魅力的なお店、また行きたくなるお店って何だろう?
それは提供される商品(サービス)の質?もちろんそれもあると思います。でも“誰が手掛け、どんな想いやコンセプトでやっているのか。その人に会いたいから行く、その人が手掛けたお店だから行く”これが一番の動機になるのではないかと思うのです。
本コーナーでは単なるお店の紹介ではなく、“人”にフォーカスしてお店を紹介していきます。
突然ですが、みなさんは“朝”は好きですか? 起きるのが苦手だなぁ。でも休みの日の朝は好きかも。そんなあなたの朝を素敵にしてくれるコーヒースタンドが福岡市・警固にあります。
地下鉄薬院大通駅から歩くこと5分。お邪魔したのはビルの2階にあるスタンドコーヒー 『MODOO’S COFFEE BREWERS(モドゥコーヒーブリュワーズ)』です。今年(2018年)の2月1日にできたこのお店からは“朝”から新しい文化をつくっていこうとオーナーの廣瀬規一さんが日々奮闘されています。どんな想いでお店をスタートさせたのか、お話をうかがってきました。
きっかけはメルボルンで出会った最高の一杯
ーまず、コーヒースタンドを始めようと思ったきっかけを教えてください。
「コーヒーってこんなに美味しいんだ!!」と衝撃を受けたのきっかけですね。当時オーストラリアのメルボルンにいたんですが、その時飲んだコーヒーの味が忘れられなくて。それから自分でも淹れてみたいなって思うようになりました。
そこのコーヒーは日本じゃ出会ったことのない美味しさで本当に最高でした。味の違いがはっきり出ていて、全然味の次元が違うものを飲んで自分の舌に蓄積されたんですよ。味の魅力に引き込まれましたね。日本に帰ってきて、あの味がもう一回飲みたいってなったんですが、こっちにはなくて。無いなら作ろうって思ったのがお店を始めたきっかけですね。
ーお店の場所は街中からちょっと離れてますよね。なぜこの場所にお店をオープンされたんですか?
離れた場所が良かったですね。中心地に出すことも考えたんですけど、あえて離れた場所に構えることで、あのお店に行きたい、あのお店じゃないと味わえない、美味しいからここに行こう、っていう形を作りたかったんです。
ーそれって中心地に出すよりも経営的にはハードルが上がりますよね…?
相当上がりますね。このお店はこういう場所でこういうことをしてっていうのを自分で発信していかないといけない。新しい文化を作っていこうとしているところなんで、この想いを浸透させていくのはなかなか難しいところではあります。
忙しい時間だからこそ、ルーティンを作る
ーそんな廣瀬さんがつくるこのお店のコンセプトを教えてください。
「ライフスタイルに合わせたコーヒー屋さん」。みんなの生活の一部になっているコーヒースタンドですね。
ー朝早くから開いているのもそういった理由からでしょうか?
そうですね、平日の朝は7時からオープンしています。コーヒーってみんな朝飲みたいじゃないですか。日本は缶コーヒーが当たり前のように自動販売機で買えちゃう。自動販売機やコンビニよりかはスタンドでコーヒー買って、忙しい時間だからこそ、そういったルーティンを作ってあげるというか。朝スタンドに来て、じゃあお仕事行こうかなみたいなスタイルを作っていけたらいいなと思っています。メルボルンから日本に戻ってきて感じたのは、朝の違いなんです。メルボルンではゆっくりと自分の時間を楽しんでいる雰囲気がありましたが、日本の平日の朝はなんだか殺伐としていて(笑)。そういった朝のスタイルを変えていくお店にしたいんです。
それに僕は小さい時から「朝ごはんは食べなさい」って言われてきたので、絶対食べたほうがいいと思っています。だから、最近はコーヒーだけではなく、朝食にも力を入れてます。朝食をコーヒースタンドで、食べるスペシャル感を感じていただけたらいいですね。
ーちょっと早起きして、コーヒースタンドで朝の時間を過ごせたら、とてもいい日になりそうです。
あとは、朝のルーティンを作るにあたって、“お客さんと友達になる”というのを大事にしています。今日はこんなことがあったから明日の朝、話に行こうって。
当たり前だけど、ライフスタイルって一人一人違うんですよ。だから、お客さんと仲良くなってその人にあったニーズを考える。このスタンドの営業時間は7〜17時なんですけど、朝からやって、夕方で終わる。みんなと同じような動きをしているんです。朝寄って、仕事に行って、お昼にまた寄って、仕事が終わって夜にもきてくれる。そうなってくれるとやってる意味があるなって。