『Mekuruto』が地域への入り口に
ー『Mekuruto』に入居されて、よかったことがあれば教えてください。
地域の情報を教えてもらえるのはありがたいです。引っ越したばかりで何もわからなかったので、周りの飲食店のことや、ゴミの出し方なども『Mekuruto』の方に教えてもらいました(笑)。もし家で仕事をしたり、個室オフィスを借りていたりしたら、社内の人との会話はあっても、同じ地域の方と話す場所はなかったと思うんです。
ー『Mekuruto』に、地域とつながる入り口があるという感じでしょうか。
そうですね。広島には長く住んでいて人間関係もできあがっていたので、新しく幅を広げようという気持ちもあまりなかったんです。でも久留米に来て、『Mekuruto』で周りの方々を見ていたら、「今までと同じ気持ちでいたらだめだ!」と思うようになって。
せっかく引っ越してきたのだから、もっと久留米のことも知りたい。「ちょっとずつ殻をやぶろう」と思い、今度「Mekuruto会」という、メンバー同士の交流会にも参加させてもらうことになりました。新しい場所は苦手なのですが、そうやってつながる場を提供していただけるのはありがたいです。
あらゆる立場のひとを応援する、ふところの広さ
—今後『Mekuruto』としても入居者さんを増やしていきたいと思っていますが、どのような人とこの場を共有していきたいですか?
そうですね……。自分と違う立場のひとに来てほしいな、と思います。わたしもまだここに来て日が浅いですが、「お子さんを連れていきいきお仕事されているな」とか、「地域の女性が何かの目標に向かって会議されているんだな」とか、自分とは違う立場の方の姿にたくさんの刺激をいただいているので。
会社に勤めていると、みんな同じ「従業員」という立場で、働き方の違いを感じることが少ないですよね。でも『Mekuruto』にいると、毎日いろんな立場の方が、いろんなことをやられている。仕事や地域・社会との関りっていろんな方法があると実感できて、明るい展望が感じられるんです。
ーあらゆる立場の方々が入ってこれる土壌が、ここにはあるのでしょうか。
あると思います。「いろんなひとがいる」というのを前提に、それぞれのやっていることをサポートしてもらえる場所なので。「Mekuruto」には「ふところの広さ」をすごく感じます。
ーふところの広さ。
最初に見学に来たとき、静かな雰囲気だったので、「わたしは電話したり、社内と突然会話をはじめたりすると思うんですけど大丈夫ですか?」と聞いたんです。そうしたら「え、全然大丈夫ですよ? みんなしゃべりますから〜」と、当然のように受け入れてくださったのが印象的で。
実際に入居すると、 “社内の通話で盛り上がりすぎてしまった!うるさかったですよね、ごめんなさい……!”と思うようなときもあるのですが、周りの方は嫌な顔ひとつせず受け入れてくださっています。逆にわたしの心配までしてくれる時があって、そういうふところの広さがある場所だから、この雰囲気を壊したくない、守りたいという気持ちで自分も周りの方に対して優しい気持ちになれるような気がします。
ーいろいろな人と出会う中で、大城さんは今後どのような働き方や暮らし方をしていきたいと考えていますか?
今回、夫が転勤と聞いてまず思ったことは「ああ、わたし会社辞めるの?」だったんです。そのくらい、頭が固くて。でもこうしてリモートで働かせてもらうことになり、さらに『Mekuruto』に来たことで「本当にいろんな働き方・関り方がある!」というのを目の当たりにしました。日々、自分の幅を広げている真っ最中です。
今後、たとえば子どもが生まれるなど環境の変化があっても、仕事や育児を細々とでも両立していく方法と、それを受け入れてくださる場が各地にあったらいいなあ、と思います。そのために、わたしも柔軟に対応できるような考え方を、この場を通して育てておきたいです。