【ぼくらが連れて行きたい店vol.31】自分たちの夢が地域にできる恩返し(RIYAKU. )

魅力的なお店、また行きたくなるお店って何だろう?
それは提供される商品(サービス)の質?もちろんそれもあると思います。でも“誰が手掛け、どんな想いやコンセプトでやっているのか。その人に会いたいから行く、その人が手掛けたお店だから行く”これが一番の動機になるのではないかと思うのです。
本コーナーでは単なるお店の紹介ではなく、“人”にフォーカスしてお店を紹介していきます。

「NPO法人森林セラピーソサエティ」から森林セラピー基地の認定を受けるほどの豊かな自然を擁する、福岡県糟屋郡篠栗町。若杉山・米ノ山に抱かれ、神社仏閣が数多く点在する弘法大師ゆかりのこの地に伝わる「篠栗四国八十八カ所めぐり」は今も巡礼者が絶えることはなく、白装束に身を包んだお遍路さんに町や山道で出会うことも多い。

そんな篠栗町萩尾の静かな山間に古民家カフェ『RIYAKU.』はある。
萩尾分校の正面に位置する『RIYAKU.』は、口コミで噂が広がり、いまでは通いつめる人が絶えないという人気のお店だ。
さらに驚きなのは、このお店を経営するのはまだまだお若い、高橋絵里奈さん、優さん姉弟ということ。今回はこのお二人に篠栗という地でお店をはじめた経緯や想いについて伺ってきました。

−はじめてお邪魔したとき、この環境と建物にものすごく感動して、帰る頃にはすっかりファンになっていました。この建物や雰囲気はこの篠栗ならではですね。

優さん:そうですね。僕たちもこの篠栗が大好きでこのお店をはじめました。僕たちは篠栗でずっと育ってきて、姉も僕も進学や就職などで九州外の様々な場所を転々としましたが、やっぱり育った篠栗の環境や雰囲気が好きで戻ってきました。篠栗は本当に住みやすいんですよ。福岡ICのすぐ近くで、博多までも電車1本で行けて買い物にも便利でありながら、帰ってくると静かで落ち着く自然豊かなところです。

絵里奈さん:樹芸の森への遠足とか、若杉山への山登りとか。神社仏閣も多く、子どものころから座禅や、滝行などの寺子屋修行などが経験できたのも、篠栗ならではだと思います。いろいろと思い入れが深いんです。

−そのなかでなぜカフェをはじめようと思われたのでしょう?

優さん:カフェをはじめようと思ったのは、僕の上にひとり兄がいて、兄のお店にたずさわり飲食業・接客業の魅力を感じたのがきっかけです。そこから夢が広がってコンセプトを考えていくタイミングでちょうど姉も「癒される場所」をつくりたいということだったので、一緒に進めていったという感じです。

絵里奈さん:私は以前、病院で作業療法士として働いていました。医療関係者、患者様、そのご家族の方々と日々接しながら「こころの癒し」って現代において本当に求められているな、と感じていました。その経験や学んだことを活かして、皆さんに元気になってもらえるような場所やサービスを提供したかったんです。

−そうだったのですね。キーワードは癒しですね?

優さん:そうですね。「癒し」はお店のコンセプトです。なのでお店の場所もあえて駅の近くとかではなく、篠栗の雰囲気を感じられる山の近くがいいなと想いこの家を見て構想にぴったりだったので即決しました。

−本当に素敵でしっかりした建物ですよね。

優さん:このあたりは、農家さんが多いのでこういう造りのお家は多いですよ。

絵里奈さん:海外の方や20代-30代の若い方にも受け入れてもらえるように「和」の中に「洋」のエッセンスを入れ、今風の「WA」を表現していければと思っています。

−お客さんはどのような方がいらっしゃいますか?

絵里奈さん:年配の方から若い方まで幅広いですね。最近は特に若い方が増えてきたように感じます。癒されて元気になって、仕事や日々のルーティンに戻る、というお客様も多いです。

※高橋さんのおばあちゃん直伝のだご汁が人気メニュー。

優さん:朝から夕方まで、1日中いらっしゃるお客さんもいるんですよ。でもそういう場所をつくりたいと思っていたので、くつろいでいただいていることがシンプルに嬉しくて。ゆっくりしてもらいたいという思いから、特に時間制限を設けていないんです。
経営の面から見るとどうかな、というのもありますが、それよりも疲れた心や体を癒してくれることのほうが嬉しいんです。

絵里奈さん:2階ではリラクゼーションサロンもあり、アロマトリートメント後ゆっくりおしゃべりをしながらランチを召し上がったり、陶芸の工房で土を触るという体験もセラピーとして有効なので、のんびり自分の作品を作っていかれる方もいらっしゃいます。そうやって、こころの充電をしにここに訪れて頂ける事がとてもありがたいと感じます。


−まだ1年ということですが、着実に一つ一つ夢をかたちにしていっていると思いますが、今後の展望(新たな夢)はどういったものでしょう?

絵里奈さん:近所の方が、“『RIYAKU.』の噂が広まって篠栗に人が来るようになったことがとても嬉しい”。とおっしゃっていただくことがありました。最近は県外からも人がいらっしゃいますし、若い人たちもこの地を訪れてくれるようになり、にぎやかになったので、地域の方が喜んでくださっていて、そういうのを聞くと少しでも地域のために何か恩返しができていたらいいなと感じます。
今後は、きれいな水が湧く地域なので、温泉なんかも作れたらいいなぁとか宿泊施設のようなものが出来たらいいなぁとも考えています。

優さん:もっと海外の方にも、篠栗の魅力を感じていただきたいですね。最近は、アメリカやヨーロッパの方が、お遍路がてら休憩でいらっしゃることも多いので、そういった方々にも楽しんでもらえるよう工夫して、さらにこの地域をもっと盛り上げていきたいです。

絵里奈さん:心からほっと安らげる、リゾートとでもいうんでしょうか。地域一帯を、この場所だからこそできる事で、もっと活性化できたらいいなと。観光でみえた方が、「このへんで他に見所はないかしら?」と尋ねられることも多いし、篠栗ってほんとうに魅力ある土地。可能性をいっぱい秘めていると思うんです。
だからこそ、国内全体で見ても“ここだけはちょっと違うぞ!”という世界にしていきたいですね。

日々の仕事やルーティンから離れ、心をニュートラルに保ちたい。そんなときは、篠栗を、『RIYAKU.』を訪れてみてほしい。鳥の声、土の香り、澄んだ空気と水とシンプルながらもこの環境でしか体感できない、それだけで十分満たさせる場がここにはあります。

【RIYAKU.】
https://www.facebook.com/RIYAKU.88/
福岡県糟屋郡篠栗町萩尾671
TEL:092-410-7555
営業時間:11:30〜17:30(L.O 17:00)
17:00〜20:30(L.O 20:00)
※Dinnerは前日までに要予約
※小学生未満のご入店はお断り
定休日:火曜日

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