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【ぼくらが連れて行きたい店vol.17】まちの人の心に残るソウルスイーツに。(ろっぽんぽん)

2017.3.13  

魅力的なお店、また行きたくなるお店って何だろう?
それは提供される商品(サービス)の質?もちろんそれもあると思います。でも“誰が手掛け、どんな想いやコンセプトでやっているのか。その人に会いたいから行く、その人が手掛けたお店だから行く”これが一番の動機になるのではないかと思うのです。
このコーナーでは単なるお店の紹介ではなく、“人”にフォーカスしてお店を紹介していきます。

ふれあいのその先へ

開発が進む福岡市中央区の六本松。駅前の大通りとは対照的に、一本路地に入れば生活感漂う景色が広がります。その路地の一つでもある通称「64ストリート」と呼ばれる裏通りには、5軒のお店が連なっている珍しいつくりの建物があります。どのお店も魅力的ですが、今回は「たいもち」や「からあげ」を販売する『ろっぽんぽん』の南さんにお店の思い出やこだわりについてお話を伺ってきました。


※左一番手前が『ろっぽんぽん』さん

−このお店を始めたきっかけは?

「高校時代からアルバイトをしていた愛宕神社のところにある老舗の茶店で『岩井屋』っていうお店の大将に憧れて“自分こういうお店持ちたいな”と思ったのがきっかけです。
でも独立するなら一旦外食産業に勤めてみようと思って、会社に入りましたが“これは違う。自分が憧れている店づくりとはかけ離れている。この状態では自分が思うようなお店はできないんじゃないか”と、若いくてなんもわかってないくせにそう思っちゃって(笑)。1年少々で辞めて、以前から憧れがあったアメリカに有り金握りしめて行きました。でも向こうでは働かせてくれるお店が無くて、あっさり挫折して帰ってきました。

それでもずっと憧れだけはあって、そうこうしているうちに以前可愛がってくれた大将が、“お前うちで働け”って言うわけですよ。正直、働けって言われてもバイトを散々してきて、自分で独立してやろうって思ってるのにまたここで働くのは嫌だなとは思ったんですが、一度離れて外から見たお店が、学生時代に感じていたお店とまた全然違って、すごく魅力的に見えたんです。その後、働くようになってお店を徐々に任されるようになる中で、いい仲間に出会って、必要とされるようになって。“自分の思うようにやっていきたい”という想いが強くなりタイミングを見て独立しました。

僕は井の中の蛙だったもんで、すぐに商売できると思ってたんですけど、客席をたくさん持つとどうしても賃料が高くて、いろいろ考えた末ににカフェやレストランにできない対面の販売をやってみようという構想が出てきました。

修業しているときから焼き餅の潜在的可能性を感じていて、この場所でおっちゃんが“いらっしゃい”って言って焼きたての餅を販売するのが頭の中で絵になったんです。キャリアのあるシェフに味付けを手伝ってもらえることになって、店のもうワンアイテムはからあげになりました。たいもちもからあげも庶民的でもあり、日常的でもあり、とっつきやすいものでもあるので、生活感が感じられるこの裏通りでやってみようと決意し、今のカタチになりました」

−様々な経歴を経てこの場所に辿り着いたんですね。飲食店に関わる中で気持ちや態度に変化はありましたか?

「やってるときは一生懸命でどこの場にいても同じようなスタンスでやっていたんじゃないかなと思うんです。修業先の大将がめちゃくちゃ怖かったんですけど、商売よりもお客さんへのアプローチに関してはすごく真面目で真摯な姿勢がありました。それは『身を捧げる』ってことだと思うんです。来たお客さんをハッピーにすることに尽くすことなのかなって。
お店を出してなおさら感じたのが、近隣の人がすごく優しいんです。日常が近いというか。『やきもちのおっちゃん』って子どもたちに呼ばれて、5年後10年後とかに“ろっぽんぽん行きよったけど、おじちゃんまだ元気にしとるかな?おばちゃん頑張りよるかな?”とか言われたら、この店のやりがいすげぇなって思います。この場所はそれがしっくりきて実現できるのかなっていうのがありますね」

−小さいお子さんもよく来られているようですね。お客さんとの会話も大事にされているんですか?

「最初は『ふれあい』とか『コミュニケーション』っていうのがテーマにあったんです。今はコミュニケーションっていう言葉よりも分厚くて温かくて深いようなことを求めているような気がします。心持ちとしては、“いつもたいもち屋のおっちゃんで元気になれるよね”ってことに身を捧げられたらいいなって思って朝出かけます。でもこんなことができるのは嫁さんのおかげ。彼女は日々、素の状態でお客さんに喜んで帰ってもらいたいっていうのがあるんじゃないかな。お客さんも彼女のことを可愛がってくださるんですよね。それが『ろっぽんぽん』の良さになっているかもしれないです。

−そのふれあいから生まれた嬉しかったことや思い出はありますか?

「もう思い出だらけです(笑)。子どもたちとのふれあいの中で、店を出して1年もたってないけど近所の子どもたちに『ろっぽんぽんのおじちゃん』って覚えてもらえてたこととかは特にですね。これからあの子たちが大きくなった時に、彼らの心の残る思い出のソウルスイーツがたいもちだったら嬉しいなっていう風に思いますよね。
また近隣の人に頼られたり、繫がりができていることが実感できたときは嬉しかったです」

−今後の夢はありますか?

いつか絶対5店舗やってやろうっていう決意があります。それぞれ僕やカミさんみたいな人がそこにいて。時には一緒に、時には任せて、その人の力で運営していきながら、たまにメンバーで集まってなかば罵声が飛び交っても笑いあえるようなお店の仲間を作って、そして飲み会をして大爆笑するっていうのが昔からの夢なんです。岩井屋でもそんな仲間たちが集まっていた時期があって、そういう僕たちの故郷みたいなところを作りたいです。

商品を買うだけでなく、お店に行けば温かく迎えてくれる、なんか落ち着く。そして元気になれる。そんな雰囲気が漂う素敵なお店でした。

【ろっぽんぽん】
https://www.facebook.com/ropponpon/?fref=ts
福岡県福岡市中央区六本松4-7-4
TEL:080-5794-9648
営業時間:11:00〜20:00(売り切れ次第終了)
定休日:毎週木曜日
(臨時休業の場合もあるためFBをチェックしてください)

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千葉 美穂(インターン)
広島県府中町出身。
九州大学経済学部在学中。
大学入学をきっかけに福岡へ。広島と福岡の違いを体感しながら、福岡の良さをもっと知りたいと思いインターンに参加。アートとまちづくりに興味がある。