《成約済》『福岡移住不動産vol.47』芸術家に代々愛されてきた心地よい住まいで丁寧な暮らしをかなえる。  (糸島市志摩芥屋)

 1つ1つのこだわりが物件の温かさや心地良さを作り出す

その流れで、前の所有者さんからどのような状態で引き継がれ、どのように改修されたのか、続けてお聞きしてみました。

「建物の外側はあまり変えておらず、そのまま使わせてもらいました。何より大きかったのが、リビングの中央に天井まで大きく据え付けられた暖炉でした。非常に大きかったので随分と場所をとっており、且つ使えるような状態ではなかったので、改修することにしました。」

7年前のリフォーム時点で床をはじめ、キッチン・風呂・洗面所・トイレなどの水回りも全てリフォームされていますが、家全体の印象面でもコスト面でも暖炉の改修が1番大きかったようです。

大きな暖炉があった場所には、窓に囲まれた気持ちの良いリビングの印象を阻害しないように配慮のうえ、これまた空間にマッチしたお洒落な薪ストーブが設置されました。かなり高額だったようですが、それでも熱効率が高い薪ストーブをセレクトされたそう。冬場でも薪ストーブ一台だけで家中が温まり、夜寝る前に消して寝ると、朝起きても少し暖かさが残っているという。火を見ているだけでも楽しいとのことで、生活の豊かさをうかがい知ることができました。

その他にも、廊下や部屋に取り付けてある木製の棚は、自分たちでDIYして作られたとのこと。そんな説明を受けて辺りを見回すと、棚以外にもハンドメイドで丁寧につくられた1つ1つが目に留まります。以前に住まれていた方が作られたモノも含め、手をかけてこられた1つ1つが積み重なり、物件の温かさや心地よさを生み出しているんだと感じました。

ドイツで暮らした経験から見える、家と暮らしの関係

さらに突っ込んで、家へのこだわりを聞いてみると、オーナーさんのこれまでの経験から面白い話をお聞きすることができました。

「心底気持ち良いかどうかを最大限考えて、家を選び、リフォームしました。というのも、ドイツでの暮らしが影響しているのか、自分の原体験か、近所の方々などいつも誰かが家に遊びに来る生活というのが私の中では当たり前でした。新しくはじめる福岡での生活も、いつ誰がウチに来てもらっても、心地良いようにしたいと考えて、物件を購入しました。」

続けて、日本とドイツの家に対する感覚の違いも交えて、家に対する想いをお話いただきました。

「いまの日本人の多くは、家に人を招き入れることに対して少し恥ずかしい感覚があるように思います。家が汚いと思われるんじゃないかとか、人の家と比較してどうだとか。家に人を招き入れないために、普段からあまりキレイにしてなくても良いという感覚が強いように感じています。」

「一方で、一概には言えないですがドイツの人たちって、常に家をキレイにしている印象があります。それは、昔の日本みたいに割と人がいつでも誰でも家に来る文化があり、加えて、心地よい状態で招き入れたいという感覚が、そのようにさせているんじゃないかと考えています。家を常にキレイで心地よい状態にして、いつでも人に来てもらい、人と繋がりながら生きていく。これは私にとって大切な感覚なので、これまでも心がけてきましたし、これからも心がけていきたいと思います。」

※オーナーさんが暮らしていた当時のお写真。丁寧な暮らし、気持ちいい暮らしであったことがうかがえる。

周囲との関係性が家の状態にも影響してくるという、個人的にも非常に興味深い話を伺うことができました。そんな話を伺いながら外に目をやると、隣近所に家がないこともありますが、家の塀がないことに気づき、まさに人を受け入れる物件だと腹落ちしました。

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あえてのネガティブポイント

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