「ママとこどもの良い暮らし」は、“「子連れでお出かけ」をもっと楽しく!”するために活動する『ママリボン』と福岡移住計画の共同企画です。子連れママ&パパたちも福岡の街に自然に溶け込んで、みんなで多様性をもっと楽しんでいくためには?子連れでも過ごしやすいお店などを紹介しながら、暮らしやすい街の姿を連載で探っていきます。
今回は、ベビーシッター・家事代行などのサービスを提供する『イコニコ・カンパニー』をご紹介します。2006年に誕生して以来、その評判は口コミで広がり続け、現在は福岡・熊本・名古屋でサービスを展開中。昨年からは福岡市の“産後ヘルパー派遣事業”も請け負っている『イコニコ・カンパニー』。そこで働いて5年、チーフマネージャーの小椎尾朋英(こじお・ともひで)さんにお話を伺いました。プライベートでは2歳の女の子のパパ。優しい笑顔の奥には、困っている人の力になりたいという熱い思いと覚悟がありました。
※デスクに飾られた2歳の娘さんの写真が仕事の原動力
利用者とスタッフの架け橋として
−私もこれまで『イコニコ・カンパニー』から何度かベビーシッターさんに来てもらいました。利用してみると、ベビーシッターさんって話し相手の要素もあるんだなって気づいて、感激したのを覚えています。
「そういう感じで利用してくださる方、多いんですよ。育児のアドバイスまではいかなくても、スタッフが“うちはこんな感じでしたよ~”って実体験を話したり。スタッフを採用する時には、子育て経験を重視しているので。その点もすごく喜ばれています」
−これまでお願いした中には、“年子で4人産んで、一人保育園状態でしたよ”って話してくれたシッターさんもいて!毎回お話聞くのが楽しみでした。
「スタッフによって性格も全然違うので、お客さまからのご要望にあった者をこちらで選考して派遣しています。それはお客さまでも同じで、どういう方なのかを知るためにも、必ず初めにお客さまと1対1でお会いしてじっくりお話をさせてもらっています。それから僕たち営業担当がスタッフとお客さまにお互いこんな感じですよ~と伝えて、“架け橋”となっている感じですかね」
※イベントなどにベビーシッターさんが出向くこともあるとか。ママやパパは安心してイベントに参加できると好評。
−会社全体としては、ベビーシッターの依頼が多いですか?
「そうですね。ベビーシッターとハウスキーパー(家事代行)が半々くらいで多くご依頼頂いています。他にも、シルバーシッターや産前産後のお母さまのお手伝いなどもさせてもらっています。年齢層も20代の方からご年配の方まで幅広いですよ」
困っている“今”に寄り添いたい
−初めて利用した時はとても不安だったんですけど、最初に小椎尾さんが来られてその笑顔にホッとしたのを覚えています。
「よく言われます(笑)。最初にお顔合わせをするのが私たち営業担当なので、私とお話してもらったお客さまには、少しでも安心してもらいたいっていう気持ちはいつもあります。伺うお客さまはやっぱり“困っている”っていうのが一番大きいと思うので。家事にしても育児にしても、人に頼むっていうのはよっぽどだと思うんです。頼まざるを得ない状況になっている…。だから、そこはしっかりお話を聞こうって思っています。マニュアル通りじゃなくて、1件1件のお客さまにしっかり向き合おうって。“今、困っていること”についてしっかり聞きながら、それに対して何ができるのかを考えながらプランを立てていきます」
−そもそもどうして今のお仕事に就かれたんですか?
「前職は小売業だったんですけど、どうしても“売ってしまったら終了”になってしまうのが物足りなく感じてしまって…。アフターケアをしっかりしながら、お客さまに色々提案して直接つながって、一緒に作り上げていくような仕事ができたらなぁと思っていたんです。それで今の仕事にたどり着きました」
“何かあったらイコニコがある”と思ってもらいたい
−『ベビーシッター』と一口に言っても色々なお願いがあると思うんですけど、例えばどんな依頼がありますか?
「産後から少しだけお母さんが休む時間が欲しいから、毎日2時間だけ来てくださいっていうのもありますし、結婚式に出ている間、ホテルで見守りをして欲しいとか。幼稚園のバーベキューに同行して欲しい…や、アンパンマンミュージアムに連れて行って欲しいっていうのもありました」
−この依頼には驚いた!というものはありますか?
「う~ん…。依頼に関しては随分免疫がついたので、もう全然驚きません。それよりも、どうしたらご依頼に応えられるかなって、そればかり考えている感じですかね」
−そういう感じでいくと、「保育園のお迎えに急きょ行って欲しい!」っていう依頼にも応えてもらえるんですか?
「もちろんです!これまでも何度も対応していますよ。あと10分で迎えに行って欲しい!っていう依頼もありました。時間が無くてどうしてもスタッフさんが手配できない時は、僕が行くこともありましたしね」
−“それは無理”とは言わないんですか?
「そうですね、基本的にはお請けして、あまりにも難しかったらご提案をしながら対応しています。最終の保険の保険みたいな感じでもいいので、“何かあったらイコニコがある”みたいに思ってもらえたら嬉しいですね」
安心して利用できる仕組み作りを
−以前『ベビーシッター』の安全面が問題視されたことがありました。
「以前問題になったケースは“マッチングサイト”といって、登録制なんですけど、ベビーシッターも利用者もそれぞれ自由に登録して、お互いが会社を通さずやりとりする形なんですね。会社がスタッフに会うこともない。それぞれの素性や性格が不明確だったり…。だから危険性やトラブルが起こる可能性はあります。うちがそれをやらないのは、スタッフと会ってしっかり話をして性格やタイプに合わせてお客さまに紹介したいから。そこが安心感にもつながると思うので」
子どもと一緒に育ちあいたい
−小椎尾さんは2歳の娘さんのパパでもあります。ちょうどイヤイヤ期ではないですか?
「いや~ホント、イヤイヤ期真っただ中ですよ。“抱っこして!”って言うから抱っこしたら、“嫌!おりる!!”みたいな(笑)」
−パパになって変わったことは何ですか?
「もう、全て…生活全てです。生活の中心に娘がいる感じなので。プライベートだけじゃなくて、仕事でも変わりました。ベビーシッターの会社でもあるので、お客さまに“うちはこんな感じです”ってお話できるようになって、それもすごく変わった部分かなって。子どもが生まれる前は、受け身の部分が大きかったので…。お客さまと話す中で、親として勉強になる部分もたくさんあります」
−男の人にとって“子どもが生まれる”ってどんな感覚なんですか?
「最初は実感無かったですね。やっぱり妻に比べて関わる時間も、こどものことを考える時間も少なくて。初めて妻と、今後どうしていこうって話したのが生後3か月くらいの時でした。話し合いの中で、“じゃあお風呂には入れよう”とか決めて…。ちょうどそれくらいの時に、“こどもが0歳なら、ママもパパも0歳”っていうのを耳にして、“あぁ確かにな”って思ったんです。こどもを産んだからってすぐに沐浴できるわけでも無いし、離乳食が作れるわけでも無い。それを思った時に“これは一緒にやらなきゃ!”って、遅ればせながら思った感じです。積極的に育児に関わるようになると、こどもが僕のところに来るようになって、嬉しかったですね~。最近では“とうちゃん!”って呼ばれるのが嬉しくて!」
※得意の工作で遊ぶことも多いとか。ささっと作ってくれたのは、最近のヒット“折り紙の腕時計”。
−仕事をしていて嬉しい瞬間はどんな時ですか?
「お客さまと派遣したスタッフが仲良くなって、再度そのスタッフを指名してもらえた時は、“このスタッフで間違いなかったんだな”って思えて、良かったなぁと思います。メールでわざわざお礼を頂くこともあります。仕事とプライベートがリンクして、お客さまに満足してもらいながら、父親としても人間としても成長できる。今の仕事に就く前にイメージしていた仕事像みたいなものがあるんですけど、実際に働いてみて、それはイメージ以上でした」
子どもを産んで母子同室になった夜。ずしんと肩に何かが乗っかった。「母」ってこんなに重いんだ…。準備も覚悟も全然足りなかったことに気付いて愕然としたけど、小さくてふにゃふにゃのこの子はもう目の前にいる。そんなに思い詰めることも無かったのになぁと今は思うけど、当時は「母」のプレッシャーに押しつぶされそうでした。初めてベビーシッターさんに来てもらった日。鮮やかな対応で、息子と私をあっという間に笑顔にしてくれました。心が晴れやかになって、むくむく力が沸いてきたあの日。「何かあったらイコニコさんがいる」って思える“心の保険”こそ、育児の強い味方なのかもしれません。
【イコニコ・カンパニー福岡本店】
http://www.iconico.jp
福岡県福岡市中央区平尾3-7-21圓ビルディング2階
TEL:092-521-1525
営業時間:9:00-18:00 ※予約は24時間対応