本屋をはじめるきっかけとは?
雨がシトシト降った6月のとある日。うきは市吉井町でこの夏、『MINOU BOOKS&CAFE』をオープン予定の石井さんに話を伺った。
このうきは市吉井町という地で本屋さんをオープンされるということですが、石井さんがこの仕事を始めたいと思ったのは、どのようなきっかけだったのでしょうか?
「もともと福岡市の天神にある『VIORO』という商業施設内の『カフェ&ブックス ビブリオテーク』で6年間働いていました。退職した後、アメリカに3ヶ月程行き、日本に戻ってきた後は、国内の本屋をいくつか見て回り、その後、警固の写真館『ALBUS』で1年間、経理とか企画の仕事をして、出身のうきは市に戻ってきたんです。
仕事をしつつも何か沸々と思ってたんですね。ビブリオテーク時代に、デザイニング展というイベントに参加したんですが、その時に街に対して能動的に働きかけたり、主体的に動くことが出来たら、違う風景が作れるんだなぁと思ったんです。人との距離が近くなったし、街との距離が短くなったんです。それが本屋を始めようと決めたきっかけの一つになったのかと思います。自分からアクションを起こすことで、そこが“自分の町”になるじゃないですか。僕の場合は、そのアクションが本屋だったという感じです。本も好きなんですけど、“本屋”という空間がもっと好きなんですよ。色んな人を受け入れる空間というか。アメリカの西海岸の本屋で、すごいヤンチャそうな兄ちゃんとかが普通に馴染んでて・・・自分もそういう場所を作りたいなと。」
オープン予定の場所は、観光客や地元の方が大勢通る吉井町の裏通りの中でもすごく良い場所ですよね。
「小中学校に近くて、吉井町の街中にある物件で探していたんです。伝建地区*だけど、日本家屋じゃないものを探してて。観光客の人に、吉井町=日本家屋=古き良き町並み、ってカテゴライズをしてほしくないなぁと思っていて、“あれ?何だろう?”って思ってもらえるような場所にしたくて、異物混入じゃないですけど、個性のある物件を探していたんです。
そしたら、知人からここが空いている事を教えてもらえまして。築50年はあるのかな。鉄筋コンクリートで元魚屋さんなんですよ。良いな~と思って、この場所にしました。」(*伝統的建造物群保存地区の略称。)
楽しみながら学べる、成長する人と働きたい
石井さんの今までの経験や、いろんなシーンで受けた刺激を生かす場所になりそうですね。それでは今回採用されるスタッフの仕事は、どんな仕事になりますか?
「目に見えないところの仕事も多いので忙しくなると思います。簡単な調理・接客以外にも、レジや、ディスプレイ、本棚の整理、入荷した本の検品などもお願いする予定です。とにかく日々、何らかの形で本に関わるので、本があまり好きではない人は、入ってから辛いと思われるかもしれません。本を通じて趣味や興味が広がって行くので、その“発見していく過程”を楽しんでもらえたら良いなと。」
「あと、色々な人が集う場所にしていきたいので、人間関係を作っていくのが楽しいと思えるといいかなと。それに、本屋という性質上、情報が集まってくるので、飽きないと思います。フラットに色々な視点で街を見ることができるから。あとはそうですね・・・少人数でやっていくので、大変だけど色々な経験値が積めると思います。単なる本屋ではなくて、自分の興味の対象を見つけたり、突き詰めていくこともできるので、働きながら楽しんで学んで欲しいです。興味を持ったことでイベントの企画をしたり、それを実際に運営してもらうのも楽しいですね。」
オープニングスタッフの方は立ち上げから関わるわけですから、お店の成長と自分の成長がリンクしていくかもしれませんね。
それでは、MINOU BOOKS&CAFEのコンセプトというか、軸となるこだわりは何でしょうか?
「単に、こだわりの本がずらっと並んで特定の人が来る感じでは無くて、学生の子とかもフラリと立ち寄れる場所に育てていきたい。だから、雑誌や絵本児童書も置きます。スタッフとお客さんとそれぞれが顔の見える関係になっていきたい。それと、今この町に無い空気を示したい、と思っています。自分の中に何かを感じるモノだったりコトだったり・・・暮らしの中の寄り道みたいな、そんな場所にしたいです。長いスパンで物事を考えて行きたいので、流行に乗っかるのではなく、この街の店として根づいていけたらいいなと思っています。」
一緒に成長していくことになる新スタッフにはどのような人を求めていますか?
「接客業になるので“顔”になってくれるような明るい人ですね。それと、仕事が多岐にわたり大変だと思うのですが、それを楽しみに変えて、自分で積極的に学び取りながら成長できる人。そういう人と働きたいですね。」
このサイトをご覧になっている方は地方へ移住したいという志向の方が大勢見ていると思うんです。スタッフになってうきはで暮らすとすると、どのような暮らしになると思いますか?
そうですね・・・やっぱり面白いと思いますよ。白壁の雰囲気とかに話題が行きがちですけど、この吉井町は、個性的なお店が多いんです。『長尾製麺』さん、『四月の魚』さん、『リバーワイルド』さんとか・・・皆で何かを作り上げるというよりは、それぞれが真剣に仕事をされた結果が、街にいい影響を与えていて街が面白くなっていると思います。閉鎖的ではないんですよね。居心地が良いというか。懐が深いというか。この店が色々な人が来る場所になる事で、出会いも増える。自分で本当に興味を深めたいと思うコトにであったら、いつか独立を目指してもいいと思います。」
本屋を開くという事、続けるという事。
『MINOU BOOKS&CAFE』はこれからオープンですが、きっと色々な方が感じていることだと思うので改めて伺います。本屋という業態全体の問題かもしれませんが、ここ数年は本屋が減ってきたように感じます。どう思われますか?
「本屋は減ってきてますね。“地方で本屋を続けていくこと”というのは大きな課題ですね。今は、皆あまり本を読みませんよね。情報を得るためのツールという意味では、ネットもありますし。それと子どもたちはゲームとかも。僕もネットは使っています。でも、本から得るものはすごく大きいですよ。興味があるモノ・コトが載っている本を手に取って読んでみる事を、習慣にしてほしいと思います。ネットだとつまみ食いになってしまう。本だと蓄積が出来る。それに、本屋に行くと、色んなジャンルの本と出合いますよね。普段全く興味のない分野の本とも出会う事ができる。知識が広がって行く機会にもなる。そういう機会を見つけられる場を作りたいです。だから、色々な事を発信していける本屋でありたいと思っています。」
スタッフになる方には、どのようにこの課題に取り組んでもらいたいですか?
「まずは仕事を覚えながら、自分が好きな事、興味を持てる事を見つけて行ってもらいたいと思います。仕事を頑張る事で、お店も育っていくし、吉井町が自分の街になっていく。自分の街になれば、この街にあるものをちゃんと発信する事が出来るようになるので。それと、色々な価値観、色々な選択肢があるという事を感じられるようになると視野が広がって、いつかその方なりに何かしたりする事もできるようになると思います。」
最後に最近嬉しかったこと、教えて下さい!
「とにかく、お店の目途がついた事です。いろんな方にかわいがってもらいながら、やっとオープンの目処がついた事ですね。ペースをつかんで、ここから都会に無い価値観を示して発信していきたいです。色んな人が立ち寄れる、この街の本屋のおっちゃんになりたいと思っています。」
今はオープンへ向けて、内装の打合せなどの日々が続いているそう。オープニングスタッフともなると、かなりの業務が待ち受けているでしょう。けれど、「自分の経験値を上げる成長のチャンス」と捉える事のできる方には、かなりお勧めのお仕事です。「我こそ接客の顔に!」という方、是非ご応募を!
MINOU BOOKS&CAFE | |
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募集期間 | ~7月20日(月) |
採用人数 | 1~2名 |
募集職種 | 調理・接客 |
雇用形態 | パート・アルバイト |
勤務地 | 福岡県うきは市吉井町1137 |
勤務時間 | 9:00~20:00 (うち8h) |
給与 | 時給750円~ |
福利厚生 | 要相談 |
休日休暇 | 週休2日制 ※土日は勤務 |
仕事内容 | 軽食とデザートの調理や接客。書籍販売、イベント運営など |
応募資格 | なし |
選考プロセス | STEP-1.本サイトへお申込みSTEP-2.面接 |
備考 | 楽しんで学べる方。接客の顔となってくれる方を募集。 |
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