福岡を出る“かも”しれない就活生に聞いた、外に出てみて感じた福岡のこと。

桜の季節、この時期になると街ではリクルートスーツを身にまとった就活生の姿を多く目にします。九州各県から説明会や面接のために福岡入りする学生も多い中、同じように福岡を出て就職活動を進める学生も多くおります。
そこで今回は福岡在住で主に首都圏の企業を目指し就活を進めている3人に、就活で福岡の外に出てみて感じた「福岡のこと」について話を聞いてきました。

話を聞いたのは福岡移住計画のインターン生で、いろいろ手伝ってもらっている千葉さんと、その友人である河石さんと安藤さん。ともに九州大学に通い福岡での生活を送っています。

就活で感じた福岡

−今日は忙しい中ありがとうございます。就活が始まったばかりだと思いますが、どんな仕事を志望してますか?

千葉さん:「私はメーカーの営業とか生産管理とか調達に興味があって、そういった企業を受けています。興味がわくと深く追求したくなる性格で、車を見ていて内装には何が関わっているのだろうと探っていた時に素材が出てきて、素材自体に興味を持ちました。メーカーのそういう関連部署に携われたらと思っています」


※千葉さん

河石さん:「私はもともと金融の仕組みが好きで、メーカーでの経理とか財務がやりたいです。銀行などのいわゆる金融機関だと、目の前のお客さんとの信頼関係を築くのがメイン業務になるのかな思って。インターンの時にメーカーの経理財務の方の話を聞く機会があったんですけど、やっていることは金融業務だけど、あくまでメーカーの中だったので、なんのためにそれをするのかが明確だなと思いました。こういうものを作りたくてグループ全体で資金を融通しているとか、銀行業務とやっていることは一緒だけど、ものづくりというみんなの足並みが揃う核があって、目標が定まりやすいからそういう職場で頑張りたいなと思いました」


※河石さん

安藤さん:「私はあんまり立派なこと言えないんですけど、漠然としていて公共性の高い仕事がしたいなというのがあります。父が公務員で公共的な仕事をしている姿や市民のためにというのを見てきているのもあるかもしれないですけど、自分が働くモチベーションを考えた時に、目先のお金を稼ぐためだけでは働けないなと思い、誰かのために、みんなのためにという仕事であれば長く続けられそうだなと思ったので、いま公共性の高い仕事をみているという段階です」


※安藤さん

−就職先は福岡以外の主に本社機能が多くある首都圏を考えているみたいですが、福岡を離れる“かも”しれないさみしさはありますか?

千葉さん:「そうですね。福岡を出たくない気持ちはあって、でもそれは土地に執着しているというよりは、福岡で出会った人と離れたくないなという思いがすごくあります。暮らす上でも便利だし食べ物も美味しいんですけど、でもそこじゃないなという思いはありますね。親しい人と離れるのが嫌、だから福岡は離れたくない街という感じです」

河石さん:「育ったのが広島県の江田島と広島市内なので、環境がそれぞれ全然違っていて、移ってみて初めてその地の良さがわかったので、このままずっと福岡いたら他にいい場所を知る機会もなくなるかもと思って、福岡を出てみるのもいいなと感じています。
福岡は、おばあちゃんになっても住みやすい町だなと今の時点で思うので、若くてまだいろいろ出来るうちは様々な地で経験を積んでおきたいかなと考えています。
福岡を出るのが優先ですけど、それってもう絶対に戻ってこないというわけではなくて、私のなかではいつでも戻ってこれる落ち着く場所という位置付けです」

安藤さん:「正直、福岡離れるの無理かもと思ってきている部分があって、本社は東京で福岡採用している企業も結構あって、給与水準も東京と同じくらいというのもあるので、暮らしの軸は福岡として海外出張や東京出張とかで外に出るような働き方の方が自分らしく働けるかもと思い始めているところです。うちはマンションなんですけど、80世帯くらいあって、周りの方のほとんどが私のことを小さい頃から知っていて、高校生の時なんかは彼氏の存在とかすぐ広まるし、“うわー世間狭いなー”とか思って、ちょっとうんざりしていた部分もあったんですけど、今考えると私のことを地域で見守ってくれているっていうのを感じて寂しさもあり悩んでいます」

−就活で県外に出たり県外の人と接することが増えたと思いますが、福岡と首都圏はじめ他地域について違いなど感じることはありますか?

千葉さん:「地理的に言うと、福岡は恵まれていると思いますね。選考も最終面接一つ手前まで福岡で実施してくれる企業も多くて、他県だと交通費だけでも大変だと思うので。
でもそういう意味でいうと東京の学生はさらに企業と出会う機会も多いので羨ましいなと思う面はあります。自分で見つけだすのも重要と思いますけど、東京でしか説明会をしない企業の中身のことはなかなか知ることができないので、もしかしたらその企業が自分に一番合っているかもしれないと考えるとチャンスを逃しているかもしれないですね。その企業は東京の学生しか見ていないのかもしれないですけど」

河石さん:「九州の就活生のメリットは飛行機代を払ってまで熱量持って行くので、企業の方に覚えてもらえるのはメリットかもです。東京にいたら大学数も学生数も多いから、九州からの人間ということで覚えてもらえるので、それは東京の学生ではなかなかないことかも」

千葉さん:「それあるねー。あと人で言うと、首都圏の学生はこっちの学生と違って、すごい自信を持っている人が多いです。でも協調性というか謙虚さというか話を聞く力はこっちの学生の方が優れていると感じます。九州の学生がよく言われがちなのは、グイグイこないみたいなことを言われるんです。でもそこは劣っているとかではなく、グループワークを例に出すと首都圏の学生は個vs個というか、自分が勝つための手段を一番に考えて、このグループワークにいかに自分が貢献したかをアピールすることに頭を働かせていて、結局いい答えを生み出せず終わることが多いです。でも九州の学生は包み隠さず出して、みんなでより良くしていこうとか、盛り上げていい結果を出そうという点を重視する学生が多いような印象があります。自分が考えたアイデアも相手を蹴落とす手段ではなく共有をして、ゴールがここならみんなでここに向かってどう効率良く結果を出すかを考えて行動している感じがします」

河石さん:「たしかに、自分のことも結果につながるいいアイデアや手段も、変に隠したりせず、みんなで結果を出すという考えを持っていますね。共有と言うかすぐつながりを持ちたいという人が多い感じがします。Facebookの交換とかだと、九州の人は自分があなたとつながりたいという動線だけど、他はあなたがつながりたいならOKするけどね。みたいな感じ。気質なのかな(笑)」

−福岡の気質とは違う地で暮らしていく想像をした時に、期待とかいろいろあると思いますがどうですか?

安藤さん:「うーん。この間就活で東京に行ったんですけど、人が多すぎて(笑)。親戚と一緒に電車に乗ったんですけどすごく多くて。でも“これラッシュじゃないから、ラッシュは身動き取れなくなるよ”と言われた時や、4日間東京にいたんですけど2日に1回は人身事故で電車が止まっていて、こんなことが頻繁に起こるのは福岡で経験したことがないのでちょっと心配になりましたね」

千葉さん:「そういえば、入社式の先輩がツイッターで通勤ラッシュをめっちゃ嘆いてた(笑)。それに山手線とか2,3分で次の電車くるのになんであんなに駆け込むのかな」

河石さん:「自分のペースというより周りが急いでいるから流されるのかなぁ。私は楽しみでもありますけど、食べ物が美味しくないのと物価が高いのが気になりますね。福岡の食事に慣れたので魚の鮮度とか、居酒屋で刺身が美味しくないのとかダメじゃない?つらい(笑)。美味しいお店はあると思いますけど、それなりの金額しそうですし、美味しくないなら飲みに行くのが減りそう。福岡だったら飲みが苦手でもご飯が美味しいから行くとか誘いやすいとかあるので」


※福岡での飲み会の様子

千葉さん:「たまたまなのかもしれないけど、この前OB訪問後の飲み会で、“終電で早めに帰る組なんです”って言ったら“終電で帰るの遅くない?”と言われたんです。東京では住んでいる場所がみんな遠いのか早めに解散する人が多いみたいで。福岡は本気出せば帰れるじゃないですか、徒歩とか(笑)。タクシー使ってもそんなにかからない距離だし。飲み会で終電で帰るって早い方かなと思ってたんですけど、こういうところも違うんだなと。飲み会の時間が短いということは、それだけコミュニケーションもとらないのかなと思いました。さっきのつながりを持つという気質の違いかな」

安藤さん:「早く帰れるのが嬉しかったりする人もいるんかもねー」

河石さん:「いろいろな違いって楽しさでもあり大変でもあるかもね」

千葉さん:「大変そう。。やめよっか(笑)」

河石さん・安藤さん:「やめよっか(笑)」

河石さん:「でも理想はみんな近い職場環境で飲み会できたらいいね(笑)」

今回は就職活動を通して福岡外に出て感じたことを赤裸々にお話していただきました。「就活売り手市場」と言われる中、自身の考えをしっかりと持ち希望する仕事に対する想いを語る姿は、今も昔も変わらないのかもしれません。
今後様々な困難があると思いますが、自分の想いに嘘をつかず本質的に自分自身が望む暮らしや働き方(仕事)を送って欲しいと思います。
そしていつかは福岡に戻ってきてきてもらいたいですね。
頑張れ就活生!

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