【ぼくらの会社見学vol.02】「マンハッタン」はこうして誕生した。そしてCMのこと。(リョーユーパン)

商品やサービス自体は知っているけれども、どこのどういう会社が手がけているものだろう?
ふと、そう思ったことはないだろうか。このコーナーはそんな会社の中身を見学・取材させていただくことで、福岡県内の素敵な会社の本質を紹介していくものです。

九州圏外で道行く人に「マンハッタンといえば?」という質問を投げかけたとしましょう。多くの人が高層ビルやオシャレなカフェなど、とにかくニューヨーク的な何かを思い浮かべるなかで、「菓子パン!」と即答する人がいれば、それはほぼ間違いなく九州出身者です。

サックリ感のある少し硬めのドーナツ生地に、甘いチョコがたっぷりとコーティングされた菓子パン。九州圏のご当地パンとして不動の地位を築いている『マンハッタン』は、福岡県大野城市に本社を構える(株)リョーユーパンによって生み出されました。そこで今回は、同社の企画広報部・菊池さんに突撃取材を敢行。その人気のヒミツや誕生秘話についてお話を伺いました。

−まず貴社のはじまりをお聞かせいただければと思いますが、なぜ大野城市に本社を構えたのでしょう?

「もともと弊社は、佐賀県唐津市よりスタートしました。福岡県に拠点を移したのは、九州一円に販売エリアを広めるための一環ですね。そのなかで大野城市を選んだのは、福岡の中心に近い場所ですし、物流の観点からもメリットが大きかったからです」

他社にないオリジナリティ

−すっかり福岡の会社という認識でしたが、はじまりは唐津だったのですね。主力商品の『マンハッタン』が誕生したきっかけは何だったのでしょうか?

「『ミスタードーナツ』さんや『ダンキンドーナツ』さんの台頭で、日本がドーナツブームだった1970年代に開発者がドーナツの製法を習得しようとニューヨークを訪問して、偶然見つけたのがこの形状だったそうです。当時のドーナツはリング状で生地がソフトで、こういうハードなものではなかったので、商品化に取り組み1974年に発売を開始しました。商品名の由来は、はっきりと記録に残っていないのですが、ニューヨーク州のマンハッタン島からきていると聞いています」

※発売当時と現在の比較。内容・パッケージともにほとんど変化はない。

−やはり売り上げに関しても『マンハッタン』が一番なのでしょうか?

「いえ、今月(取材時2017年9月)放映している“菓子パンTOP10”というテレビCMでは6位なんですよ。ちなみに1位は『牛乳サンド』です。夏はチョコが溶けやすいので、この時期の売り上げは下がってしまいますね。ただし、ランキングは金額ベースのため、出荷個数だとまた変わってくると思います。とはいえ、やはり知名度では『マンハッタン』が一番です」

−これほどまで『マンハッタン』が認知されている要因は何だと思いますか?

「やっぱり他社に類似している商品がなく、しかも他が真似できないインパクトのある製品だからだと思うんですよね。あとは学校の購買部で販売されていて、子どもの頃から親しみ深いことも理由の一つにあると思います。一時期、“学校ではすぐに売り切れてしまうため、『幻のパン』と呼ばれています”とのお便りをいただいたこともありました」

−『マンハッタン』が福岡県をはじめ、九州の人々にこれほど愛されている現状をどう感じていますか?

「ありがたいことですね。リョーユーパンが福岡の企業だと知らない方も多くて、東京で売っていないことにビックリされる方もいらっしゃいます。九州ではかなり浸透していただいているのだなという認識を持っています。それと、冷蔵庫で冷やしたり、牛乳につけたりして、食べ方を工夫される方も多いと聞いています。当社では特に推奨はしていないのですけど(笑)」

−確かに私のまわりにも新しい食べ方をしている人はいますね。

「弊社では新しい商品を一つ出すのに、3回の会議をクリアしなければならないのです。そこで何度も試食し、お互いに意見を出し合い、食べ方も含めて試行錯誤を重ねたものが世に出ているわけですから (笑)。ただ、各自の食べ方で楽しんでもらえるのは良いことだと捉えています」

みんなが気になっていた?テレビCM


−先ほどテレビCMのお話が出ましたが、「世界の名画美少女シリーズ」というテレビCMを放映されていますよね。あれはどういったコンセプトなのですか?

「あれは絵画好きな会長のアイデアです(笑)。テレビCMは現在で5作目ですが、台詞と商品紹介の繋がりが良く理解できないとご意見を数多くいただいています(笑)」

−そんな声が寄せられているんですね(笑)

「実はかなり(笑)。ただ、それを狙っていたと言いますか、一致しないところで興味を引くのが会長の思惑でして。私も反応が多いのはいいことなのかなと思っています(笑)」

理想は“世代を超えて愛される菓子パン”

−ちなみに菊池さん個人としては、リョーユーパンの商品で一番好きなものは何ですか?

「もちろんコレです!(『マンハッタン』を手に取りながら)」

「やっぱりサクサク感がたまりませんよね。私は学生時代、クラブ活動で野球をしていたんですけど、その頃は腹持ちがいいという理由で『マンハッタン』を食べていました。それとこの商品は発売から43年が経ちますが、実は私と同い年なのです。そういった点でも親近感を持っていますね」

−最後に、マンハッタンファンに向けてメッセージをお願いします。

「『マンハッタン』は過去にホワイト、ストロベリーなど、さまざまなフレーバーの商品を発売しました。3年前にも発売40周年を記念して『プレミアムマンハッタン』をリリースしました、今後もアイデア満載の姉妹品を発売する予定ですので、ぜひ楽しみにしてもらいたいと思います。発売から43年という歴史があるので、お父さんお母さんから子どもたちへ、さらにはその子どもたちへと、世代を超えて一緒に食べていただく事が一番の理想ですね」

スタイルは維持しつつ、さらなる躍進へ

今年6月に新しい社長が就任し、九州での販売エリア拡大にさらに力を入れるリョーユーパン。さらには香港、ベトナムなどといったアジア国への海外展開も視野に入れているそうです。今後の同社の動向から目が離せません。

リョーユーパンは毎月新商品を出しており、その豊富な商品ラインナップも魅力の一つです。最近のオススメは『チョコクロワッサン』『ヤキリンゴデラックス』とのこと。なかでも『ヤキリンゴデラックス』は菊池さんイチオシで、リンゴ風味のクリームの味わいとリンゴプレザーブのシャキシャキとした食感が絶品です。

また、大野城の本社に隣接している『Ryoyu Pan Fresh & Half Price Bakery』では、同社の福岡工場で生産しているパンを半額で販売中。どれも売り切れ必至なので、気になる方は是非行ってみてください。

【株式会社リョーユーパン】
http://www.ryoyupan.co.jp/
福岡県大野城市旭ヶ丘1-7-1

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