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お店 コミュニティ ひと

【ぼくらが連れて行きたい店vol.10】イタリアのバールに魅せられた、店主の想い。(Café&Dinning Happy Hill)

2016.11.17  

魅力的なお店、また行きたくなるお店って何だろう?
それは提供される商品(サービス)の質?もちろんそれもあると思います。でも“誰が手掛け、どんな想いやコンセプトでやっているのか。その人に会いたいから行く、その人が手掛けたお店だから行く”これが一番の動機になるのではないかと思うのです。
このコーナーでは単なるお店の紹介ではなく、“人”にフォーカスしてお店を紹介していきます。


きっかけはイタリアと福岡のコーヒー

2014年6月、大名にオープンした『Happy Hill』。多くの人から「イノシシ肉のカレーやコーヒーが美味しい」「スタッフの方がいつも声をかけて気遣ってくれる」といった評判をよく耳にします。常連客の中には毎日のように通っている人も多いそうです。そんな『Happy Hill』をどのような想いで営んでいるのか、店主の山田さんに聞いてきました。

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—「Happy Hillは行きつけのお店です」という話をよく聞きます。山田さん自身はいつから今のようなお店を出そうと考えられていたんですか?

「もともとコーヒーを出すお店をやりたいなっていうのは大学生の頃からぼんやりとは考えていたんです。でも飲食店でアルバイトしたこともなかったし、甘い考えで飛び込む勇気がなかったんですね。それに初対面の人と話すのが苦手だったので、矯正しようと大学卒業後はケーブルテレビの営業職に就きました。飛び込みで家のインターホンを鳴らしていくような営業だったので、人と話すのはそこで鍛えられましたね。そこで新車を一括で買えるぐらいお金が貯まったら営業の仕事を辞めようっていう目標を自分の中で立てていたのですが、入社して1年半後に目標を達成できたので、そこで独立を目指して退職しました。

それから、イタリアに2週間旅行にも出かけました。その旅行で面白い体験をしたんです。イタリアにはご飯が食べれて、コーヒーやお酒も飲めるバールというお店が街のいたるところにあります。バールで僕がカフェラテを注文すると、60代ぐらいのお店のおじさんが綺麗にラテアートを描いてくれて。嬉しくて写真撮ってもいいか聞いたら、“じゃあ店のみんな呼んでくるよ”って、忙しそうに朝ごはん作ってるコックさんまで連れてきちゃって、6人ぐらいで写真撮ってたんですね。その様子を見てた、周りにいた7、8人ぐらいのお客さんたちもずっと笑っていて、なんだかいい時間でした。
それから日本に帰ってすぐに、大野城にある喫茶店に行ったんですね。そこで食後に出されたコーヒーがめちゃくちゃ美味しくて。思わずお店の人に“どこのコーヒーですか?”って聞いたら、“ハニーコーヒーです”と。ハニーコーヒーは今でこそスペシャルティコーヒーの先駆けとして知られていますが、10年ほど前は清川にぽつんと小さいプレハブ小屋のようなお店が1店舗あるだけでした。その翌日にハニーコーヒーに行ったら、ちょうどアルバイト募集してたんですね。仕事を辞めていたタイミングでもあったし、“働かせてください”とここで初めてコーヒー業界に入ったわけです」

—そのような経緯があって、やっと飲食の世界に入られたんですね。でも飲食業の経験が全くなくて、慣れるまではやっぱり大変だったのでは?

「何も知識がないので、わからないことだらけでしたね。コーヒーの味や香りを判断するカッピングに挑戦したり、コーヒーについても詳しく勉強したりしました。ハニーコーヒーは少しの期間で辞めてしまったんですが、“もう自分は営業職には戻らない。飲食業しかないんだ”って決心して、そこからカフェ、ビストロバー、和食と4、5店舗ほど転々としながら働いていました。でもその間もずっとコーヒーからは離れきれなくて。和食のお店にいたときも仕込みの時間に僕が飲みたいっていう理由だけで、スタッフみんなに淹れたコーヒーを配ってまわってました(笑)」

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—ハニーコーヒーで飲んだ1杯のコーヒーが忘れられなかったんですね。

「その日以来いろんなコーヒーショップの豆を買い漁っていたんですけど、自分の中でハニーコーヒーを超える味が出てこないんですよ。辞めたお店ではあったんですけど、やっぱり好きだったんです。いつか自分のお店を出して、そこで取引先としてお願いできる日が来たらいいなって思っていました」

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—そんな想いがあったのですね。でしたら、(取材中に出してもらったコーヒーを見ながら)こちらはハニーコーヒーの豆ですか?

「はい。豆はハニーコーヒーから仕入れてます。ハニーコーヒーの方々もご飯食べに来てくれたり、ラテの指導に来てくれたり、親しくさせてもらってます。僕がハニーコーヒーで働いていたのは短い期間でしたが、今周りにいてくれてる方たちにはそのとき出会ってるんですね。考えてみたら大きな出会いでした」

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—では最後に、今後どのようなお店を目指していきたいですか?

「僕の中には、やっぱりイタリアのバールで体験したあのときの光景がずっとあるんです。ご飯を食べたり、お酒やコーヒーを飲んだりしながら隣の人と喋って楽しんでる、うちの店もそんな空間になればいいなって思います」

【Happy Hill】
https://happyhill.shopinfo.jp
福岡県福岡市中央区大名2-2-47
TEL:092-791-3299
営業時間:12:00〜0:00(L.O.23:00)
定休日:毎週水曜日、月に2回程度の不定休

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栗山遼
熊本生まれ福岡育ち。
2016年4月に「働き方を変えた人たち」を特集したリトルプレス『HOWLAND』を創刊する。
ライターとしての活動の他に、イベントのディレクションや企業のブランディングにも携わっている。