“狩猟女子”として全国的にも知られる畠山千春さん。彼女は『いとしまシェアハウス』というシェアハウスも運営しており、お金・食べ物・エネルギーの自給をテーマに糸島でコミュニティを形成しております。
そんな『いとしまシェアハウス』で、ただ入居するだけでない、今後を見据えた上での住人を募集するということでお話をお伺いしました。
5年目にして新たなステージに入ったという今、これからのいとしまシェアハウスが目指すものとは?
−まずは千春さんご自身のことについてお聞かせください。
出身は埼玉県で、3.11を機に福岡へ移住しました。シェアハウスを運営しながらいくつかの仕事を掛け持ちしながら暮らしています。
3.11を経験して、暮らしの中にあるものを消費するだけでなく、少しでも自分で生み出せる技術を身に付けたい、信頼し合えるコミュニティを作りたいと思って2013年に『いとしまシェアハウス』を始めました。
『いとしまシェアハウス』は、お金・食べ物・エネルギーを自給するということをベースにしています。私がやっている猟は食を自給することの一つとして取り組んでいるので、いわゆる家庭菜園的狩猟、という感じですね。田畑を守り自然と関わって生きていきたいので、自然の中からどれだけ食べ物を採ってこられるかは大切なことです。それから、暮らしていくためには食べ物だけでなくお金も必要です。そのため、『暮らしの中から仕事をつくる』という意味合いで、自分たちの暮らしをイベントやワークショップなどにし、外から来た人が体験できるようオープンにしています。今は田植えや稲刈り、鶏をしめるワークショップなどが人気ですね。
−基本的に自給自足の暮らしかと思いますが、シェアハウスの皆さんとはどのような役割分担なのでしょうか?
入居者は30代が多く、今は7人が入居しています。基本的に食べ物は自分が食べたいものをリーダーになって作るスタイルで、私は大豆リーダーです。今度、味噌作りのワークショップもするんですよ。麦を育ててパンを作っている子もいますね。米は100%自給していますが、野菜は買ったりしますよ。
−今回募集に至った経緯として、新しい動きがあると伺いました。
そうですね。部屋が空いたというのもあるのですが、今までとは少しだけ違って、この場所を長く続けていくために、本格的にシェアハウス作りをやれるメンバーが欲しいなと思うようになりました。それから、家の中で仕事を作ることも積極的にやっていきたいと思っています。例えば、イベントを企画した人にお給料を支払う仕組みにしていくことなど、食だけでなくお金も生み出していけるよう、いろんな面での『自立』を進めていく実験をしてみたいんです。そういうことを一緒にやってくれるコミュニティマネージャー的な役割ができる方を探しています。それ以外でも、積極的にシェアハウスの活動に取り組んでくださるシェアメイトも募集しています。
−どんな方がこの『いとしまシェアハウス』の暮らしにフィットすると思われますか?
何かやりたくて自分から実験するような、ガツガツした方が良いかな(笑)。物理的には車の免許は持っていた方がいいです。皆一人一台、車を持っています。もし車が必要な人でしたら、地域のネットワークで中古車を安く紹介することはできますよ。あとは、例えば、上下水道がないために洗剤やシャンプーが使えないとか、地域の出事などご近所づきあいも多い場所なので、そういうことが楽しめる方が良いですね。合う合わないはあると思いますので、一度イベントなどに参加していただいて家に来ていただくのがいいかなと思っています。
−いとしまシェアハウスが抱えている課題とは?
結婚、出産、ライフステージが変わると人の暮らしは変わります。そういう意味で、シェアハウスという場所は一生住む場所ではないのかもしれません。人が入れ替わりながらも、これからもこの場所が続いていくような、持続可能なコミュニティをどう作っていけるかが課題ですね。その点では、今までのメンバーが乗り越え積み上げてきた想いやスキルを次世代のメンバーにいかに受け継いでいくかが大切だと思っています。モチベーションが高く、一緒にこれからのシェアハウスを作り上げていけるような、ガッツリと関わってくれる方に入ってきて欲しいです。私たちの暮らしも、次のステージに来たのかなと思っています。
−いとしまシェアハウスが目指すビジョンは?
お金・食べ物・エネルギーを自給するということをベースにしたコミュニティを作ることですね。子どもができても一緒に暮らしていけるような場所を作っていきたいです。地域のことを知ってもらうのにまずは数年必要だと思っているので、これからのことを考えると20代の若い方が良いかもしれませんね。それから、田舎暮らしは体力勝負なところもあるので、男性がいると心強いです。
−ここではどのような暮らしが待っていますか?
すごく楽しいと思います。田畑はあるし農機具もあるし。DIYが好きな人や、コミュニティ作りを経験してみたい人とか。実験できる素材がいっぱいあるのでそれを一緒に楽しめる方がいいですね。あとは、ご飯がすごく美味しいです。農薬不使用のお米を100%自給自足していますので、食費が一月一人1,500円〜3,000円、光熱費など全部合わせても7,000円〜8000円程です。そこに家賃が入ってきますが、生活の固定コストが低いので、フルタイムで働かなくても暮らしていける土台はあります。その空いた時間を使って、一緒にシェアハウスを作っていけたらと思います。
自然豊かな糸島という地域の中で、いとしまシェアハウスを大切に守り育ててきた畠山さん。持続可能なコミュニティづくりをあなたも一緒に担ってみませんか?
(トップ写真:福田和貴)
※2月11日(日)にはオンライン説明会と現地での説明会が予定されています。
※トライアルステイ(有料)していただくことも可能です。
●オンライン説明会
・2/11(日) 10:00-11:30
※いとしまシェアハウスのtwitterアカウント
@itoshimashare (http://twitter.com/itoshimashare)
より配信いたします。
(暮らしの様子、集落の風景など映像でお伝えします。質疑応答の時間もあり)
●説明会@いとしまシェアハウス
・2/11(日) 14:00-16:00
(JR筑肥線大入駅、13:45着の電車で来ていただき、駅反対側のマンション空き地に集合。)