【ぼくらが連れて行きたい店vol.12】「福岡で1番旬を食べたいならあそこ!」な店を目指して。(Cernia)

魅力的なお店、また行きたくなるお店って何だろう?
それは提供される商品(サービス)の質?もちろんそれもあると思います。でも“誰が手掛け、どんな想いやコンセプトでやっているのか。その人に会いたいから行く、その人が手掛けたお店だから行く”これが一番の動機になるのではないかと思うのです。
本コーナーでは単なるお店の紹介ではなく、“人”にフォーカスしてお店を紹介していきます。

その地のものをきちんと伝える、それが自然。

福岡市中央区今泉。薬院駅からほど近く、天神からも歩いて行ける場所に3年前にオープンした『Cernia(チェルニア)』。
オーナーシェフ・畑亮太郎さんと、妻・梨絵さんが営むイタリア料理とワインのお店です。友人知人がことごとく「美味しい!」「旨い!」と幸せそうな顔で教えてくれるお店でもあります。早速オープン前の畑シェフに会いに行ってきました。

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−今日は、畑さんがここ福岡でお店をオープンされるまでの事を最初に聞きたいと思いまして、ご自身は関東ご出身とのですが、飲食の世界にはどのタイミングで興味をお持ちになったんですか?

「私は大阪生まれ東京育ちで、父の実家の東京に越してから、学生時代もずっと東京です。祖父母とも一緒で、祖父母、両親、僕と妹の三世代同居でした。飲食の世界に興味を持ったのは遡って考えると、中学・高校生の頃ですかね。母が飲食業で働いてまして。僕が高校生の頃には、地元で店を構えていました。その店を手伝いながら、知り合いの和食の板前さんの店でもバイトをさせてもらって。今考えると、その頃には漠然と飲食業に進みたいと思っていましたね。でも、特に和食の板前になりたい、とかそういうところまでは意識していなくて、ただ料理を仕事にしたいなーと思ってました」

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−学生の頃はまだイタリア料理をやりたい!とかではなかったんですね。

「そうです。まだ18、19の頃にはそんな意識は高くなかったです。最初に就職したのが『フォーシーズンズホテル椿山荘』で、そこでイタリア料理と出会いました。今からだと25年程前ですよね。その頃、イタリア料理の有名店は少なかったんですけど、僕が就職したフォーシーズンズのメインダイニングがイタリア料理で、当時としては画期的だったと思います。イタリア人シェフが数名いる中で仕事が出来て、そこでイタリア料理とイタリア語も少しずつ話せるようになって・・・5年半ほどお世話になりました。その後、当時代官山にあった『キアッケレ』にスーシェフとして3年在籍しました。この20代の頃の東京のレストランでの出会いが、今の料理との向き合い方のきっかけになっているかもしれません。外国人スタッフがいて、ワイン好きが大勢いました。ワインを通じて、“自然農法”や“不耕起栽培”など、それまで知らなかった事にもどんどん興味を持ち始めたんです。その後イタリアに研修に行きワインをはじめいろいろ学んできました」

−なるほど。イタリアから戻られたのが、30歳手前頃ですね。その頃は、どんな目標をお持ちでしたか?

「30代のうちに開業したいと思っていました。ここをオープンしたのが39歳だったので、そう考えるとぎりぎりですね。で、オーナーシェフを目指すと考えると、その前にシェフを何店舗かで経験したいと。そんな頃に、ブルガリがレストラン部門を作る事になって、ご縁をいただいてそこでスーシェフを勤めました。2年半です。そこから『アロマフレスカ』へ移りました。シェフの原田さんが、本を何冊も出されているような方で、その方の横で仕事をした事は、大きかったですね。銀座の新店舗の立ち上げに携わる事もできたし、地方のレストランも知っておいた方がいいからと名古屋店、福岡店と携わらせていただいたんです」

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−ここで「福岡」の地名が登場です。転勤がきっかけだった福岡暮らし、住んで働いてみた印象はどうでしたか?ここ、今泉に出店された事についても、何かきっかけがあったら教えて下さい。

「まず良くも悪くも、東京に比べてコミュニティが小さくて蜜だなぁと思います。料理仲間とも、お客様や地域の方々ともですね。濃い人間関係が育っていくというか、東京はもう少しドライだと思いますので。
九州、福岡の人たちは、最初は距離があるんですけど1度親しくなると、その距離がぐっと縮まりますね。世話好きの方が結構いてくれたり。福岡に来る前は東京で起業を考えていたんですが、こっちで大勢の作り手の方と出会うことが出来て、この街で起業しようと思うようになりました。場所については、人が集まる駅が近くて、情報が発信しやすいという事に重点をおいて探しました。もともと東京下町っ子でこういう場所は慣れてるっていうのもあるかもしれませんね」

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※ロゴのモチーフは「Cernia」。イタリア語で魚の「ハタ」という意味。

−さて、今年は、畑さんがオーナーで妹さんが料理を作られる『町屋あかりや』も赤坂にオープンしましたね。『チェルニア』『町屋あかりや』ともに、コンセプトというか、1番大事にしたい事、伝えたい事は一緒ですか?

「そうですね、旬のものや地のものを作っている生産者さんや作り手の方々とつながって、その想いを伝えたいというのがあります。料理という目に見えるもの、そして僕たちの伝える言葉で共感してくれる人が増えたらすごく嬉しいです。やっぱりその土地のものをきちんと伝えたい、それが自然だと思うんです。そういう想いを形にしたものが『ナチュラルピクニック』というイベントです。料理人仲間、生産者さんや作り手の皆さん、そして共感してくれるお客さん。やっぱりつながりがなかったら、美味しいもの、料理はできない。これからも、そういう事を発信していきたいと思っています。作る料理も、影響を受けて変わってきています。これイタリア料理か?と思うようになってきました。『ナチュラルピクニック』で一緒になる料理仲間とも言ってますが、福岡で1番の旬を食べたいんだったらあそこだよ、と思ってもらえるような、そんな店に育てていきたいです」

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美味しそうな匂いの漂う中、畑さんの想いをうかがうことが出来て、本当に楽しいひと時でした。今度は夕暮れ時にお腹を空かせて伺います!
(ちなみに・・・最近の盛況ぶりで、嬉しいことに「スタッフ募集中」なのだそう。料理の道でやっていきたい方、「この地の旬のものを提供する」という畑さんの姿勢に学びたい方、チャンスです!)

【Cernia】
福岡県福岡市中央区今泉1-3-1
TY今泉ビル1F
TEL:092-406-6891
営業時間:18:00〜24:00
定休日:火曜

【町屋あかりや】
福岡県福岡市中央区赤坂1-10-7
スコーレ赤坂1F
TEL:092-781-1388
営業時間:18:00〜24:00
定休日:日曜

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