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住む

『福岡移住不動産VOL.14』【八女】昔の町並み残る八女市福島でシェアする暮らし。 地域へ飛び込む足がかりへ。家賃2万3千円

2016.2.1  

福岡移住不動産とは、物件と間取り図が大好物な編集部のメンバーが、移住者目線で、私たちが自らこれは住んでみたい!と思える物件及び、移住者の可能性を拡張してくれるお家を厳選取材し、お伝えするコーナーです。


八女市・福島に新たな風

ここ数年、九州・ちくご地域のアンテナショップ『うなぎの寝床』や、一棟貸しの泊まれる町家『川のじ』が開業し、新しい風が吹き始めた八女市・福島。そんな町に、新しく生まれたシェアハウスがあります。

「今度、シェアハウスで餅つきをするんです。」というお誘いをいただき、車を走らせ伺ってきました。

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落ち着いた町並み。早朝の八女市・福島の佇まいです。

場所は『川のじ』の裏ということで伺ってみると、すでに大勢の方が集まり、餅つきが始まっておりました。

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ヨイショ~ヨイショ~の掛け声とともに。だんだんつき上がっていきます。

居心地が良い、心地好い町

「折角だから、若い人にお話を聴いてみよう・・・」と、小さいお子さん2人を連れて餅つきに参加されていた20代の若い田口さんご夫婦にお話を伺ってみました。

実は田口さんは、福岡県の「ふくおかトライアルワーキングステイ制度」を活用し、1ヶ月間八女・福島の町家にお試し居住をされていた方でした。仕事は設計関係で、熊本県山鹿市在住とのこと。なんとこの日が八女生活最終日でした。

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―1ヶ月間の八女・福島経験はいかがでしたか?

「町家に宿泊できると聞いて申し込みました。町家は古い建物だから冬は寒いと思われがちですが、南側が全面窓だったので、滞在した1ヶ月間は本当に温かかったです。それと、『NPO八女空き家再生スイッチ事務局』の中島さんに1ヶ月間付いて、地域の人たちとも会って、話を聴かせてもらって。今日も声を掛けてもらったり。いいですよね、こういう機会。自分もまた自分なりに八女の町、こうしたら良いんじゃないかって考えたりして・・・中に入り込ませてもらって有意義な時間でした。」

「僕の故郷は大分県の臼杵市です。どことなく八女に似ています。城下町で、昔からの建物が残っています。空き家問題もあります。八女は町の人たちが当事者として頑張っているのがいいなと思います。地にあるものを活用するというか。設計はまちづくりとすごく関係があるので、これからまた自分たちがやっていく事の参考になると思ってます。」

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この日はお子さんも一生懸命に餅つきを体験してました。

また、お試し居住をされた田口さん、とても有意義な1ヶ月を過ごしたよう(リポートされているブログはこちら)。

景観を再生する事は「可能性」を生む

次に、田口さんのお話の中に出てきた『NPO八女空き家再生スイッチ事務局』の中島さん(今回の仕掛け人の1人)にお話を伺いました。

中島さんはNPO八女空き家再生スイッチの事務局長であり、大学の非常勤講師であり、更には地域おこし協力隊でもあります。

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―中島さんは地域おこし協力隊でもあるんですね。なぜ、「八女に来よう!」と思われたのですか?

「僕、同じ福岡県のみやま市出身で、有明高専時代に、設計士の中島(孝行)さんのところのインターンで八女に4年ほど関わっていまして。最初のきっかけはそれかな。高専を出た後も、研究を続けながら、八女も含め色々な地域のまちづくりに関わってきたんですけど、いつかはこっちに戻ってこようと思っていました。八女で地域おこし協力隊の制度がスタートしたので、昨年の4月からこちらに住み始めて活動が本格化したというところです。設計の方でいうと、八女市内の町家修理の設計については協力隊になる前からだから、約10軒は関わっていますね。地域おこし協力隊としては、『つどいの家』もそうですが、空き家になってしまっている町家の所有者と、それを活用したいと思っている希望者をつなぐための諸々をしています。」

―そうなんですか。それでは八女との関わりはわりと昔から、なんですね。

「はい。八女の空き家再生についていうと、大勢の方が色々な形で関わっているんですが、僕たちぐらいの年代は第三世代だと思います。先程の中島(孝行)さんや、今日ここには来てないですけど元八女市の職員だった北島さん、牛島さんという方たちが第一世代ですね。第一世代の方たちが頑張っておられたからこの町並みが残っていると言えると思います。」

―じゃあ・・・第三世代である中島さんは、ここ10年ぐらい先輩の皆さんが頑張ってこられた様子を見てこられたわけですが、実際にこの町に住みながら、また何か考え始めてる事とかありますか?

「ここ数年、この景観が財産として認識され始めた部分はあると思います。『うなぎの寝床』や、『川のじ』のように新しい使われ方をしている建物も出始めています。地域課題としては・・・高齢化率、高いです。75歳以上が25%です。それと、都市部に出ていったお子さん世帯がUターンするケースっていうのがまだまだ少ないですね。お子さんたちがある程度の年齢になったら戻って来る、という方が、実はスムーズに行く事も多いだろうと思ってます。Uターンの方たちや、あるいはよそから来た移住者が、地域でつながって頑張っていく・・・と言う形が増えたらと思います。で、ここに住もうと考えている人には、地域との関わりをゼロにはしてほしくないです。例えば地域の行事だったり、子ども会だったり、今回のような餅つき企画だったり。そういった事は地域とつながる入口にもなるので、関わって欲しいなと思っています。」

ストックの活用を

「これからの時代は、新しい建物をどんどん建てて・・・というのはもう終わっていると思うんですね。あるものを財産としてストックとして活用していく動きになると思います。この町もそうです。あるものを、この景観を活用していけたら。例えば、今だったら・・・ごはんが食べられるところは色々生まれてきているけど、朝ごはんを食べられるお店が無い。宿もあるし、そういうお店があっても良いと思うんです。」

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―余所の地域になりますが、私が知っているお店が、ご近所のご年配の方々の集い場になっているんですけど、そういうのもありですか?

「そうそう、そういうのもありだと思います。このあたりの人たちも朝から食べにいけるようなところ。そういうのを手掛けられる人が来たりしたらいいなと。」

なるほどな・・・、Uターンの方とI・Jターンの方がそれぞれのポジションできちんと地域の中でやっていける場所を作れたら、それはストックの活用なのかもしれないですね。

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「この日が人生初の餅つき、何だか楽しい!」という方もチラホラ。
まちづくりは、案外こんな事からスタートするのかもしれないです。

人と関わりながら足がかりを作る

最後に、もう1人の仕掛け人、シェアハウス『つどいの家』の管理人兼住人で、関東からの移住者である平山さんからもお話を伺いました。

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「今回募集するシェアハウスは元々、福祉施設だったんです。今後使われる予定がなく、取壊しも検討されていたと聞いています。八女に来た頃から移住者が来やすいように、一時的に住む場所としてシェアハウスがあったら良いなと思ってたんですけど、そしたらこの物件とつながって。今NPO八女空き家再生スイッチが市から借りているという状況です。」

建物の中を拝見させていただくと、

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こちらがキッチンスペースです。

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ゲストが来た時用の2段ベッド。

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この日は餅こね会場になってますが、卓球台をデスクに再利用した共用スペースです。

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そして、ここが今回募集する和室のお部屋になります。

どの部分もできるところは自分たちでDIYしながら作っていっているそうで、今回のお部屋も現状は和室だけど、自分で洋室にするなり好きにDIYをしてもOKとのこと。
まだまだスタートしたばかりのシェアハウスなので、これからの部分は多いですが、新しく入ってくる方と一緒に『つどいの家』を作っていければとのことです。

全体の間取りはこちらです。

※募集は黄色部分のお部屋です。

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あと結構広い裏庭があって、今は何もしていないですけど、これから畑とかやっていきたいですね。

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実はこの建物も戦前の木造建築なのだとか。昔の建物って本当にしっかりしています。

千葉県匝瑳市(そうさし)出身の平山さん。東京に居た頃はリクルートに勤務し、広告関係の仕事をされていました。八女・福島へ移住したのは2015年2月。『川のじ』でのヘルパーが、八女生活の始まりでした。

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―さっき、餅つきですごく馴染んでるなぁと思ったんですけど、もともと移住指向があったんですか?平山さんがこっちへ移住すると決めるまでの過程に興味があるんです。

「東京で仕事している頃から、移住しようっていうのは決めてたんです。ただ移住先をどこにしようかなと、2~3年位は移住先を探してました。鳥取大山とか、丹波篠山とかが最初は候補だったんですよ。自然と文化・アートと人のバランスがすごくいいなぁと思ってて。それがここ八女福島になったのは、旅の途中で『川のじ』に泊まった事がきっかけです。さっき話した2つの地域は、移住者も結構多いし、既に全国的にも注目を集めていたんですけど、正直な話し、八女のことは全く知りませんでした。『川のじ』に泊まろうと思ったら、たまたまそれが八女だったんです。
でも、実際に来て滞在してみて、驚きましたね。こんなにコンテンツや人が魅力的な地域なのに、なんで気づかれていないだろうって。でも、求めている人は間違いなくいるだろうし、そういう人たちに八女の魅力が伝えられたらもっと面白くなりそうと思って移住しちゃいました。仕事はフリーランスで広告の仕事をしているんですが、今は9割が東京、1割がこっちかな。せっかくこっちに移住したんだから、もう少し本腰を入れたいとは思っているんですけど、徐々に徐々に。という感じです。」

生き方の多様性、豊かさって何だ

―移住しようと決めていたのは、何故でしょう?

「んーそうですねー・・・、僕の場合、仕事に追われると心の余裕が無くなることも多くて。今までそういう時は、旅に出ては非日常を満喫して気分転換していたんですけど、よくよく考えたら、いちいち旅に出かけるんじゃなくて、住んじゃうっていうのもありなんじゃないかなと思ったんです。非日常を日常にしちゃうというか。なんか生き方にそういう多様性があってもいいんじゃないかなと。で、八女に住んでみて思ったのは、無いものはもちろんあります。例えば、ライブハウスとか単館系映画館とかは、ちょっと都心まで行かないとないですけど、八女に住んでいるからこそできることもありますよ。僕の場合だと、毎日のように温泉に行ったり、天気がいい時は山登って山頂で仕事したりとか。もちろん、人によってだとは思うんですが、僕みたいな仕事の場合はアイデアを考えるのにも良い環境だったりするんです。生活自体も、こうして近所の人と餅つきしたり。あと、親よりも上の年齢の方とかに呑みに連れて行ってもらったり。その人の行きつけのスナック2~3軒連れ回してもらったり。毎日忙しいですけど、すごく楽しいですね。そういうのも含めて、豊かさにつながっているのかなって思います。」

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―平山さん、けっこう人の中に飛び込んでいける方ですか?

「そう見えますか?実は人見知りするタイプなんです。ただ、フットワークは軽いかな?八女って実は凄い広くて、福島のこのあたりだけじゃなくて立花とか上陽とか奥八女の方もすごく面白いところがいっぱいあるし、魅力的な人も多いんです。少しずつそういった方ともつながっていってるし、このシェアハウスに住み始めてベースができたので、これからはそういうところの情報も出していけるようになりたいですね。」

―「こういう人に入居してもらいたい」というのは、何かありますか?

「地域の活動に参加する意欲のある人ですかね。地域の人たちと馴染んだりつながったりするきっかけになると思うんですよ。楽しんで馴染んで行って欲しいです。」

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「やっぱり地域の人と関わっていかないとその地域の魅力ってなかなかわからないと思いますし、地域のルールもわかっていくかなって。あとは、移住して仕事も探して・・・は大変だと思うので、手に職を持っているとか、見通しが立っていると良いなと思います。20代前半だったら、近場にアルバイト先は色々とあるから、そういうところからスタートするのもありかもしれません。けど、20代後半とかそれ以上だったら、ここを拠点にするにしても、先の見通しを立てるためにも、職はきちんと考えておくといいと思います。」

シェアハウスを足掛かりに、地域に馴染んでいく、地域の魅力・ルールを知っていく事・・・人と人の関係性が濃い地方に飛び込んだ「移住の先輩」だからこそ、平山さんのコトバには説得力がありました。

まとめ

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「生き方の多様性」と出会える町、八女・福島。古き良き町並みの中で、「暮らしの足掛かりを作りたい」と思っている方は、シェアハウス・『つどいの家』のドアを空けてみませんか?

・車がないと暮らすには不便かもしれません。
・町の人との関わりを大事にしながら暮らしたい方にオススメ。

実際この物件に興味がある方は、下の問い合わせボタンをクリックして、編集部までご連絡ください。
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高木 亜希子
千葉県出身。
うきは市浮羽町で自然卵の養鶏を営む【ゆむたファーム】の嫁。また【あきこ商店】として筑後地方の食に関わるヒト・モノ・コトを伝える活動をしている。