集英社に新卒入社後、ファッション誌の広告営業と書籍のプロモーション業務を経て2011年に独立。組織に属さないフリーランスとして、ソーシャルメディアでの発信を駆使した、肩書や専門領域にとらわれない独自のワーク&ライフスタイルを実践。雑誌「DRESS」の「女のための女の内閣」働き方担当相、月間4000万PVを記録する人気ウェブメディア「TABI LABO」エッジランナー(連載)、越後妻有アートトリエンナーレオフィシャルサポーターなどを務めるほか、商品企画、大学講師、コメンテーター、広告&イベント出演など幅広く活動中。これまで世界54ヶ国を旅した経験を生かし、海外取材、海外ツアープロデュース、内閣府「世界青年の船」ファシリテーター、ピースボート水先案内人なども行う。
肩書きや専門領域にとらわれずに様々な仕事を手がけている安藤さん。パソコン片手に働く場所もあえて限定しない「ノマドワーカー」として数年前から注目を集め、メディアでも度々取り上げられてきました。自由な働き方を実践してきた安藤さんに、「好きな場所で働くこと」や「これからの働き方」について語ってもらいました。
—以前は出版社で営業をされていたとのことですが、現在は主にどのようなお仕事をされているのですか?
本の執筆やイベントでの登壇、環境庁や内閣府との仕事に加えて、最近は会員制のオンラインサロン(https://lounge.dmm.com/detail/39/)も開いています。自分のアイデアをお金に変えていく、一言でいえば『知的生産の仕事』です。好きな場所で好きな人と仕事できるのであれば、基本的にはどんな仕事でも受けています。
—好きな場所で自由に働くようになって、大きく変わったことを教えてください。
私が思うに、1つの場所で働くことのデメリットは主に2つあって。1つは、働く場所が固定されているので毎日同じ景色を見ながら仕事すること。見る景色が毎日同じだと、アイデアや考え方も固定されてしまいます。一方で、働く場所が変わればひらめくアイデアもあります。私は現在日本と海外を行き来しながら、カフェでもホテルでも場所を選ばず働いていて毎日見る景色が異なります。景色が変わることはもちろん気分転換にもなりますが、優れたアイデアが生まれるきっかけになると実感しています。
もう1つは、自分のデスクに戻らないと仕事にならない働き方は効率が悪いということ。会社だとどうしても、『机に資料置いてきたから戻らないといけない』という状況も多いかと思います。でも例えば『福岡移住計画』さんが展開されているようなサービス(+Wander)だと移動が前提の働き方になるので、そのような状況がないですよね。全ての資料がクラウド化されてパソコンやスマートフォンに詰まっていて、いつでもどこでも仕事ができる環境が整っています。無駄がなく、とてもクリエイティブです。
—「ノマドワーカー」の代名詞とも言われる安藤さんですが、働き方に関して最近の風潮をどのように感じていますか?
2010年代になって『もっと自由に働きたい!』というノマドワークの動きが大きくなって。私はたまたまその流れに乗っただけですが、2016年になってマイクロソフトがテレワークを、ロート製薬が副業を認めましたよね。20代や30代の若い世代が小さなコミュニティの中で新しい働き方を提唱するのも確かに大事なことです。でもやっぱり日本はまだまだ資本主義で、『大企業がどう判断するか』ということの方がニュース性も高いじゃないですか。やっぱり大企業が動いたときに日本は変わるんだと思います。だから柔軟な働き方に理解を示す大企業が増えて『大企業よ、頑張れ!』と私は手を叩いて喜んでいるところです。今後もっと自由な働き方が会社の中でも可能になれば、今まで大企業の風土にそぐわなかった私たちのような人間も会社を辞めずに済みますよね。
まだまだ自由な働き方を認めている企業は少ない中で、勤めている会社は嫌だけど仕事内容は好きという人や、仕事自体は面白くないけど会社は居心地いいという人もいるかと思います。そんな会社員の人にこそ是非このサービス(+Wander)を利用してほしいです。シェアオフィスに集まってくる人たちとのつながりもできますし、働く場所が変わることで刺激にもなります。どうしたら今の仕事がもっと面白くなるのか、その1つの手段としてシェアオフィスを利用してみてはどうでしょうか。
2016年7月には「ビジネスパーソンのためのセブ英語留学」「やる気はあっても長続きしない人の『行動力』の育て方」と2冊の本を出されました。
・「ビジネスパーソンのためのセブ英語留学」
安藤さん自身のセブ留学の経験に基づいて、セブで英語を学ぶことのメリットや注意点を網羅。カリキュラムに加えて、留学経験者の意見や週末のアクティビティまで掲載しています。
・「やる気はあっても長続きしない人の『行動力』の育て方」
嫌な自分から抜け出す勇気は「習慣」から生まれます。本書では、安藤さん自身が実践している日々の「習慣」を紹介。
多忙な中インタビューに対応してくださり、笑顔で1つ1つの質問に丁寧に答えてくれた安藤さん。現在はオンラインサロン(https://lounge.dmm.com/detail/39/)も運営しており、ますます今後の動向にも目が離せません。