【HOOD天神より】〈イベントレポート〉Work&Local around30 vol.3 「海外で見つけた、3人のこれからのライフデザインとは」

アラサー世代が考える働き方についてのイベント『Work&Local around30』。
3回目のテーマは「海外で見つけた、3人のこれからのライフデザインとは」です。

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司会進行を務めたのは今回も『まちとしごと総合研究所』の東信史さん。このイベントは、働いて10年ぐらいたってきた東さんが「同じ世代や同じ経験をしてきた人たちが、どんなことを考えているのか聞いてみたい」と思ってはじまりました。

これからどんな仕事をしようか、どんな地域に住もうか、ということを月1回のイベントで話していきます。今回はゲストの3人に、海外に住んだことがあるからこそ考えていることを聞きました。

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【皆嶋孝二郎】
熊本生まれ。大学卒業後にワーキングホリデーにオーストラリアに行き、海外に興味を持つ。帰国して3年半の会社員時代を経て27歳で福岡にネイルサロンを開業。現在はセブと福岡の2拠点生活をしている。日本ではネイルサロン経営の他にwebコンサル業、イベントプロデュースなどを行い、セブではシェアハウス『Caravan』の運営と肉巻きおにぎり店を経営する。

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【加藤美帆】
横浜生まれ。12歳まで東京で育ち、ニューヨーク郊外に引っ越す。獣医師になるべく東京の大学を卒業して獣医師へ。東京で2年間獣医師として勤務。27歳で結婚。留学でカリフォルニアへ行き内資系ITベンチャーに転職。その後Airbnb Japan(株)に転職。今は糸島で暮らしながら、フリーランス獣医やリトリートライフデザイナーとして活動。

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【石田知世】
福岡生まれ福岡育ち。ベンチャー起業に所属し福岡とフィリピンを結ぶブリッジプロデューサー。プライベート業ではITを中心としたイベントのMC。

海外行きのきっかけと現在の仕事

-(東さん)自己紹介と海外に行ったきっかけを教えて下さい。

皆嶋さん:「セブでまずはじめたのがシェアハウスです。その後、何か飲食業にチャレンジできないかと思って、テイクアウトできて、単価が安くて、フィリピン人が好むものという発想で、肉巻きおにぎりをはじめました。

僕はまず行ってみないとわからないと思って、気になったらまず行きます。セブに行ったきっかけも佐々木俊尚さんの『レイヤー化する世界』という本をスタバで読んで、“やっぱ海外だな、だったらセブだな”とそのままスタバのWi-Fiでセブ行きのチケットをとったんです。そうやって簡単に行動する習慣は昔からつけていました。

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今やっていることを去年イメージ持っていたかというと、持っていなかったです。僕の周りでも“タイにゲストハウスをつくりました”とかいうような人って意外とそんな人が多いと思います。とりあえず飛び込んでみて、行ってみて、そこから何かしらつながってやっていくと、好きなものに出会えて、海外に住めるようになるかもしれないし。だからとりあえず行ってみたほうがいいと思います」

加藤さん:「私は経歴や時系列がよく分からないと言われるので、スライドを作ってきました(笑)獣医師勤務の時は50時間連続勤務とかざらで、自分が救急車で5~6回運ばれるというボロボロな生活でした。獣医はずっとやりたかったことなはずなのに、うまく回せない自分がすごく苦しくかったです。
それで自分でも生き生きと働けるものはないかと思って、留学をしようと。専門性を身につけたら自分らしく働けるんじゃないかなと、逃げるように留学しようと思ったんです。そんな時に今の旦那さんと出会って“留学したいんだけど仕事を辞められない”と話すと、彼はオープンマインドで“辞めたいんだったら辞めたらいいじゃない”って言われて。それで結婚して留学しようと、夫婦でサンフランシスコへ行きました。

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そして栄養学の中でもトップといわれるカリフォルニア大学に行って。でも実際行ってみたら“ちょっと違うな”と思ってやめて。一番安いairbnbに泊まりながら、どうしようと考えていると、旦那さんの友達が“サンフランシスコで会社を立ち上げたんだけど英語しゃべれる人がいない”と困っていて、手伝うことになりました。それで日系ITスタートアップに関わることになったんです。
そこで私はサンフランシスコの空気感が大好きになりました。山も海も都会の部分もあって、そのバランスや自由な雰囲気に惚れ込んで。それで“もっと生きたい人生を生きよう!”とインスピレーションがものすごく湧いたんです。

それから移住先を探して糸島を見つけて“ここだ!”と決めて2~3ヶ月後には移住していました。そしてairbnbに就職してリモートワーク勤務を始めて。でも1年くらい働いていると“このままでいいのかな?明日死んだら何か後悔する気がする”みたいな気持ちが出はじめて。それからあらためて自分に向き合うと、やっぱり“自然と生きるのがすごく好き”だと思ったんです。自然の中で、自然体で生きようと。

自分を満たしてあふれ出たものが周りを満たしていって、それが仕事になっていくんじゃないかって信じて、今は生きています。今の働き方には2つの軸があって、1つはフリーランス獣医として犬猫やポニーや烏骨鶏や養蜂の蜂、豚に牛といろんな動物について相談に乗っています。2つ目は、実は名前は今朝考えたので仮なんですけど、『リトリートライフデザイナー』かなと思っています。自然体な自分の軸が見えてくるきっかけとなるような、ワークショップや自然の中で過ごすリトリート企画を少しずつ形にしているところです」

石田さん:「私は今は一応会社員なんですけど、社長が心が広くてやりたいことを勝手にできる感じなんです。会社では今、天神でコワーキングカフェをはじめようとしています。Wi-Fiがあって仕事できる場所でもあるんですけど、airbnbの利用者が鍵の受け渡し場所として使ったり、旅行バッグを預けられたりする場所にしようと考えていて、近々オープンする予定です。

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前職では勤務時間がすごく長くて、だんだん体調を崩していました。それで、小さい時から習い事で英語を勉強していたことを思い出して、海外に行きたいなと思ったんです。そして仕事を休んで3ヶ月間フィリピンに行くことを決めて、実際は4ヶ月過ごしました。その時は将来のことは全然考えていなかったです。私はその時に必要なスキルをその場その場で身につけていくスタイルなんです(笑)」

常識をはずして考えてみる

皆嶋さん:「僕がセブに行くと言っていろいろ話を聞くと“厳しいよ”と言われてどんどん尻込みしていっちゃったんです。英語もそんなに上手くないし、結婚して子供も生まれるという状況で、そんなに裕福でもないし、場所を選ばないノマドな仕事でもないし。それで“やっぱり俺には無理かな”と思ったんです。

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そんな時に“今あるチャンスや人脈は今しか無いよ”ってある人に言われたんですね。その時に気づいたのが、自分はできない理由を並べていて、できる方法を探ることをしていなかったんです。それで探ってみると“2週間ごとなら行けるかな”“航空チケット代の3万4千円を浮かせるためにはどうしたらいいか”と考えることができました。そうしてできる方法ってどんどん生まれてくるんですね。だからみなさんも“無理かな”と思ったら、できるようにする方法をぜひ考えてみてほしいです」

加藤さん:「世の中を広く見てみると、自分の常識とは違うことってたくさんあるなと感じます。だからこそ“自分には何も無い”と思い込んでいても、実は広い目線で自分を見てみると、絶対に何か持っているんですよ」

行動を選択する時の思い

-(東さん)行動を選択する時に大事にしていることってありますか?背景やきっかけも含めて教えて下さい。

石田さん:「決める時には、やらなかった時や行かなかった時の自分を考えます。“あの時行かなかったから!”ってずっと引きずるんですよ」

加藤さん:「サンフランシスコに行った時、“行きたくないな”と思った飲み会を久しぶりに断ったことがあります。それまでは“行かなかったら嫌われる”とか思っていたんですけど、久しぶりに自分の心に従ってNOを言った時に“自分の思い通りに生きていくってこんなに気持ちいいんだ”と思いました。

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そうした小さなきっかけから、ひとつずつ自分の心にYESを言うことを繰り返すようにしたんです。そうすると大きな判断ができるようになってきた気がします」

皆嶋さん:「僕の場合は、来年の自分も信頼できないんですね。未来は世の中も自分の状況も変わっているし。そういう自分をわかっているので、やりたいときにやれるんだったら、やるようにしています。
でも何かアクションする時ってみんな同じで“これでいいのかなあ”って不安があると思うんです。ただそこをやるかやらないかっていう違いだけなんです」

住む場所について考えていること

-(東さん)住む地域について考えていることや、福岡のいいなと思えるところなどを教えてもらえますか?

皆嶋さん:「住む環境を利用して自分をつくるというか、環境を利用してできることって意外とあって、楽しいんじゃないかなと思います」

加藤さん:「私は福岡市というより糸島市の森の中に住んでいる感覚なんですが、福岡のいいところの1つはノリだと思います。人と人が会った時に“何かやろうぜ”っていうことが起きるまでの化学反応のスピードが速いことです」

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石田さん:「ずっと福岡に住んでいるんですけど、引っ越す理由が無いんですよね。コンパクトさとか自然とのバランスも気に入っています。でももし“海外でこういうビジネスするけど来る?”って言われたら多分行くと思います」

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『Work&Local around30』と題した30歳という節目を迎える人(あるいは迎えた人)のリアルな経験に基づいたトークイベント。海外への関心が高まった人も多かったのではないでしょうか?

このタイトルでのイベントは月1で開催していきます。
次回のキーワードは『割り切った「はたらきかた」』です。お楽しみに。イベントは詳細はこちらから

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