魅力的なお店、また行きたくなるお店って何だろう?
それは提供される商品(サービス)の質?もちろんそれもあると思います。でも“誰が手掛け、どんな想いやコンセプトでやっているのか。その人に会いたいから行く、その人が手掛けたお店だから行く”これが一番の動機になるのではないかと思うのです。
本コーナーでは単なるお店の紹介ではなく、“人”にフォーカスしてお店を紹介していきます。
自分らしい酒場へ
人気の飲食店が多く集まるエリア、警固。この警固1丁目の裏通りにある隠れ家的な酒場『みんなの黄ちゃん』は、見つけにくい場所にありながらも、連日お客さんでにぎわっています。その人気の秘密を探るべく、店主の“黄ちゃん”こと黄小晃さんにお話を伺いました。
−2016年12月のオープン直後から多くのメディアでも取り上げられ、注目度の高さが伺えますが、お店を始めたきっかけやコンセプトは何でしょうか?
黄ちゃん:「お店を始める前は、『とどろき酒店』に勤めていたのですが、そこの社長である轟さんに背中を押されたのがきっかけですね。元々飲み歩きが大好きで、いつも誰よりも真剣に飲んでいたので、『とどろき酒店』を辞めて半年ほど充電期間を経てから、いいきっかけかなと思ってお店を始めました。
コンセプトと言うか、みんなが気軽に来れる場所を作ろうと思いました。強いて言うなら“酒場”という感じでしょうか。みんなでワイワイお酒が飲める場所。自分の好きなワインと日本酒を気軽に楽しめるお店にしたいなと思っています。基本はカウンターでの立ち飲みですが、多人数の方や座りたい方用にボックス席もご用意しています」
−気軽にふらっと立ち寄れるお店が増えて嬉しいです!ちなみにいまの気分はどんなお酒が飲みたいですか?
黄ちゃん:「いま飲みたいのはこれですかね。フランス産の白ワイン『Lune(リュンヌ)』です。リュンヌはフランス語で“月”の意味。蜂蜜のような上品な甘さと果実味を併せ持つ、みんなが美味しいと思えるワインだと思います」
−店主の方に丁寧に紹介されるとついつい飲みたくなってしまいますよね。お店の場所は少しわかりにくい場所にありますが、ここを選ばれた理由はなんでしょうか?
黄ちゃん:「最初から大きなコストはかけられないので、立地と安さが決め手でしたね。実はこのお店は大正通りから見える場所にあるんです。多少わかりにくい場所でも、私なんかでもお店をやれるかなと思ってここに決めました。まずは知り合いが来てくれるだけでもいいかなと、お店をはじめた時はそう思っていましたね。4年前に関東から移住してきたこともあり、あちこちに知り合いがいるのでそういう人たちからの紹介やコミュニティの広がりでようやく今がある感じです」
−確かに、お店の場所を示す看板は『PLACER WORKSHOP』の内田洋一朗さん、
お店のロゴと文字は画家の牧野伊三夫さん、
メニューには警固の『Yorgo』さんや西新の『コキンヌ』さん、
といった人気店とのコラボメニューなど、たくさんの人が関わっているお店だなあと感じました。友だちネットワークを全国区で広げる秘訣は何かあるのでしょうか?
黄ちゃん:「秘訣…。誘われたら断らないことですかね。お酒が大好きなのと、その場の雰囲気やそこで生まれるコミュニティが好きなので、足と胃袋と肝臓でつくり上げたネットワークだと思ってます(笑)」
−“足と胃袋と肝臓でつくり上げたネットワーク”(笑)。素晴らしいですね!お店をはじめて4ヶ月ほどが経ちましたが、嬉しかったことや辛かったことはありますか?
黄ちゃん:「自分がオーナーなので、何にも縛られることなくとにかく“自由”なことが嬉しいですね(笑)。逆に辛かったことは、来てくれるお客さんに対してこのままでいいのかな、満足してもらえているのかな、と真面目に考えています。ただ、同時に居合わせたお客さん同士が仲良くなったり、お店を気に入ってくれたお客さんがお友だちを連れてまた来てくれたりと、イメージしていた“酒場”に近づいてきているので、このままの感じでゆったり営業していきたいですね」
当初『黄ちゃん』という店名になる予定だったこちらのお店。牧野さんにお店の文字を書いてもらう際、“みんなの黄ちゃん”にした方がいいよとアドバイスされ、今の店名になったそうです。
豊富な知識から的確にアテンドしてくれるお酒や美味しいアテはもちろん、常に飾らず自然体な黄ちゃんを慕ってお店のファンは増えるばかり。ぜひ一度ふらっと足を運んでみてはいかがでしょうか。
【みんなの黄ちゃん】
https://www.facebook.com/Ko-chang-1776143742646509/
福岡市中央区警固1丁目3-6 警固フラット101
営業時間:17:30~24:00
定休日:日曜日・不定休