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【福岡よかとこビジネスプランコンテスト開催企画】 家具の街・大川での新たな挑戦 / 立野木材工芸(株)代表・立野治美さんへのインタビュー

2016.8.29  

女性らしさと時代のニーズ

家具の生産高日本一を誇る大川で、70年近く木工に携わってきた立野木材工芸株式会社。現在代表を務めているのは、4代目になる立野治美さんです。兄弟4人全員が立野木材工芸に関わっており、お兄さんは営業、お姉さんは広報兼企画、妹さんは営業兼事務をそれぞれ担当しています。
治美さんは持ち前のフットワークの軽さと女性らしい視点を活かし、2015年1月に家具ブランド『BENCA』を立ち上げました。『BENCA』では福岡県東峰村の伝統工芸品である小石原焼や八女の石灯篭に用いられている長野石など、近隣地域の天然素材を家具に取り入れることにも挑戦。
家具を大量生産して栄えてきた大川ですが、立野木材工芸は時代のニーズにより応えるため少量多品種の生産に注力し、消費者目線でもの作りに取り組んでいます。治美さんに家業を継いだ経緯や地元に対する想いを聞いてきました。

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—4代目とのことですが、家業を継いだのはいつでしょうか?

「大学卒業後すぐに継ぐ選択も私の中にはありましたが、母からは『社会に出て修行して、一人前になってから帰って来てください』と。そこで、実家に戻ったら経営をやると決めていたこともあり、経営者に必要な知識を身につけようと関東の信用金庫に入社しました。働いて5年目のある日、母から戻って来る時期の相談を受け、会社を退職して実家に戻って来ました。それまで家業の手伝いをしたことはなく、家具の知識も全くない状態でしたが、見様見真似で一つずつ仕事を覚えさせてもらいました」

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—小石原焼や長野石など、近隣の工芸品を家具に取り入れていますね。

「BENCAのデザイナーや姉と一緒に工芸品や異素材の制作現場を見に行くと、素材の魅力や迫力に興奮して帰ってくるんです。そうやって見て感じたことをふまえ、その土地の魅力を活かした素材と家具をうまく結びつけられないかと試行錯誤を繰り返します。もちろん焼物や石などの異素材を家具に取り入れるのは簡単なことではないので、私は誰よりも慎重になります。でも作り手の方やデザイナー、それぞれの前向きな意見が合わされば、問題は少しずつクリアできます。関わるそれぞれの熱量が集まるとトントン拍子に素敵なものが出来上がる、もの作りの楽しさを感じる瞬間です。

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※小石原焼をツマミに取り入れたキャビネット

それに、誰もが知っているような高級な素材でなくても、地元にもいいものはあります。家具は生活用品でもあるので、地元のものだけで作れたら一番いいですよね。作り手同士がお互いの顔も見えるので、継続的にお付き合いもしやすい。ただ『もう自分の代で辞める』という作り手もいて、途切れかけている工芸品も多いのですが……」

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大川のポテンシャル

—新たな取り組みの背景には、皆さんの熱い気持ちがあったのですね。最後に、地元である大川に対する想いを聞かせてください。

「昨年、東京ビッグサイトで開催された家具の見本市に参加したのですが、大川のことを知らない若いバイヤーさんが多くてとても悔しかったです。大川を全国的にもっと知ってもらうためには、若手が発信するのが一番いいと思います。そのためには、本気でもの作りをしたい若者を大川に呼び込むサイクルが必要です。

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大量生産が求められる場合もありますが、住まいにフィットしたものを自分らしく使いたい、というニーズの多様化もあります。私たちは、そんなお客様のこだわりに少量多品種の生産体制で応える。出来上がったものを見て、『やっぱり大川の家具はいい』と言ってもらう。素敵なもの作りをしている街で働きたいという若者がやって来る。もちろんそのようなサイクルが定着するまでにはこちらも受け入れ体勢を整えなければならないので、もう少し時間がかかるとは思います。
ですが、大川には何でも作れるポテンシャルがあります。使いたい素材や作りたいものがあったときに、何でも取り寄せ、作れる環境がまだまだしっかり残っているからです」

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大川にはもの作りをする上で可能性を秘めた余白が十分あるようです。治美さんが提案されたサイクルができれば、地方を活性する新しい動きも生まれそうですね。

【立野木材工芸株式会社】
http://www.tatenomokuzai.info
〒831-0005
福岡県大川市大字向島726番地
TEL:0944-87-2140
FAX:0944-87-2138
※お越しの際は、事前に平日9:00~17:00にお電話にてご連絡ください。

【福岡よかとこビジネスプランコンテスト】

福岡県が主催となって、県内各地の地域資源を活かした新しいビジネスを創出するためのビジネスプランコンテストです。このコンテストは、地域資源と福岡県内において創業を希望する方のアイデアやノウハウを掛け合わせ、地域経済の活性化を図ることを目的に実施するものです。

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応募された方は、市町村、商工会議所・商工会、金融機関等地域の支援機関のサポートを受けながらビジネスプランをブラッシュアップし、創業の準備をすることができます。
また、県内27市町村から独自にテーマを定めた賞が授与されます 。
http://fukuoka-yokatoko.biz
さらに上記の『福岡よかとこビジネスプランコンテスト』に先駆けた東京イベントが9月3日(土)に開催されます!

【東京イベント】

《概要》
独自の「地域発ビジネス」を展開する起業家2人が、起業の経緯や福岡県の魅力・可能性を語ります。
さらに福岡県の地域資源から具体的なビジネスを発想するアイデアソンを行います。

▽詳しいタイムスケジュールや内容、お申込みはこちらから
http://fukuoka-yokatoko.biz/tokyo-event/

日時:28年9月3日(土)13:00〜17:20
場所:東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル 北館
定員:50名(定員に達し次第締切り)
申込み期限:8月31日(水)

福岡での仕事づくりに関心のある方は是非ご参加ください。

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栗山遼
熊本生まれ福岡育ち。
2016年4月に「働き方を変えた人たち」を特集したリトルプレス『HOWLAND』を創刊する。
ライターとしての活動の他に、イベントのディレクションや企業のブランディングにも携わっている。