【F-LIFE SHIFT story vol.07】オンリーワンそしてナンバーワンを目指す。移住者の視点で新たなビジネスを仕掛ける。

「F-LIFE SHIFT story」は福岡に移住してきて暮らしや働き方、考え方などをシフトした人たち(先輩移住者)のストーリーを追った特集です。福岡に来て何が変わったのか、これから福岡で暮らしていきたい・変えていきたいという人たちの参考になればと思います。

スマートフォンゲームの企画・開発・運営を軸に、テーマパークとの連動や、映像や音楽…さまざまなクロスメディアを展開するグッドラックスリー。国内だけではなく、ヨーロッパやアジアなどからの移住者も積極的に採用を行っている同社の代表井上さんは東京からのUターン移住者。今回は同じく移住者で広報担当の久野さんもご一緒に移住から事業展開までのお話を伺いました。

地方だからこその存在感を

—まずお2人の経歴を教えてください。

井上さん:出身は福岡なのですが、大学進学を機に上京しそのまま就職。13年間の東京生活を経て、グッドラックスリーの立ち上げと同時に福岡に戻って来ました。東京の大手企業に就職し、端から見れば順分満帆だったのかもしれませんが、自分がやろうとしている事業がとある事情で中断せざるを得なくなったのをきっかけに、福岡で起業しようと決心しました。

久野さん:ぼくの場合は、生まれも育ちも東京・渋谷。そのうえ勤務先もずっと渋谷という特殊な環境でした。年齢も30歳を過ぎ、仕事もひと段落ついたころ“このまま渋谷しか知らないなんてもったいない”と、思い切って退職。そこからはバックパックひとつ抱えて、移住先を探しに出たのですが、そこで出会ったのが糸島市だったんです。福岡市内から少ししか離れていないのに、自然もあって住んでる人もあたたかい。すぐに不動産屋に駆け込み、家を借りました。

井上さん:久野の場合は特殊かもしれませんが、少しでも移住を考えている人たちにとっては、“福岡が住みやすい”ということは情報として持っていると思うんです。けれど、“福岡で仕事はあるの? ”っていうところが課題だと思っていて。ぼく自身もいつかは福岡に戻って来ようとは考えていたんですけど、福岡で何をやるかがネックになっていたんです。そのクリティカルな部分が明確になったので、戻って来たという感じです。

—それがグッドラックスリーだったんですね。

井上さん:そうですね。ぼくがやりたかったことと、福岡という土地はフィットするだろうと思ったんです。移住者の方は“東京と同じように第一線で働ける職場”を探そうとしてることが多いと思うんですが、東京を同じ軸で見てしまうと見劣りしてしまうのは当然。だったらどうするか、独自の価値を生み出すしかないと考えたんです。

「モバイルアミューズメントパーク」構想

—独自の価値とはどういうものなのでしょう?

井上さん:例えばスマートフォンゲームとリアルアミューズメントパークが連動し、ゲームという制約を超えたリアルな体験を提供する。そういう新しい価値を生み出していることですかね。新しいブロックチェーン事業もそうですが、腰を据えて、じっくりと何かを生み出したい時には、福岡はとても向いていると思います。

—久野さんはどうのようにしてグッドラックスリーを知ったのですか?

久野さん:移住して来たころは、しばらくは働かないつもりでのんびり過ごしていたんです。でもやっぱりそうこうしているうちに、刺激がほしくなって来たんですね。そこでいくつかの転職エージェントに登録し面談をしてもらったのですが、どこに行ってもグッドラックスリーを紹介されたんです。ぼくのスキル・やりたいことがそんなに一致する会社なら…と面接を受けたんです。そしたらその面接がとてもユニークで、ほかの会社とは明らかに違っていました。お互いの齟齬がないようにとにかく徹底的に話す、そんな面接でした。

—どうしてそういう面接の形をとっているんですか?

井上さん:結局面接って仮面舞踏会じゃないですか(笑)。お互い仮面をかぶった状態でいくら話しても、採用した後はお互い仮面を脱ぐ。だから、面接の段階で食事に行ったりして、素の自分で向き合った時にお互いどう思うか、が重要だと思っています。

久野さん:ぼくも面接の段階でご飯に連れて行ってもらいました。自分のアピールポイントだけではなく、欠点を伝えたうえで、“一緒に働こう”といってくれたので、ぼくも“ぜひ”という感じでした。

—実際に入社されて東京との違いを感じましたか?

久野さん:150万ダウンロードを達成した『エアリアルレジェンズ』が去年の5月にローンチされていたので、普通に考えればぼくが入社した9月ごろっていうのは、ゲームの改善に追われて社内がぐっちゃぐちゃな状態なんです。けれど入社してびっくり。もちろん忙しいには変わりないんですが、1人ひとりが自分のペースでしっかりと腰を据えて作業していたんです。土地柄なのか社風なのか、その感じがぼくにはとても合っていて、マイペースにやらせてもらっています。

※エアリアルレジェンズ

—今年はソーシャルプラットフォーム『LuckyMe(ラッキーミー)』のリリースも控えていると伺いました。

久野さん:そうなんです、ぼくは広報という立場上、入社してすぐにこの『LuckyMe』事業にも携わることになったんですけど、グッドラックスリーの立ち上げからの変遷を見てもかなり大きな動きなんです。

—『LuckyMe』とはどういったものなのでしょうか?

久野さん:これまでは、ブログやニュースサイトなどで“文章を書く”という行為に対して、広告や課金でマネタイズするのが普通でした。しかし、それでは質のいい文章を見極められませんし、場合によっては適切な対価が供給されていないこともあります。そこで『LuckyMe』は新しいマネタイズの仕組みとして、良質な文章を書いた人に対して、そしてそれを評価できる人は対価としてトークン(仮想通貨)を受け取れる構造を考えました。そうすることによって、良質なものを投稿するモチベーションにもなるし、良質なものをきちんと見極めて評価をするモチベーションになる。ソーシャルプラットフォーム=『LuckyMe』自体が、そういったいいモチベーションでサイクルがまわっていく、そういう場所を作ろうとしています。

井上さん:ブロックチェーンという新しい波がやって来て、新しいメディアの在り方を生み出せるタイミングがようやく来たな!と思い、このタイミングで開発に着手しました。『LuckyMe』は、春ごろにトークンセール(*トークンを発行して資金を調達すること)を実施し、夏ごろにサービスインを目指しています。ブロックチェーンは今のところ金融や医療、不動産の分野で使われるのが主軸なので、エンターテイメント絡めている企業はまだまだ少ないんです。そこをグッドラックスリーの事業ドメインにしていこうと思っているところです。

—開発の過程において、福岡でよかったと思うことはありましたか?

井上さん:そうですね、やっぱり東京のように色んな情報や競合他社が溢れ過ぎている状況ではないので、わりと淡々と“我が道をいく”事業を進められたかなって思っています。後は東京に住んでいた時には通勤時間が往復で2時間ほどかかっていたんですが、常に満員電車に乗っていたのでその時間がとても無駄でした。福岡ではいい意味で仕事もプライベートも境目がないので、時間を有効活用できているっていうのはありますね。

久野さん:ぼくは人生で初めて“通勤電車”というものに乗っているのですが、東京ほど混むことはないですし、その時間も楽しめています(笑)。

井上さん:あとは、二年前毎週土曜日の午前中にキックボクシングのジムに通い始めました。どんなに仕事が詰まっていたとしても、マンツーマンで予約しているので絶対に行かないといけないんです。でも、実際行ってみるとしっかりリセットできて翌週新しい気持ちで仕事に打ち込める。ぼくが思うに、人間も原始的なところに立ち返ると、動物のように戦っていたと思うんです。つまりそれを今やっていないというのは不自然な状態。キックボクシングっていうのは原始的なところにより近いはずなので、ノンストレスな状態に近づけているのかな、と。だから周りの人にもすすめています(笑)。

久野さん:ぼくはボルダリングをやっているんですが、それも原始的ということになりますかね(笑)。あとは、こっちに来てから釣りを始めました。海がきれいな糸島市に住んでいるので、やるしかないでしょっていう感じで。釣りも心が無になり、やっぱりリセットするのに有効ですよ。ちなみに仮想通貨も趣味ですが…。

井上さん:あ、ぼくも仮想通貨とゲームは趣味ですね。仕事だから、というよりは楽しいからやっています。楽しくて、人の役に立つことって、天命だと思うんです。自分が楽しいと思うことの中から人の役に立つことを見出す、またはその逆でもいいと思うんですけど、仕事するうえで大切にしていることでもありますね。

—福岡だからこその夢はありますか?

久野さん:“あの人、福岡に馴染んでるね”っていわれる人になりたいと思っています。幸いにも福岡には、『Fukuoka Growth Next』などベンチャー企業で働いている人にとってありがたい様々なコミュニティが存在しています。移住して来てから、糸島市内でのんびりと過ごしている時間が長かったので、これからは色々なイベントなどにも顔を出して、個人としても色を出していきたいと思っています。

井上さん:まずは『LuckyMe』を大きくしていくこと。そして、これからも色々なサービスを出していきたいと思っています。結構感じてるのが、当初描いた事業計画をしっかり実行するとかっていう時代じゃなくなっていきてるな、と。変化激しすぎるし、何が正解なのかわからないままPDCAを高速にまわしてるっていう感じなので、計画通りいかないことも多い。そんな状況ですし、自分がその時々で感じたこと、思ったことをより大胆にやっていこうと思っています。

—これから福岡にくる方へのアドバイスはありますか?

井上さん:ぼく自身がもともと仕事とプライベートを分けて考えていないというのもありますが、福岡はいい意味でコンパクトなので、仕事とプライベートが一体化します。そんな中で大切なのが、やっぱり人との信頼関係。『Fukuoka Growth Next』もそうですが、福岡には様々なコミュニティが存在しているので、とにかく「俺たち仲間だよね」と言えるくらい、人と仲良くなるというのが大切だと思います。そこから仕事にもつながっていきますし、いざ一緒に仕事をするっていう時もとてもやりやすくなります。人と人がいい距離感で、仕事もプライベートも付き合える、それが福岡のいいところかな。

【グッドラックスリー】
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