長を踏まえ、人材を募集中ともうかがいました。どのような人材を求めていらっしゃいますか?

英子さん:いろんなことをやっていくので、「小倉 縞縞」の生地の魅力を伝えられる語り部がいるわけです。そういうイメージを提案できるような、人材づくりっていうのが今からの最大の目標になってくると思うんです。
こうやって大切に作っている商品を見て感じる方もいるんでしょうけれど、やはり小倉織にはこういう背景があって、こんな生地で、こういうことができるんですって実際にお話ししたりしないことには伝わらないと思うんです。使い勝手、使う意味というのは人が介さないといけないことかなと思っています。
そういうことに興味のある人材が必要だと思っています。ひとつひとつ創り上げている生地をお話しできる、伝えることへの情熱があるチームでありたいなと思うので、こういう人じゃないといけない、というわけではなく、思いを持ってきてくれればと思いますね。
いろんな分野に興味のある方達にお声がけしたい。ものへのこだわりだとか、長く使っていくことの意義だとかをわかっている人に伝えていこうとしているので、やはりその意義を感じてくれてる人が仲間であってほしいなというのはあります。

ー今後「小倉織」をどのようにしていきたいとお考えでしょうか? 将来展望も踏まえお聞かせいただければと思います。

英子さん:最終的に決めてるのは、「世界に通じるテキスタイルブランド」です。海外の人たちの需要に合わせて、「織れません」ということではなく、通常日本では織れないことも、小倉織であれば織れますというようなものを開発していけたらなと思っています。
小倉クリエーションができて10年。この期間は小倉織が無くなっていた時間を埋めるように費やしてきました。これからの10年、100年は続いて行くことに対して、私たちの考える小倉織というのは上質であること、強さがあること。それを理解してもらえる企画、商品作りに関して、長く使ってもらう物作りを目指しながら、「時代の先をいってくれるんだね」というような織物でありたいなと思ってるんです。
当然守らないといけない、伝統の部分というのはあるんですけど、やはり伝統って繋がっていかないと伝統にならない振り向いたときに伝統になってるように、一つ一つ積み重ねていきたいなと思っています。

弥央さん:新会社の立ち上げは同じ世代のメンバーで、同世代でやろうとしてるんです。次につなげていくためにも技術も経験も全くゼロなんですけど、ゼロからのスタートで全てを覚えて、そこからやっていこうと思っています。
工場ができれば、小倉織が作られる全部の行程と、歴史の部分も伝えていけるキーステーションになるかなと思ってるんですよね。今までは発信する、県外に持っていっていたんですが、今度は逆にきてもらって観光の一環として見てもらえたり、教育の一つになったり、地域と一緒に何か新しいことができるんじゃないかなと思ってます。あまり文化を感じられなかった北九州の街から文化を発信していける町にしていけたら嬉しいですね。

「お肉の霜降(しもふり)は実はこの小倉織の無地の柄の名前である“霜降”からきたと言われているんですよ」と教えてくれた弥央さん。それほどまでに小倉織は全国に浸透していたんだなとびっくりしました。もう二度と途切れないように。お話を伺った時のお二人のキラキラと楽しそうな表情に、小倉織は時代にあわせて柔軟に対応しながらこれからもっと進化していくんだろうなとワクワクした時間でした。

※求人へのお問い合わせは下記公式サイトよりお問い合わせください。

【(有)小倉クリエーション/小倉織物製造(株)】
http://shima-shima.jp/
福岡県北九州市小倉北区大手町3-1-107
TEL:093-561-0700
営業時間:10:00〜18:00
定休日:毎週水曜日

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