みなさんにとって「自分らしい暮らし」は、どんな暮らしでしょうか?今回ご紹介するのは、日本各地を転々とするうち、自然とともに歩む生活を送るならここ「佐賀県」と決めた本間さんご夫婦(昭久さん、綾さん)です。
自然の恵みと自分でつくる暮らし
昭久さん:「私たちにとって“自分らしい暮らし”とは、自然の恵みをうけとりながら自分でつくる暮らしです。たとえば、手間がかかっても自家製の食べものをつくったり、まきを割ってまきストーブで暖まったり。
そのために私たちが選んだのは、中山間地での暮らしです。山は恵みがあって、つくらなくても手に入るものも多い。たけのこや山菜もとれるし、水も美味しい。四季の豊かな変化も感じられます。昔の日本人があえて山に暮らしたのも、山での暮らしがよかったからだと思うんです」
−山の中で、どのようなお仕事をしているのですか?
昭久さん:「養鶏です。畜産の仕事をずっとしてきて、食品残渣(ざんさ)を飼料にするエコフィードという技術が専門なんですよ。それで日本各地の畜産農場を転々としてきました。妻と出会ったのは、三重県でしたね。佐賀に来たのも、最初は仕事だったんです。
農業の道に進んだのは、学生時代のファームステイ経験がきっかけです。それで最初は農業法人に就職しました。その農業法人では、宿泊施設がついた牧場で学生に酪農体験をしてもらったり、山小屋で林業をしたりしていて、自然のなかで、自分たちで暮らしをつくっていました。それがすごく楽しかったんですね。
それが原点で、自分たちで暮らしをつくりながら交流する場所をつくりたいと思うようになりました。それで、佐賀にきて思い切って畜産の会社を辞めて、自分で養鶏をはじめたんです。これまでは生産や販売の基盤づくりを進めてきたのですが、これからは農業体験で山暮らしの魅力を伝えていきたいと思っています。さっそくこの春から受け入れをスタートして、国内だけでなく、外国人旅行者も呼び込んでいきます」
人とモノの往来も便利な立地環境
昭久さん:「佐賀に来たのは、飼料プラントの立ち上げの仕事があったからです。そして、住んでみるうちに佐賀がどんどん好きになって、自分が目指す“交流する農場”をつくる場所としても適していたので、佐賀を選びました。
販売面ではお店に直接売る“個配”をしたかったので、まずは養鶏からスタートしています。
私たちが今住んでいるのは、佐賀県の神埼市脊振町。福岡市と佐賀市に隣接している中山間地です。ここからだと福岡にも近く、個配で新鮮な卵を販売できます。福岡という大きなマーケットを、やはり当初から意識していました。もちろん、卵の個配のこともあります。ただ、それだけではなく、福岡のまちの人や、福岡にやって来た外国人旅行者に、気軽に農業体験に来てもらい「神埼市脊振町」の暮らしを知ってもらいたいと思っています。さらに佐賀市・久留米市・鳥栖市といった都市も近く、販売や人の交流に便利な立地。“まちに囲まれた田舎”なんですよ。
佐賀のちょうどいい規模感も気に入っています。あちこち転々としてきましたが、佐賀は住みやすいですね。人口も多すぎず、渋滞もなくて、大体のものは揃っています」
−ちなみに福岡でも本間さんの卵を買えるのですか?
昭久さん:「はい。産直コーナーで取り扱っていただいているスーパーさんがあります。自然食品を会員制で販売する福岡の団体さんでも扱ってもらっています」
本間農園の詳細については、こちらをチェック→http://inetoniwatori.com
“地域の子”としてみんなで子育て
3人の子どもを佐賀で育てている本間さんご夫婦。綾さんから子育て環境について伺いました。
綾さん:「子どもは男の子3人です。中学校1年生、小学校4年生、幼稚園年長。移住当時は長男1人だけでしたが、子どもを連れて移住してきたというだけで“よく来てくれたね!”って大歓迎してもらえました。
それから子どもが増えると、もう”地域の子”みたいな感じです。たとえば私が風邪をひいた時に、地域の人が面倒をみてくれたり。私と下の子は一緒に寝ていたいけど、上のお兄ちゃんは遊びたいという時に、たまたま回覧板を持ってうちに来た近所の方が“たいへんそうねえ”って、上の子と半日遊んでくれたこともありました。私たちも、いいとこどりだけじゃなくて、地域の草刈りなどの地域行事には積極的に参加しています。
子どもたちのお菓子も手作りしているのですが、それも他の農家さんと物々交換したり、いただいたもので作ったり。そうした地域のつながりの中で子育てできるのがいいですね。このスイートポテトも、うちの卵と交換したお芋でつくったんですよ。コンビニやファミレスは近くにはないのですが、それも逆にいいところ。そうしたものに依存しない、手作りの生活が気に入っています。
※綾さん手作りのスイートポテト
−福岡からの移住ママは他にも身近にいるのですか?
綾さん:「福岡から移住した方いますよ。それに、福岡から遊びに来る人も多いです。たとえばうちは地域の4世帯で一緒にお米をつくっているんですけど、田植えや収穫の時などには、それぞれがお友達を呼んでいます。すると子どもも含めて総勢50名くらいになるんです。その半分以上が福岡からの人ですね。女性だと、子育て環境のために移住とか、癒しを求めて遊びにくる人が多いですよ。福岡まで車で1時間くらいなので、ここから通勤もできます」
博多駅近くに「さが暮らし」の相談窓口
「自分らしい暮らし」を佐賀に見つけた本間さんご夫婦。豊かな自然環境や、地域ともつながる子育て環境があり、福岡にも好アクセスという魅力的な場所が神埼市脊振町にはあります。
福岡都市部の恩恵を受けつつ、豊かな自然に囲まれた住環境や理想の子育てを実現できる「さが暮らし」。そんな佐賀県への移住に興味をお持ちの方を対象に、佐賀県では移住相談窓口「さが移住サポートデスク」を博多バスターミナル9階に開設しています。
窓口には専門の移住コーディネーターがいらっしゃって、気軽に相談できるそうです。コーディネーターの江頭さん、松永さんにもお話を伺いました。
※松永さん(左)、江頭さん(右)
江頭さん:「私は暮らしや子育て、住まいに関する相談を担当しています。相談を承る際は、相談される方のニーズをきちんと把握することが大事だと思っています。その上で佐賀の情報をご案内しています。
私自身も結婚を機に佐賀に移住して、移住コーディネーターをしています。子育てに関心があり、当事者目線で県内の子育てに関する様々なことを調べているので、リアルで身近なママ目線できっとお話できると思います。保育園・幼稚園や、学校の特色なんかもお伝えできますよ。たとえば移住という観点から転校生がく馴染みやすい環境の学校はどこか、という質問は多いですね。
具体的な相談がなくてもまずは気軽にお話に来ていただけるとうれしいです。佐賀県内のいろいろな補助制度などの情報もまとめてお伝えできるので、気になるけど自分で調べる時間がないという方も、お立ち寄りいただければと思います」
松永さん:「私は仕事に関する相談対応を担当しています。具体的に言うと、県外在住の相談者と佐賀県内企業のマッチング業務をしています。相談者からのニーズはもちろん、県内企業からのニーズもきちんと把握し、きめ細やかな相談対応を心掛けています。
また、私には小学生の子どもがいて、日々子育てに奮闘中です。仕事だけでなく暮らしのお話や、地元佐賀のお話もいろいろさせていただいています。佐賀は公園がたくさん点在しているので、子どもを遊ばせるのに困りません。具体的に佐賀での仕事や暮らしをイメージできるようなお話をしていますので、ぜひ窓口にいらしてください」
この取材日は佐賀市役所の移住担当の方も窓口を開設されておりました。みなさんとても明るく対応してくださるので、これからの「自分らしい暮らし」を描いていく上で一度会いに行ってみてはいかがでしょうか。ただの世間話程度でもいいキッカケが生まれるかもしれません。
\\さが移住サポートデスク福岡//
窓口名称:「さが移住サポートデスク福岡」
開設日時:毎週水曜日17時30分~20時30分
場所:博多バスターミナル9階貸ホール
(福岡県福岡市博多区博多駅中央街2-1)