全国でも稀有な存在、無添加かまぼこ
久留米から国道209号線を走る事40分。瀬高駅からほど近いところに吉開かまぼこのお店がある。インタビューさせていただいたのは、吉開かまぼこ3代目・吉開喜代次さん。
―パンフレットにも書かれていたのですが、創業120年にもなるのですね。先日、“長寿企業は経済環境・社会環境などに敏感だ”という話を何かの本で読んだので、そのあたりのことも織り交ぜながらお話を伺いたいと思います。
吉開かまぼこさんにとっての最大の特徴は「リン酸塩」や保存料などの添加物・化学調味料を一切使われていない事ですが、いつ頃から取り組まれているのでしょう?練り物と言えば、添加物が何かしらの形で入っているのが一般的だと思うのですが。
「そうですね・・・。今の無添加かまぼこを作り始めたのは私の代です。昭和63年からです。私で3代目になるんですけど、じいさんが初代。初めは魚屋ですよ。その頃から防腐剤は入れていないです。2代目が親父で、魚屋は辞めて、練り物に専念しましてね。昭和の高度成長の頃までは、作ったら売れてた時代です。このあたりにもかまぼこを作っているところがいくつもあったんですよ。瀬高町でも5軒あったからね。柳川の方も10軒以上あって、それがだんだんと需要が減ってきましてね。ほら、お祝いごとや結婚式で今は引出物とか地元のものを使わないでしょう。何とかしないと・・・とは思っていたんです。当時から、うちは食事を作る時にあまり化学調味料とかを使わなかったんですよ。それと、丁度お客さんからの要望があったので、かまぼこに添加物を入れないで作れないかと考えましてね。それで、どうせこだわるんだったら食の安全に徹底的にこだわったものを作ろうと思いまして。かまぼこ板もこだわり日田杉を選び使っています。差別化して大きなところができないことをきちんとやろうと。全国の健康志向のお客様から、美味しいと思ってもらえるものを作ろうと。それで、アレルギーで卵が食べられない子どもさんの話とかもあってね、途中からは卵白も使わずに作るようになったんですよ」
―なるほど。他メーカーのかまぼこの食品表示を見ると、原材料にカタカナのものが結構記載されています。どういう役割で入れているものなんでしょう?つなぎとかそういった役割ですか?
「そうですね。そういうのを使わないでかまぼこを作るのは技術がいるんですよ。練り上げるのが難しくて、手元をしっかり見ながらやるから、やっぱり入ったばかりの人とかはね、どうしても上手く出来ないんですよ。経験とコツがいります。でも、そういうきちんとしたものを作らないと、大手と同じ事をしとっても駄目ですからね。うちは、ちゃんと魚の味がする、美味しいと言ってもらえるかまぼこを作らないとですね」
この信念を守っていってほしいから
―今回は製造部門の職人さんを目指したい方を・・・との事でした。募集された経緯とはどういったことからでしょうか?
「私はもう70歳になりました。現役でいられるのもあと数年だと思いますけど、うちには後継者がおらんのです。パートさんまで入れると11名の会社を何とか続けていってもらいたいと思っているんですよ。今いる人だけではなかなか厳しいです。それで、先々、今の社員と一緒に会社を続けていってくれる、そんな人が入ってくれんかなと思っています。原価率も高い、利益率もなかなか上げられない。けれどもうちは体にやさしい製品を作ってます。うちのかまぼこじゃないと食べられんと待ってくれてるお客さんがね、全国にいるんですね。M&Aの話とかも来ましたけど断ったんですよ。120年の歴史とうちの屋号だけ欲しいようなところには、この商品は作れんですよ。まぁそういう気持ちを継いでくれるような人に来てほしいんです」
―それでは、経験の有無というよりも、吉開さんの商品作り、“お客様へ良いものを届けたい”という信念に共感される人である事が大前提かもしれませんね。
「そうです。仕事は覚えるのに時間も掛かります。経験とかはいらんです。うちは一から教えますから。最初は洗い場、ラインの商品を整えたり運んだりから始めます。だいたい2~3年で1人前ですよ。お歳暮の前やらは朝も本当に早いしね、今の若い人にとってはきついかもしれんですけどね。それでも、やっぱりお客さんに美味しいと言ってもらえたら嬉しいから頑張れるんですよ。そんな想いのある人に来てほしいですね」
―社長が現役を引退された後も商品作りを支えていける方、という事ですね。そうすると製造の軸になる事は勿論として、先々、どんな事を希望してらっしゃいますか?
「食べ方の提案ですね。今は、本当に色々な食べものがあるでしょう。昔はかまぼこといえばご馳走だったですけどね、今は違う。でも何より、本当に美味しいかまぼこに出合ってない人が多いんじゃないかと思うですよ。美味しくなければずっとは食べんでしょう。だから、仕事を覚えて一人前になったら、今の若い人に提案できる新しい商品や新しい食べ方を考えて欲しいですね。お客さんを育てるような気概をもってね」
みやま暮らしと仕事のやりがい
―このみやまという町は、住むとか働く事を考えた時、どのような町だと思われますか?そして、そんなみやまで暮らしている吉開さんの最近嬉しかったことって何ですか?
「住みやすいところですよ。保育園も多いし、高校だって色々なところへ行けますよ。この辺りの中心の久留米へだって電車ですぐだしね。車でだってすぐですよ。兼業で農業をしているところも多いし、自然も沢山あるし。確かに大きな会社はそう多くないかもしれないけど、暮らしていくのに困ることはないですよ。住んだらいいところです。
嬉しかったことは、うちに高校卒業して入った地元の子がいるんですが、竹輪焼きとか、その日によって具合が違うんですけどね、少しずつ成果が上がっていくことを嬉しいと思ってくれています。そういう姿を見た時は嬉しいね。それと、現場のパートさんが新しい商品を考えて、それが商品化したりするわけですよ。それもまた嬉しいですね。この人もね、少しずつお客さんの応対を任せられるようになってきています。とにかく誇りをもってね、うちがこだわっている商品をきちんと作っていけたらいいです」
“これからも、食卓で体に優しいものを美味しく食べてほしい”と考えている吉開さん。その信念に共感できる、そんな方とのと出会いがありますように。
株式会社吉開かまぼこ | |
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募集期間 | ~7月24日(金) |
採用人数 | 1名 |
募集職種 | 製造 |
雇用形態 | アルバイト ※3ヶ月の試用期間後、正社員登用 |
勤務地 | 福岡県みやま市瀬高町下庄987 |
勤務時間 | 7:30~17:00 (休憩1h)※早出・残業有 |
給与 | 月給13~15万円 |
福利厚生 | 各種保険制度あり |
休日休暇 | 週休2日制(木曜・日曜) |
仕事内容 | 無添加練り物(かまぼこ・ちくわ)の製造 |
応募資格 | なし |
選考プロセス | STEP-1.本サイトへお申込みSTEP-2.面接 |
備考 | 無添加の味を全国に広げていきたい人歓迎です。 |
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